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『ちおちゃんの通学路』大空直美×本渡楓が語る通学エピソード

『ちおちゃんの通学路』大空直美さん×本渡楓さんが語るリアルすぎる通学エピソード/インタビュー

座右の銘は「中の下」の三谷裳ちお、その幼馴染の野々村真奈菜、そしてスクールカースト最上位の細川雪による、波瀾万丈エクストリーム登校コメディ『ちおちゃんの通学路』。本稿では、本作のTVアニメに出演する大空直美さん(三谷裳ちお役)、本渡楓さん(細川雪役)のインタビューをお届けします。お二人には、作品の魅力や物語前半のみどころについてたっぷり語ってもらいました。


 

二人の通学エピソード、そしてお互いのキャラクターから感じた印象

――通学路の面白エピソードはありますか?

大空直美さん(以下、大空):面白いと言われると、ハードルがグッと上がりますね。

▲大空直美さん(三谷裳ちお役)

▲大空直美さん(三谷裳ちお役)

本渡楓さん(以下、本渡):私、ガチなものしかないですよ? 学校の近くの道だから大半の生徒がそこを通るんですけど、大きな犬を飼ってる家があったんです。ある日、その犬にじゃれつきに行った子が思いっきり噛まれて入院……という。

▲本渡楓さん(細川雪役)

▲本渡楓さん(細川雪役)

大空:ガチやん。

本渡:そう。だから全然面白くもないんですよ。あと、中学で学校に着いたときに「大丈夫でしたか?」って言われたので、何だろう?ざわざわ…としてたら、「近くで黄色いパジャマを着たおじさんが包丁を持って立っていたんです」と言われ……。

大空:怖いよっ!!!

本渡:ひぃ~~~っていう。でも何事もなかったんですけど。だから恐怖エピソードばかりなんですよ。

――変なおじさんって、必ずいますよね。

大空:私は大阪出身だったから、変なおじさんはいっぱいいて、キューピーおじさんっていう、キューピー人形を子供たちに分け与えるおじさんがいたんです。「キューピーちゃんやで~!」って配ってるんです。なんか変質者トークになってしまってますね……

あの、私転校をすごくしてて、小・中・高と2校ずつ通ってるから6パターン通学路があったんです。下校の時刻に通称「勇気の道」というのがあって、ちょっと木が生い茂ってるところなんですけど、夏になるとそこに毛虫が大量発生するんです。私もヤンチャだったので「ここを通りきったら、勇気ある者とみなす!」とか言って度胸試ししてました。

――その通学路エピソード、いただいておきます。もう放送は始まっているので、大空さんが演じる三谷裳ちおと本渡楓さんが演じる細川 雪について、声が入ったお互いのキャラクターを見た感想を聞きたいのですが。

大空:雪ちゃんは邪なところがないんです。醜い感情がこの子にはないんだという感じで、それが逆にちょっとサイコパスみたいな。そういうところがすごく好きなんです。しかもえーでちゃん(本渡さんのこと)の声が入ることで、原作漫画で感じていた雪ちゃんより、数段良い子になってたんです。すごく澄んでるんですよ。

原作の印象だと、もっと普通の良い子だったのに、えーでちゃんの声が付くと、それに深みが増して、「あ、こいつヤバい奴なんだ」っていうのがすごくわかる。なので、やっぱり好きだな~って思いました。


――本渡さんは、どういうアプローチで演じていたんですか?

本渡:オーディションとか現場のディレクションで、「いい子ではあるけど本人にとっては普通だから、それがちおちゃんたちからすると余計に眩しいんです」と言われたので、なるべく嘘に聞こえない、嫌みに聞こえないように、自然と優しい言葉が出るように気をつけていました。

だから私としてはヤバさを出そうとはしてなかったので、素でそういう要素があるのかもしれないなって思いました(笑)。自分では出そうとしてないのに、ディレクションで毎週サイコパスみが滲んでますねって言われてるので、持ち合わせていたのかもと。

大空:本人はいたって普通のつもりなのに、それが出ちゃうって大成功だよ! グサッとくることをサラッと言っちゃうところもすごいの! こういうことを言ったら傷ついちゃうからって、普通は回りくどい言い方をするけど、雪はすごく真っ白でピュアだから。

本渡:雪は思ったことをそのまま伝えているだけなんです。

――逆にちおちゃんはどうですか?

