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音楽プロデューサー・須賀正人さんを偲んで声優たちから追悼の言葉

音楽プロデューサー・須賀正人さんを偲んで井上喜久子さんら声優・業界関係者たちから追悼の言葉

1990年代、アニメ音楽の三大ディレクター(プロデューサー)といえば、キングレコードの大月俊倫さん、ビクターエンタテインメントの佐々木史朗さん、そしてポニーキャニオンの須賀正人さんでした。

アニメ『らんま1/2』や『ああっ女神さまっ』、それに井上喜久子さんのファンであれば、須賀さんのお名前をご存知ではないでしょうか。圧倒的なファンサービス、次々と繰り出す奇抜なアイディア、常にアーティストのことを考えながら力を引き出させる名プロデューサーぶり。

2000年に独立し、個人事務所「有限会社オニオンピーマンカンパニー」を設立して以降は、作詞家としてアニメ作品に関わることが多くなり、以前のような縦横無尽の活躍を見せる機会も減少。そのため近年では、あまり馴染のない名前になっているかもしれません。

その須賀さんが去る2018年12月11日、肺炎によって急逝されました。59歳であり、まだまだ失うには早すぎる才能でした。

今回アニメイトタイムズでは、須賀さんがアニメ・声優業界に遺した功績を後世に語り継ぐため、そのお仕事のごく一部ではありますが、記事としてまとめたいと思います。

さらに、須賀さんを偲んで声優および業界関係者の方々が追悼コメントを寄せてくださいました。

まずは須賀さんの名物ディレクター・プロデューサーぶりからご紹介しましょう。


須賀正人さんツイッター画像 イラスト/ともうちひろゆき

[須賀正人]音楽ディレクター、作詞家。元ポニーキャニオン音楽プロデューサー。2000年に自身の個人事務所として「有限会社オニオンピーマンカンパニー」を設立。会社名の由来は須賀がネギとピーマンが嫌いで食べられないことから、独立に当たり『これからは好き嫌いは言ってられない』という戒めを込めて命名した。しかし未だにピーマンを残してしまう。埼玉県生まれのA型。
(「有限会社オニオンピーマンカンパニー」公式HPのプロフィールより)

「特殊仕様の須賀」と呼ばれた独特すぎる企画力!

須賀さんらしいこだわりで、大きな特徴となっているのが、かなり特殊な特典付きパッケージです。

1989年12月発売の『プロジェクトA子 完結篇/サントラ盤 A子ロボ付き』では、なんとCDにA子ロボ人形が付いてきました。無論、業界初です。

1996年11月発売の『らんま1/2 おか持ち特選~猫飯店メニュー・ソング~[おか持ち付き限定版]』では、『らんま1/2』の全アルバムが収納できるおか持ちが付いてきました。無論、業界初です。


▲『井上喜久子/しあわせタンバリン~けっていのうたアルバム~』では、しあわせタンバリンが付く初回限定セットを制作。コンサートでも観客にしあわせタンバリンを持ち込ませ、普通は音が鳴るものを控えさせるところ、会場中でタンバリンが打ち鳴らされるという前代未聞のコンサートを仕掛けました。以来タンバリンは、今も井上さんのイベントの定番アイテムになっています

「いかにしてお客様を喜ばせるか」をモットーに、他に類を見ない特典や斬新なパッケージを生み出し続けてきた須賀さんは、サービス精神の塊のような方でした。

また、ディレクター、プロデューサーの他に、自ら作詞を行っていた点も特徴です。

須賀さん曰く、「声優さん総出演のキャラクターソングのアルバムを得意としていたが、アニメキャラのパステーシュ(模倣)をプロの作詞家に要求することに罪の意識を感じ、ほとんどの作品を自分で作詞するようになっていった」そうですが、作詞でも独特のセンスを発揮しました。

たとえば「乱馬的歌劇団文芸部」というペンネームで、「乱馬ダ☆RANMA」をはじめ『らんま1/2』関連の曲をほとんど作詞されていますが、「猫飯店メニュー・ソング」という曲はなんと、歌詞がほぼ中華料理の品名のみ!

