悠木碧さんと大西沙織さんが語るお互いの第一印象とは!?「電撃文庫秋の祭典」『ブギーポップは笑わない』スペシャルステージレポート

2018年10月7日、東京・ベルサール秋葉原にて、「電撃文庫秋の祭典」が開催されました。ここでは、そのメインステージで行われていた、『ブギーポップは笑わない』スペシャルステージの模様をお届けしていきます。

電撃文庫を代表する不朽の名作エンタテインメントノベルである『ブギーポップは笑わない』。原作第一巻が発売されてから約20年の節目を迎え、TVアニメプロジェクトが始動したことで大きな注目を集めている作品です。

今回の電撃祭にて行われたスペシャルステージには、そのアニメプロジェクトに出演する悠木碧さん（ブギーポップ／宮下藤花役）と大西沙織さん（霧間凪役）らが登壇。新たに発表された最新情報と共に、作品にまつわるトークを繰り広げていました。

初公開となるキービジュアルの美しさに会場の雰囲気も一変

今回のステージは、電撃祭の中でもっとも早い午前中の時間帯に行われたこともあり、「おはようございます！」と元気いっぱいの挨拶と共に登壇した悠木さん＆大西さん。
『ブギーポップ』のステージイベントとしては、今年3月に行われた春の電撃祭に続き、2回目の登壇となるお二人。

本作への出演にあたり、不朽の名作である『ブギーポップ』に影響を受けて育った大勢の著名クリエイターからの期待の言葉を目にするなど、大きな反響に驚いたそうです。20年という長い歴史に加えて、そうした様々な人たちの想いも受けながら演じているだけに、主演の二人に掛かるプレッシャーも、並々ならぬものになっている様子でした。

既にアフレコもスタートしており、意外にも悠木さんと大西さんは、本格的な共演は本作が初めてなのだとか。実は悠木さんは普段、初対面の相手からは「怖そうな人」という印象を抱かれる事が多く、大西さんもその一人だったそうなのですが、現場のムードメーカー的な存在でありながら芝居の面でも中心としてキャスト陣を引っ張っていく悠木さんの本来の姿を知り、大好きになったことを明かします。

一方、声優陣の間で「とにかく良い人」という大西さんの評判を聞いていたという悠木さんは、「いざ話してみると、本当に人たらしだなと。（大西さんのことを）嫌いな人は一人もいないんじゃないかと思うくらい」と、その人となりを大絶賛。非常に良好な関係が築かれている様子を伺い知ることができました。

アフレコ時の思い出として、ブギーポップは「狂言回し」的な言葉遣いをしてほしいと伝えられていた悠木さんは、最初はある程度セーブをかけていたそうなのですが、現場ではより強い狂言回しに寄せるように指示を受けたエピソードを紹介。

いざ演じてみると、不思議とそれがしっくりとくる、ゆったりとした独特のテンポ感が本作の特徴にもなっているそうで、じっくりと世界観を楽しみたい、コアなアニメファンにとってたまらない玄人好みの作りとなっていることも語られていました。

その後、雪の夜にブギーポップが佇む、新たなキービジュアルが初めて公開されると、そのクオリティの高さに、客席からは思わずどよめきに近い歓声が沸き起こりました。既にアフレコの段階でも、かなり作画が進んだ状態となっていたようで、悠木さん・大西さんは口を揃えて、キャラクターの表情変化の細かさを注目のポイントとして挙げていました。

末真和子役・近藤玲奈さんがサプライズゲストとして登場

続いてキャラクタービジュアルが公開されると、「演じていて、こんなに強くなった気分にさせてくれるキャラクターはなかなかいない」と、ブギーポップを演じた心境を明かす悠木さん。対して、悠木さんが演じるもう一人のキャラクター・宮下藤花については、「とにかく普通の女子高生。私が普通の女子校生を演じることの珍しさといったら……」と漏らすと、大西さんからも「悠木さんには普通という言葉は似合わない」との発言が飛び出し、客席の爆笑を誘います。