本渡:ちおちゃんは、本渡からすると羨ましいなと思うところがいくつかあります。すごく不器用なんですけど、もっと思っていることを素直に言ってしまえば、周りは面白いと思うか引くかどっちかになるんだろうなと思うんです。

そうすれば彼女ももっと過ごしやすいのに、今日もまた大変なことになってるなぁって思いながらいつも見てるんです。でも、そうやってひらめきややりたいことを行動に移すことができるのは、すごくいいなって思います。しかも野々村真奈菜ちゃんと絡むと、より生き生きしてお互いを蹴落とし合ってるんですよね。

だから見てて楽しいし、この子が主人公なら面白くなるよなって。そこに大空さんの声が付いたとき、イメージがより湧き上がってきたんです。漫画で見て想像はしていたけど、大空さんのお芝居がすごく面白かったんです。真似はできないし憧れるし、リアクションとか顔芸のときのお芝居も、すごく素敵で。



大空:嬉しい~。

――結構キャラクター的にはぶっ飛んでますよね。

大空:本人は「地味」とか「中の下で」とか言ってるけど、ポテンシャルはすごいんですよね。私、ちおちゃんに関しては、あまり作ろうと思ってないんです。それより素のリアクションみたいなものができたらいいなと思ってて。

この子は女子高生だけど、“女子高生さ”を生かしてない子で、驚いたときも「キャー!」じゃなくて「うおっ!」だろうなって思うんです。私自身も学園のヒエラルキーでは下のほうで、キラキラしようと思ってなかったので、自分の中にあるものを膨らませて出した感じですかね。

――自身の経験があのお芝居に繋がっていたんですね(笑)。ちなみにちおちゃんの相棒と言うと2話から登場した小見川千明さん演じる野々村真奈菜ですけど、いかがでしたか?

大空:ちおちゃんも最初は雪ちゃんに気に入られたいという気持ちがやっぱり強いから、気を使っていたんです。でも真奈菜に対しては最初からズケズケ言ってるから、人によって心の開き具合が全然違うんですよね。そこでの差はすごくあったのかもしれないですけど、私自身も真奈菜が大好きです。



 

ある意味怒涛の本編とは裏腹に現場はまったり

――アフレコ現場ではどんな感じなんですか?

大空:まったりとした空気が流れてます。

本渡:すごくのんびりとしてるんです。

大空:登場人物みんなが叫んでるみたいな回も、「うおおーーー!!!」って感じでやるんだけど、休憩時間とかには、ふ~っみたいな感じで落ち着いてます。

本渡:そこの差はすごくありますよね、いい意味で。


大空:この話はこうだよね、うふふふ、くすくすくすみたいな感じで朗らかな空気なのに…。

本渡:皆さんの切り替えがすごい!

大空:でも私、最初のほうは正直、めっちゃ叫ぶしめっちゃしゃべるやん!と内心思ってたんです。みんながのほほんという空気を出してたから、私もそういう空気を出そうとしてたけど、頭の中ではすごく必死でした。めっちゃ叫ぶーーーーー!!!って。

本渡:だって1~3話って9割ぐらいちおちゃんがしゃべってますよね。

――アフレコの話でいうと、こういうコメディ作品って、監督が異様なこだわりを発揮したりする印象があるのですが、そういうことは?

大空:ありました。稲垣監督なのか音響監督の山口(貴之)さんのこだわりなのかはわからないんですけど、こうしてくださいってディレクションはいただきます。とても細やかなところにこだわられている部分もありました。

――たとえば?

大空:ちゃんと聞こえてるのは前にいるキャラクターのセリフなのに、後ろのほうでしゃべってる人たちの会話もすごくこだわってたりするんです。BLゲームのシーンとかはほんのちょっとなんですよ。

でもBLのキャラたちに「もうちょっと攻めて!」とか。すごく細かいところまで仕掛けられている感じがします。効果音もこだわられていて、2話のダビング作業に立ち会わせていただいたんですけど、安藤さんのバイクの音を楽しげにしていたり、こだわりが随所に散りばめられていました。

本渡:私が一番印象に残っているのは、ちおちゃんなんですけど、洋ゲーが好きということで、イヤッホーってセリフが1話にあったと思うんです。あそこの「イヤッホー!」の部分だけ〇〇の〇〇風でお願いしますって、動画まで見せてくださったのが印象に残ってます。


大空:元ネタがあるものもありましたね。動画も見せていただきました。

本渡:語尾の音の上げ下げまで、ガッツリ真似て演じられてて。

大空:そこ違う違う!って言われて(笑)。結構そういう何風でっていうのは多かったかもしれない。

――序盤で楽しかったエピソードというと?