シャンプー役の佐久間レイさんもこの曲がお気に入りのようで、ご自身のライブで定番曲として今も歌われています。

1998年にWOWOWで放送されたアニメ『アンドロイド・アナ MAICO 2010』では、「sora」というペンネームで主題歌・挿入歌全曲を作詞しましたが、オープニング主題歌「MAICOは踊る」では、音符をそのまま歌詞にしています。

「ソラソラソラソラミ」と移る音に対し、歌詞も「そらそらそらそらみ」と当てているわけです。これは、ヒロインのMAICO(cv:丹下桜さん)が生まれたばかりのアンドロイドであるため、機械的に歌っていることを表現したものです。

しかも2番では「そらそらそらたかい」と歌詞が変化し、アンドロイドが成長して次第に感情が芽生えてくる様子まで描き切っています。作詞家としても、作品の世界観に最適なものを生み出す名手でした。

商品の宣伝方法においても、その閃きには天才的なものがありました。

アニメや声優のCDは、アニメ雑誌や声優雑誌に記事を載せ、宣伝するというのが一般的だった時代。より効果的に雑誌で取り上げてもらうための企画において、須賀さんの右に出る者はいませんでした。

久川綾さんの企画で、久川さんの事務所関係者にバンドメンバー、CD制作やラジオ番組に関わるスタッフなどを「久川綾チーム」、アニメ雑誌や声優雑誌、ネット媒体などの編集・ライターを「アニメ誌連合チーム」とし、全員に着ぐるみを着せて競技をさせる運動会を開催。

その模様を収録した映像作品『久川綾の着ぐるみ大運動会』と、運動会用に作った楽曲を収録したサウンドトラック『MARCHING AYA』を発売しました(1997年1月)。

各媒体にとっても自分たちが出場しているわけですから、もちろん大々的に記事で取り上げました。観客として集まった久川さんのファンも含め、大規模なお祭り騒ぎにみんなを巻き込み、作品のパワーに変換させた須賀さんの名采配は、見事というほかありません。


▲アニメ雑誌の出版社ごとに着ぐるみの種類を分けるなど、識別のしやすさまで考え抜かれていました


▲『無限の住人』イメージアルバム(1996年9月発売)では、『無限の住人 音曲盤読本』という前代未聞の超豪華販促グッズを用意。原作者・沙村広明氏とアーティスト・人間椅子による対談や、沙村氏が描いた人間椅子メンバーの画、貞本義行氏ほか著名人からの寄稿文などもあり、コレクターズアイテムとしても貴重すぎる逸品。しかも媒体が記事を書きやすいように、『無限の住人』や人間椅子の解説も充実しており、至れり尽くせりのサポートアイテムにもなっていました

『ああっ女神さまっ』で手法を確立し、井上喜久子さんの作品で理想の形へ!

『らんま1/2』ではキャラクターごとにシングルCDを12枚発売し、オリコンチャート100位内に10枚が同時ランクイン。アルバム『らんま1/2熱闘歌合戦』ではアニメ部門のゴールドディスク大賞も受賞するなど、須賀さんはセールス的にも結果を残してきました。

そして1993年から発売されたOVAシリーズ『ああっ女神さまっ』にて、これまで培ってきた手法を確立させます。

「長谷川空」のペンネームで、オープニングテーマ「My Heart 言い出せない、Your Heart 確かめたい」およびエンディングテーマ「Congratulations!」の作詞を手掛けたのをはじめ、アニメと声優のキャラを別人格とする戦略で、声優ユニット「GODDESS FAMILY CLUB(井上喜久子さん、冬馬由美さん、久川綾さん)」によるアーティストアルバムをリリース。これは、巨大な波となって近付きつつあった第3次声優ブームを加速させる1枚となりました。

その後はいよいよ代表作となる、声優・井上喜久子さんの作品の制作に突入していきます。デビューアルバム「優美なおさかな」から2000年の「たのしいこと」まで、井上喜久子名義の音楽&映像作品だけで30数アイテムを制作。コンサートツアーでの構成や演出まで手がけられました。


▲デビューアルバム『優美なおさかな~elegant fish』では綺麗なお姉さんイメージだった井上さん。それが3年後のおしゃべりCD『月刊お姉ちゃんといっしょ』の頃にはすっかり愉快なお姉ちゃんに!