二人が演じたキャラクター以外にも、竹田啓司、新刻敬、末真和子ら主要キャラクター達のビジュアルも公開され、原作第一作で描かれた「ブギーポップは笑わない」編が、今回のアニメ化のファーストエピソードとしてしっかりと描かれることが明言されていました。

さらに会場では、その一人である「末真和子」を近藤玲奈さんが演じることが明かされると、サプライズゲストとして近藤さんがステージへと登壇します。

末真役を担当するにあたり、「私がこんなに頭のいいキャラを演じていいのか……」という、作中で「博士」と呼ばれる頭脳明晰なキャラクターを演じる時ならではの悩みを抱えていたという近藤さん。しかし悠木さんにとっては、そんな近藤さんが演じる末真から絶大な安心感を感じているようで「末真が画面にいたら、なんとかしてくれそう。お母さんみたい」とコメントしていました。

実は近藤さんは、『ブギーポップ』シリーズよりも（年齢的に）一個下となる、1999年生まれの19歳なのですが、その若さで末真の落ち着いた雰囲気を表現できる抜群の演技力は、悠木さんと大西さんからの称賛を集めていました。

それぞれが演じたキャラクターの印象に関する話題では、「最初は大変でも、一度形が掴めるようになってくると結構演じやすくなったのがブギーポップで、本当の普通の女子高生として、ニュートラルな演技を求められる藤花のほうが大変でした」と語る悠木さん。

一方の大西さんも、凪を演じるにあたり、「男性的な口調でありながら、ただのクール一辺倒ではなく、ベースは優しいお姉さんのような雰囲気」という、非常に複雑なディレクションを受けていたそうで、それぞれに決して少なくない苦労があったことが明かされる一幕も。

その後には、現在制作中のアニメからの先行カットの公開も行われ、どのカットをとってもキメシーンのような作画クオリティの高さに、キャスト陣も驚愕。

中でも悠木さんが注目していたのが、原作ファンならニヤリとするであろう、とある原作の構図を再現したカットです。実はそのカットは、一見原作と同じようで、ところどころの部分が2018年に準拠した表現になっています。20年前の原作を現代に落とし込んだことで生まれる、新たな魅力も見逃せないポイントとなりそうです。

最後には、悠木さん・大西さん・近藤さんらから、それぞれ放送に向けた力強い意気込みが語られ、ステージは締めくくられました。

TVアニメ『ブギーポップは笑わない』は、2019年1月より放送予定。エンタテインメントノベルの歴史を形作ったといっても過言ではない、現在も色褪せぬ名作の復活をお見逃しなく！

［取材／文　米澤崇史］

作品情報

TVアニメ『ブギーポップは笑わない』
2019年1月より放送開始！

【INTRODUCTION】
ぼくは自動的なんだよ。名を不気味な泡(ブギーポップ)という――。

エンタテインメントノベルでNo.1シェアを誇るレーベル・電撃文庫に多大な影響を与えた、
今なお色褪せることのない名作として、絶大な支持を集める人気タイトル「ブギーポップは笑わない」シリーズが、刊行から20年の節目となる年に待望のTVアニメ化決定！

TVアニメを手掛けるのは、2015年に放送され、大ヒットを記録したTVアニメ「ワンパンマン」で、世界中のアニメユーザーを唸らせた監督・夏目真悟。そして同作のシリーズ構成と脚本を務めた鈴木智尋に、圧倒的なクオリティを実現させた日本屈指のアニメーションスタジオ・マッドハウスが集結し、世界に危機が迫ったとき、自動的に浮かび上がるヒーロー、ブギーポップを中心に繰り広げられるアクションファンタジーを見事に描き切る！

【STAFF】
原作：上遠野浩平(電撃文庫刊)
原作イラスト：緒方剛志
監督：夏目真悟
シリーズ構成・脚本：鈴木智尋
キャラクターデザイン：澤田英彦
音楽：牛尾憲輔
アニメーション制作：マッドハウス
製作：ブギーポップは笑わない製作委員会

【CAST】
ブギーポップ／宮下藤花：悠木碧
霧間凪：大西沙織
末真和子：近藤玲奈