大空:3話で久志取まどかが登場するところ。まどかってカバディ部の部長なんですけど、本当に強烈でものすごい存在感なんです。でも声はいい女で艶っぽさもある。だけどとんでもないド変態だから、そこのギャップの衝撃がすごかったです。こんなに素敵な声なのにとても気持ちが悪くて面白くて最高なので、まどかとの出会いのシーンは大好きです。

――カバディの歌(「That’sカバディ・ストラグル!!」)も歌ってましたよね?

大空:録りました! あれ、ヘッドフォンで聞くとLとRからカバディって聴こえてきて、ぐるぐる廻って聴こえるんですよ。EDテーマ「ナナイロード」のカップリングに入っているので聴いてほしいです。

――本渡さんはどうですか?

本渡:2話で真奈菜ちゃんが出てきて恋愛ヌーブについてひたすら語るところが面白かったです。この人たち経験あるの?ないでしょ!みたいな。

ないのは原作で知っていたんですけど、ほぼほぼ初登場の真奈菜ちゃんが語っていて、しかも「ヌーブとは、素人初心者を示すゲーム用語で~~~」ってナレーションまで入ってて、ここの一連はアフレコの段階でも相当面白かったです。この2人はいったい何を言ってるんだろうって思ってました(笑)。


大空:ここはすごくテンポ感が良くて、私も好きです。2話の真奈菜がすごく刺激物で、雪ちゃんとちおちゃんが仲良くなっていることにもめちゃめちゃキレてるし、あげく自分は雪ちゃんを利用してカースト上位に行こうとするし(笑)。

驚いたのは、こんなに長い付き合いなのに、真奈菜が雪ちゃんと話した瞬間、ちおちゃんに「もう二度と話すことはないと思うけど、今まで楽しかったわ。さよならちおちゃん」って言うんですよ。そのくらい潔いところが面白いなって。

 

二人が注目する今後の見どころは――

――2人のやり取りが、この作品の魅力ですよね。では今後の見どころは?

本渡:私はやっぱり雪ですかね。すでにオープニングの映像で「雪さん、おい、どうした?」ってワンシーンがあったと思うんですけど、要はそういうことですね。彼女の口からそれが語られるのは物語の最後のほうになるので、彼女なりの信念を感じてほしいです。

オープニングでは他に、目つきが鋭くなるシーンもあったんですけど、それも最後のほうに出てくると思います。でも今は雪ちゃんの正統派でカースト上位の空気を味わって、癒しになってくれれば嬉しいですね。



大空:一番の推しは真奈菜なんです。ゲスで女の子の嫌なところがたくさん出ているあの子が本当に見てて楽しくて大好きなんですよ。真奈菜以外だったら安藤さんかなぁ。

安藤さんも変化があるキャラクターで、あんなに初対面は怖くて最悪だったのに、バイトを始めたり、ちおちゃんの前でカッコつけたり、だんだん身近で愛おしい存在になっていくんです。ずっと見てるとその変化がわかるから、ちょっとドキドキしちゃうんですよね。あと、小山力也さんのお芝居が面白いです!


――そして 7月25日にはOPテーマ「Danger in my 通学路」とEDテーマ「ナナイロード」がリリースされました。「Danger in my 通学路」は、曲調がカッコいいロックナンバーでしたね。歌詞はツッコミどころが……(笑)

大空:この曲はどう歌おうかすごく迷いました。レコーディングは、小見川さんが真奈菜として最初に歌ったんですけど、ちおちゃんって「中の下」でいたいキャラだから、叫んだりはするけど、こんなにカッコいい曲をどうやって歌えばいいのかなと思ったんです。でも、真奈菜の歌を聴いたら、超カッコ良く歌ってたので、私はそれにただただ付いていきました。

――ちおちゃんって、自分では地味だと言ってるけど開き直ったらいつもすごいですよね。

大空:そうなんです! その開き直ったすごさみたいなところはロックな曲調と思い切った歌詞に出ていると思います。だから真奈菜の歌を聴いたときに、私もカッコよく歌おうと思ったし、逆にそれが面白いのでは?って思いました。


本渡:私はそのお2人の歌を受けての収録だったんですけど、雪ちゃんがどう歌うのかは結構綿密に相談させていただき、何パターンか聴いてもらいました。

でも結果、先に録ったお2人が、カッコよくイケイケで歌われていたので、それに乗っかるでもなく、雪ちゃんは雪ちゃんで、楽しみながらのんびりとマイペースに歌っているようなイメージで録りました。だから作中と似たような関係というか。同じ方向は向いているけど、テンションは別な感じです。