2000年には声優業界初の会員制ホームページとして「井上喜久子オフィシャルサイト @manbow」を立ち上げ、インターネットをいち早く使いこなして声優のファンサービスにおいても革新的な形を打ち出していきました。

かつて須賀さんが語ったことがあります。須賀さんがやりたいことを形にする上で、井上喜久子さんが理想のアーティストであると。また曲作りのセンスに関しては「お姉ちゃんには敵わない」と脱帽し、2ndアルバム「ただいま」以降は作詞・作曲ともに井上さんに任せることが増えるなど、原石から宝石を磨き出す職人のような愉しみ方をされていました。

2018年11月17日に、井上さんが声優活動30周年記念イベント「ありがとう」を開催した際、パンフレットに須賀さんがお祝いのコメントを寄せられました。これが須賀さんの絶筆となったことにも、因縁を感じずにはいられません。

声優・業界関係者より、須賀さんを偲んで……

富沢美智恵さん

須賀さんとの出会いは、今から30年程前、「プロジェクトA子」という作品でした。
魔神英子(A子)役。伊藤美紀さん。
大徳寺美子(B子)役。篠原恵美さん。
寿 詩子(C子)役。私・・・富沢美智恵
この三人でポニーキャニオンからデビューさせて頂きました。

須賀さんのお人柄は、いつも笑顔で、優しくて、温厚な方。
なので、スタジオの現場は、常にリラックスした雰囲気の中、笑いが耐えませんでした。
中でも思い出深いレコーディングは、C子ちゃんが歌う「童謡メドレー」です。

この歌はC子ちゃんのキャラにピッタリの企画ものの歌。
「美智恵さんの好きなように 自由に歌っちゃって下さい」と須賀さんからの一言。
そして本番・・・なんと、一発OK!!
こんなことは、後にも先にも…二度と無いでしょう(笑)
「イヤー最高だったよ♪」大笑いしながら スタジオに入って来られた時の須賀さんのお顔が今も忘れられません。

プロジェクトA子では、驚くような 須賀さんの発想、企画の面白さに私達は毎回、期待に胸躍らされていました。
全てが『楽しい』のひと言に集約されてしまうのです。
そして、この『楽しい』は、ファンの皆様にも確実に届けられていたと実感しています。

須賀さんは、イベント会場にも頻繁に足を運ばれては、ファンの方の思い、ファンの方の喜ばれることを常に考え、彼等の心に寄り添っていた方でもあるからです。

その後、主役を務めさせて頂いた「魔獣戦士ルナ・ヴァルガー」では、主題歌を。
「ARIEL(エリアル)」という作品では、水谷優子さん、林原めぐみさんとキャンディーズの「危ない土曜日」をエンディング曲として歌わせて頂いたことも素敵な思い出です。

須賀さんと共に創ってきたアルバムや作品のひとつひとつが、私にとってのかけがえのない宝ものです。
今の私があるのは、須賀さんとの出会いがあったからです。
須賀さん・・・本当にありがとうございました!!
心からの敬意と感謝を込めて――――。

初めてお仕事でご一緒した「プロジェクトA子」の主題歌「ダンス・アウェイ」を聴きながら・・・。

青二プロダクション 富沢美智恵

日髙のり子さん

「須賀さんありがとう」

須賀さんとの出会いは1987年、「ウルティマ」というゲームの曲を歌わせて頂いた頃です。程なくして「ついでにとんちんかん」の挿入歌「アホ!No.5」を歌うことになり、須賀さんとのお仕事がスタートしました。

「アホ!No.5」は歌詞の中にアホという言葉が何度も出て来るだけでなく、歌の中に描かれているストーリーまでギャグな、それでいてとても可愛らしい曲です。
須賀さんはこの曲のタイトルがとても気に入っていたようで、マンボNo.5(昔流行った曲のタイトル)をもじって「アホ!No.5」に決めたと言い、「面白いと思わない? 最高だよね!」と嬉しそうに話してくれました。
拘りを持って妥協することなく面白さを追求する! そんな方でした。

