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春アニメ『フェアリーゴーン』前野智昭×細谷佳正インタビュー

春アニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』前野智昭(フリー役)×細谷佳正(ウルフラン役)インタビュー

4月7日からスタートするオリジナルTVアニメーション『Fairy gone フェアリーゴーン』。動物に憑依することで不思議な力を宿す妖精。その動物の臓器を人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱う。戦争後の不安定な政治情勢の世界で、主人公のマーリヤは、妖精関連の事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」に入隊する。

その機関の上司にあたるフリー・アンダーバーを演じるのが前野智昭だ。そして、かつてのフリーの戦友でテロリストであるウルフラン・ロウを演じるのが細谷佳正。2人に作品の魅力を語ってもらった。

戦闘シーンでの動きを予測して本番に臨む

ーー今作はオリジナル作品となりますが、作品に触れた第一印象を教えてください。

前野:設定を見させていただいたときは、ファンタジー要素を取り入れた西部劇みたいな印象だったんです。ファンタジー要素というのは、主に妖精を武器として使役するという設定ですけど、それに関しては、また新しい作品が出てきたなと思いました。

統一戦争という戦争を経て、「ドロテア」といういわば警察のような仕事をしている人がいたり、一方でテロリストがいたりするんですけど、それぞれのキャラクターに信念があって、深く考えると正義とは何か?ということを考えさせられる作品になりそうだなと思いました。

細谷:『世界大戦』のような大規模な戦争が起こった後の世界を描いているんだなと思いました。

前野:ライターさん泣かせだなぁ(笑)。

細谷:序盤はそんなに登場しないし、キャラクターを全部説明するのって、これから観る人にとっては『必要ない事』だと思うんですよ。テロリストという設定は個人的には好きだなと思う、程度の事しか言えないです。言ってしまったら意味がない(笑)。

ーー妖精のデザインを見たときはどう思いました?

前野:妖精と言ったら可愛いらしいティンカーベルのような、羽が生えた小さい生物を連想すると思うんですけど、この作品の妖精はわりと猛々しいものが多い印象ですね。その妖精の中にもいろいろな属性があって、近距離に特化したものや遠距離のもの、偵察型の妖精もいるという設定は特殊ですよね。

あとは、妖精が憑依した臓器を移植して、初めて能力を使えるようになるのが一般的なんですけど、マーリヤ・ノエルは移植手術をせずに妖精の力を使えるというのも面白いなと。あとは妖精対妖精、人間対人間の2対2のバトルが行われるんですけど、戦い方も妖精のタイプによって違うので、そこも面白いと思います。

そして、その妖精の声も我々が担当させていただいているんです。どう加工されてオンエアされるのかはまだ僕らはわからないんですけど、非常にやりがいは感じていますね。それぞれの妖精にモチーフもあるみたいなので。細谷君は、怪鳥でしたっけ?

細谷:そうですね。

ーー喉的に大変なこともあるんですか?

細谷:フリーの使う妖精は、狼みたいなキャラクターで、戦闘シーンも多いです。

前野:そうですね……楽ではないですが、面白いですね。アフレコはコンテの状態でやっているので、多分ここでこういう動きをしているだろうなという予測を家でしてから、本番に臨むんです。そういう想像をする作業は楽しいですし、やりがいを感じてます。

ーーキャラクターを演じてみていかがでしたか?

前野:フリー・アンダーバーは、非常に底が見えないキャラクターで、常に余裕を持っている。これ、言葉に迷うんですけど、ルパンのようなイメージです(笑)。だから、いろんな振り幅でお芝居ができるキャラクターなので、非常に楽しいです。

今のアフレコの段階だと、どのくらいの能力を持っているのかわからないし、いろいろな可能性を秘めてるキャラクターだなと思いました。これからきっとマーリヤといい信頼関係を築いていくと予想してますけど、オリジナル作品なので、どうなっていくかは僕らもまだわからないです。

ーー何か、ディレクションなどはありましたか?