大空:でも雪ちゃんが加わったことで、すごく爽やかさが増して、この3人はバランスがいいのかも!って思いました。

――オープニング映像も良かったですね。

本渡:リップシンクっていうんですかね、〈チャック開いてんぞ〉って3人で歌ったあとになぜか安藤さんが真ん中に立ってるから、何だろう?って思ったら……。

大空:まさかの安藤さんのチャックが開いてたんだぁ!っていう(笑)。歌っているときは誰のチャックのことだかわからなかったので。


――エンディングの「ナナイロード」はちおちゃんと真奈菜の曲です。

大空:真奈菜とちおちゃんの関係が表れてるなって思います。私は本当に真奈菜が大好きで、こいつ良い性格してんな!って思うから、その2人の関係性がよく出ている曲だと思います。

歌詞も含めてとっても良かったです! エモーショナルでキラキラしてて、お互い蹴落とし合うけどちゃんと好きだよっていうのが歌から出ていたから、個人的にもとっても嬉しくて、ちょっとウルッと来ちゃいました。

単行本の表紙の真奈菜を見て、真奈菜を思いながら歌いました。本編はぐちゃぐちゃぐちゃーーってしてますけど、このエンディングのおかげで、きれいに締まった感が出ていればいいな~って思います。


[取材・文・撮影/塚越淳一]

 

テレビアニメ『ちおちゃんの通学路』作品情報

放送情報

TOKYO MX:毎週(金)22:00~
岐阜放送:毎週(金)深夜1:30~
三重テレビ:毎週(金)深夜1:20~
KBS京都:毎週(土)深夜1:30~
サンテレビ:毎週(金)深夜0:00~
BS11:毎週(月)深夜1:00~
AT-X:毎週(土)21:00~(※リピート放送 毎週火曜日13:00~/毎週木曜日深夜5:00~)

dアニメストア、AbemaTVにて地上波先行配信!
dアニメストア:毎週金曜21:30~
AbemaTV:毎週金曜21:30~(ビデオ 21:30~/TV 23:30~)

また以下ご覧の配信サイトでも、7月13日(金)より随時配信開始!
NETFLIX/Amazonプライム・ビデオ/Hulu/バンダイチャンネル/ひかりTV/ビデオパス/J:COMオンデマンド/U-NEXT/アニメ放題/あにてれ/ニコニコチャンネル/GYAO! ほか


 

イントロダクション

どこにでもある学校「鮫島学園」に通う高校1年生・三谷裳ちおの座右の銘は「中(ちゅう)の下(げ)」。目立たないスクールライフを送ろうとする彼女だが、登校途中にはなぜか様々な障害が待ち受ける。

ちおは日頃の洋ゲーライフで鍛えた(ムダな)能力を駆使し、脱オタを目指す幼なじみの野々村真奈菜、完全無欠のスクールカースト最上位・細川雪、そして街を行き交う名もなき人々をも巻き込みつつ、無事「登校」を達成すべく、今日も通学に挑む!

 

スタッフ

原作:川崎直孝(月刊コミックフラッパー連載/KADOKAWA刊)
監督/シリーズ構成:稲垣隆行
キャラクターデザイン:松本麻友子
アニメーション制作:ディオメディア
製作:ちおちゃんの製作委員会

キャスト

三谷裳ちお/大空直美
野々村真奈菜/小見川千明
細川雪/本渡楓
久志取まどか/大地葉
たっくん/篠田みなみ
たっくんママ/皆口裕子
サラリーマン/間島淳司
牛田敏男/飛田展男

 

関連商品

オープニング曲

 

≪収録内容≫
01. Danger in my 通学路
歌 : 三谷裳ちお (CV.大空直美)・野々村真奈菜 (CV.小見川千明)・細川雪 (CV.本渡楓)
02. 青春とは?
歌 : 三谷裳ちお (CV.大空直美)
03. Danger in my 通学路 (instrumental)
04. 青春とは? (instrumental)

 

エンディング曲

 

≪収録内容≫
01. ナナイロード
歌 : 三谷裳ちお (CV.大空直美)・野々村真奈菜 (CV.小見川千明)
02. That’sカバディ・ストラグル!!
歌 : 三谷裳ちお (CV.大空直美)・久志取まどか (CV.大地葉)
03. ナナイロード (instrumental)
04. That’sカバディ・ストラグル!! (instrumental)

Blu-ray BOX

 
アニメイト特典:オリジナルB2タペストリー(上下巻連動購入)

テレビアニメ『ちおちゃんの通学路』公式サイト
テレビアニメ『ちおちゃんの通学路』公式ツイッター(@Chiochan_tv)
推奨ハッシュタグ:#ちおちゃん

(C)2018 川崎直孝/KADOKAWA/ちおちゃんの製作委員会
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