「らんま1/2」ではたくさんのキャラソンを歌わせて頂きました。
「ハートないしょ/2」「あかねの子守唄」、須賀さんは熱闘編になってからのあかねちゃんがキツイ女の子に見えるんじゃないかと心配して、優しい曲調の「あかねの子守唄」を歌わせてくれたり、かと思えば跳ねっ返りのあかねちゃんらしい「やさしい、いい娘になれない」では、バカという言葉を歌う・・・というか・・・叫ばせてくれたり(笑)

中でも「乱馬とあかねのバラード」は、演奏がフルオーケストラという壮大な楽曲を頂いたということもそうですが、須賀さんの提案でオーケストラの皆さんと一緒に仮歌を入れることになって勝平くんと2人、逃げ出したいくらい緊張したこともありました。

須賀さんは常にアイデアが枯れることなく泉のように湧いてくる、そして真摯に作品と向き合い、キャラクターを深く理解し惜しみない愛情を注がれる方でした。

強くて可愛いあかねちゃんらしさを出そうとするあまり、レコーディングではちゃんと歌えたと思っても可愛くなかったからもう一度、元気が無かったからもう一度とやり直すことも多々ありました。
音程+キャラクター+可愛らしさとハードルの高いレコーディングは辛いと思うこともありましたが(笑)

須賀さんが拘り続けてくださったからこそ、今も多くの方に支持していただける作品になったと感謝しています。
須賀さん、本当にありがとう! 一緒に作った曲はこれからも大切に歌わせていただきます。
見ていてくださいね。

横山智佐さん

名プロデューサー、須賀さんのご冥福をお祈り申し上げます。

「ジャンプの読者さんと、これから手がけるミニ四駆のお客様の層が同じなのでは!」とのことで、週刊少年ジャンプの読者ページ『ジャンプ放送局』でアシスタントをしていた私を見つけてくださった須賀さん。
高校を卒業して間もなく、声優としてもまだ軌道にに乗っていなかった私に『DASH!! -レーサーミニ四駆のテーマ-』での歌手デビューの機会をくださいました。

レコーディングは広くて綺麗な一口坂スタジオを3日間も押さえてありました。
「今日、思い通りに歌えなくても大丈夫だよ」と安心させてくれました。
今後イベントで歌うときのために振付師をつけ、衣装のコンセプトも考えてくださいました。
本物のプロデューサーです!

次にお世話になった作品、ゲームボーイ『ジャングルウォーズ』のED『BOY~僕らの夢の街へ~』では、1番はゲームのビット音のオケ、2番からオーケストラに乗り替わる、ドラマティックな演出をしてくださいました。
腕利きのプロデューサーです!

もうお会いできないこと、とても残念です。
またチャンスを見つけてデビュー曲『DASH!』を歌ってまいります。
須賀さんに届きますように。

Chis(a_a)

冬馬由美さん

「ああっ女神さまっ」では、大変お世話になりました。
作詞を担当させていただいた時に出された、数々の厳しいダメ出しや、ファンの方々へのサプライズを常に考える制作サイドの姿勢など、たくさんの事を学ばせて頂きました。

須賀さん、本当にありがとうございました!!

久川綾さん

須賀さん

須賀さんとは「ああっ女神さまっ」のオーディションの時から出会い、本当に色々お世話になりました。声優がこんなことするの!?とびっくりするような企画やアイディアが次々と須賀さんから生まれて、沢山の貴重な経験をさせていただきました。私にとってはプロデユーサーというより、楽しいことを思いつく親戚のお兄ちゃんみたいな存在でした。

歌が苦手な私は初めての女神のイベントでステージに立つ時、少しでも緊張がほぐれるように着ぐるみを着てソロを歌いました。普通ならちゃんとステージ衣装で唄わないといけないのに、須賀さんはすんなりOKしてくれたんです。

そこから着ぐるみが発展して、ソロのアルバム「着ぐるみ大運動会・マーチングAYA」を須賀さんが制作してくれて、芸能界の定番運動会会場の日産スポーツプラザで本当に着ぐるみで運動会を開催しました。
当時のバンドメンバーや知り合いの漫画家の先生方、アニメ誌の編集者さんライターさん、業界の関係者に参加をお願いして、それでも足りないので実家から弟達を呼んで。
父に電話すると「姉ちゃんのためや! 行って来い!」と、小学生の弟達は訳もわからず関西空港から飛行機に乗せられ送りだされたそうです(笑)

アルバムではきっこさんに「おべんとうのうた」を作詞してもらったので、歌詞通りのお弁当まで発注して会場で販売しました。ここまでやるかって(笑)この人本当にすごいなあって思いました。

思い出はここに書ききれないぐらい沢山、沢山あります。
でもその須賀さんがもういないことがまだ私の中で消化出来ていません。
まだ「須賀さん安らかに」なんて言えないんです。
そんな中途半端な気持ちですが、僭越ながら寄稿させていただきました。

久川綾

野川さくらさん

須賀さんにはデビューして間もない頃、TVアニメ「SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール」という作品で大変お世話になりました。
もっともっとたくさんの事を教えていただきたかったです。
須賀さん、本当にありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り致します。

野川さくら

稲村優奈さん

須賀さんには、アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN!』のキャラクターソング収録でお世話になりました。
いつも笑顔で迎えてくださって、収録前の緊張が和らぐ感じがしていました。
スタジオに行くのが楽しみだったのも、須賀さんのおかげです。
みんなを大切にしてくださって、オニオンピーマンカンパニーの事もとても大切にしていらっしゃった須賀さん。
いつも優しく見守って下さって、本当にありがとうございました。
お会いできなくなってしまったのは寂しいですが、ご一緒させていただいた作品を聴きながら当時の事などを思い出したいと思います。

須賀さんのご冥福をお祈りいたします。

アットプロダクション 稲村優奈

飯田利信さん

須賀さんとの出会いは『家庭教師ヒットマンREBORN!』の全員で歌うキャラソンでした。
僕にとっては初めてのキャラソンで、歌うパートは少なかったものの、なかなか難しくて苦戦していました。そんな中、須賀さんに「セリフと同じ感覚でいいからリキまず構えず歌ってごらん」と言われて凄く気が楽になったのを覚えています。

そのあと雲雀と骸の「Sakura addiction」、骸の「クフフのフ」というキャラソンでお世話になりました。
「リボーンファンのブログなどを一つ一つ見て回って、ファンが一番求めてるものはなんだろう? 一番喜んでくれる事はなんだろう?って考えに考えてたどり着いた答えなんだ」ってキラキラした少年のような目で熱く語ってくれた須賀さんを覚えています。

ただですね…骸はめちゃくちゃクールでかっこいいキャラクターなんですよ。
その骸の単体では初となるキャラソンタイトルが「クフフのフ」???! マジか?! なんじゃこのタイトル?!って目が点になりました(笑)

収録当日、僕は不安と迷いを抱えていました。だってそうですよね?!
超絶クールガイが「クフフのフ」言ってサンバしてるんですよ? もう…これ、どうしよう?というのが僕の本音でした。

須賀さんが言いました。
「全部、僕に任せて!」と。
僕も肩の荷が下りて、収録中は、あーでもない、こーでもないと一緒に試行錯誤しつつ、最後はもうノリノリで歌ってめちゃくちゃ楽しかったなぁと本当に素敵な思い出です。

最後に須賀さん。本当に素敵な思い出と最高の作品をありがとうございました!
須賀さんはいつまでも永遠の。
永遠の
サンバアアアアアア!!!!

平田裕香さん

キャラクターソングというものに本当の意味で初めて関わらせていただいたのが、須賀正人さんが作詞を手がけられていた【戦国乙女~桃色パラドックス~】のアニメのキャラソンでした。
登場人物たちでの合唱やそれぞれのパートを、世界観もキャラクターも崩さずにまとめあげ形にするお仕事ぶりに、感嘆の声がもれました。
そうしてお客様の前でライブをした時に、その口馴染み方や会場のレスポンスに改めて須賀さんのそれらを見越した言葉選びに驚かされました。

もっと色々お話を聞いてみたらよかった。
せっかく関われたのに。
ここから、須賀さんが残された作品から須賀さんを知っていきたいと思います。

平田裕香

持月玲依さん

須賀さんとは、デビュー作の「戦国乙女~桃色パラドックス~」にて関わらせていただきました。
何もかもが初めてで不安だった私に、須賀さんは優しく声をかけてくださいました。「もっちーの歌声は伸びが凄く良いね。武器だよ。それをいかそう。」と言っていただいたことを今でも覚えています。宝物です。

須賀さん。子供の頃に見ていたアニメに第一線で活躍していた須賀さんと、声優として関わりお仕事出来たことが、今でも私の誇りです。
会うと優しく話しかけて下さる須賀さん。もうお話出来ないことがとても寂しいです。またお仕事したかったです。
須賀さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
須賀さんのご冥福を、心よりお祈りしております。

國立幸さん

『戦国乙女~桃色パラドックス~』のOP・EDでご一緒させていただました。温厚なおじ様かと思いきや、歯に衣着せない鋭い指摘に終日怯えきっていましたが、後日ライブに出席くださった際『歌がしっかり育ったね』とお褒めいただいてとても嬉しかったことを覚えております。ピリッとしつつも人を容易く傷つけず、人のことをきちんと見てくださる、仕事人であってお父さんのような存在でした。

ビシッと指摘されてしかし報われる、そんな須賀さんの現場と1度でもご一緒できて誇らしかったです。でもまだ褒められたいので、今後も精進して参ります。そちらでもご多忙のことと思いますが、きっとまた面倒見てくださいね。
ありがとうございました。

飯田里穂さん

TVアニメ「レーカン!」では大変お世話になりました。

キャラソンを歌い始めてまだ間もない私でしたので、色々と迷ったり分からなかった部分を優しく丁寧に教えて下さり、一緒に作品を作っていったのを覚えております。
今でもその曲は私の中でとても大切で大好きな曲です。

須賀さんとご一緒出来たことを本当に感謝しています。心からご冥福をお祈りいたします。

おたっきぃ佐々木さん(ラジオディレクター)

早すぎる訃報に驚きを隠せません。
須賀さんが成した数々のお仕事が、今のアニメ業界や声優業界に多大な影響を与えていると思います。
ありがとうございました。この思いが星空経由で届きますように。
心よりご冥福をお祈りいたします。

佐々木伸(おたっきぃ佐々木)

井上喜久子さん

須賀さんのご逝去にあたり心よりお悔やみ申し上げます。

須賀さんとは私がまだ新人声優の頃から沢山のお仕事をさせていただきました。
須賀さんの手がける企画物のCDは、どれもとても面白いアイデアがいっぱい詰まっていて、毎回その内容に驚かされていました。
特に「らんま1/2」や「ああっ女神さまっ」のキャラクターソングのおもしろさと言ったら!!!
本当に素晴らしいCDばかりで、参加している声優もみんな心から楽しんでいたと思います。

らんまと女神さまの流れで、私のオリジナルのCDも須賀さんに手がけていただきました。

歌のアルバムは勿論、おしゃべりCDを一年間毎月出していただいたり、合宿をしながら音作りをしたり、海外で映像を撮っていただいたり・・・
須賀さんが手がける作品は一切の妥協が無く、とても真摯に、常に最高におもしろい作品作りを目指していたように思います。

作詞家としても素晴らしい歌詞を沢山書かれていた須賀さん。

須賀さんの作った歌がいつまでも生き続け、そして関わってきた音楽のすべてが、これからも沢山の人を楽しませてくれることを願って。

須賀さんに出会えて、沢山の歌を導いていただき、こころから感謝の気持ちでいっぱいです。
空に向かって「本当に、本当にありがとうございました!!」と叫びたいくらいです。

天国でも、楽しい歌に包まれて・・・

どうか安らかにお休みください。

井上喜久子


▲1997年12月発売の「井上喜久子の月刊お姉ちゃんといっしょ」12月号にて、収録中に井上さんにつっこんだフリップを持つ須賀さん

最後に改めて、須賀正人さんが遺された功績に敬服し、深く広く注がれた愛情に感謝すると共に、ご冥福を心よりお祈りいたします。

[文責/設楽英一]

(C)井上喜久子/ともうちひろゆき
(C)ニッポン放送・清水としみつ/ポニーキャニオン・ムービック
(C)沙村広明/アフタヌーン・講談社
(C)藤島康介/講談社

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