前野:1話のとき、セリフを深刻に捉え過ぎてしまって、物語全体に暗い印象を持たれてしまうかもというご指摘をいただいて。もっとフランクで、良いお兄さんのような感じで、戦闘時は荒々しく、締めるところは締めるキャラクターにしていきたいということだったので、そこからはだいぶ演じやすくなりました。

あとはフリー・アンダーバーという海外の役者さんがいて、それに吹き替えをしているような印象で演じた感じですかね。

細谷:ウルフラン・ロウは、序盤は色んな権力者の前に顔を出して行くんですけど、これから観ていただく人に対して、『ウルフランのキャラクターを掴ませたくない』と監督が言っていたので、まだ何も言えないです。

僕が例えば先の展開を予想して言ったとして、『そういう先入観』で観る人が出てくるじゃないですか?それは、これから観る人にとって余計な事でしかないなと思います。

『間』に意味を持たせる作り方

ーーお芝居の面では、結構難しい設定が多いけど、最初はフリーとマーリヤのバディもの、みたいな感じで見るのが良いのかなと思いました。掛け合いをする上で意識したことはありますか?

前野:フリーとマーリヤの会話は非常に楽しいです。会話劇とアクションが両立しているのが『Fairy gone フェアリーゴーン』の特徴のひとつでもあると思うし、何気ない会話も、あまりアニメっぽくないというか、自然な感じで掛け合いができているんです。

だから難しい単語とか、聞き流れない地名も出てくるんですけど、それも自然と会話の中で、一度聞いただけで入ってくるような、そういうニュアンスの付け方を大事にしようと思ってます。

ーーフリーとウルフランはどうでした?

細谷:冒頭でお話しした『統一戦争』では、同じ部隊で戦っていたという設定があるんですけど、序盤はほとんど二人は会話をするシーンがないんです。

前野:戦友だったのに、今や取り締まる方とテロリストという、道を違えている状況で。そうなってから一度相対したんですけど、戦いつつも軽口を叩くみたいなシーンもあって。そこでは僕のお芝居が、ウルフランを認め過ぎてしまっていたので、もう少し悔しさを残してほしいという指摘をいただきましたね。

さすがウルフランだぜ!っていうニュアンスでテストをやっていたので、そのディレクションによって、なるほどそっちなんだな!と若干の修正はしました。でもフリー的には、ウルフランを心底嫌ってるわけではないと思うので、どこかしら認めている部分はありつつ、という感じではありました。今後もその関係性は、徐々に明らかになっていくと思います。

細谷:ウルフランは、作品の為に正体不明にしておかないといけないキャラクターなんですね。登場するシーンも序盤は少ないんですけど、存在感が薄くなって視聴者に忘れられるのは困るし、強く存在を主張しても、『謎キャラクター』を殊更アピールしてるみたいでダサいので、あくまで自分の中でですけど、『ちょうどいい気になり具合』を視聴者に感じてもらえるように、と思って作っています。

物語の序盤で、ウルフランがフリーに対して言う「お前は俺には追いつけない」という台詞があるんですね。サラッとした一言なんですけど、ウルフランは戦争で自分の全てだった家族を失った設定があるので、『失うものがない人間』は『守るものを持っている人間』には見えない世界をみているんだろうなと、印象的でした。

ーーそれは今後のキーになりそうですね。では、序盤の見どころを教えてください。

前野:アクションシーンも頻繁に出てきて、妖精を駆使したトリッキーな戦い方をするシーンも多々あるので、そこも楽しんでいただけると思うし、あとは登場人物がみんな大ボスに見えてくるようなキャラクターが非常に多いので、最終的に誰が一番の大ボスなのかみたいなのも予想しながら見ていただけると、より楽しめるのかなと思います。

細谷:この作品は、映画とか、実写ドラマに寄った作り方をして行きたいんだろうなと思いました。台本の中に『…』と書かれていたら、ほとんどのアニメでは何かを入れたほうが効果的だったり、場が繋がるためにそこに音声な必要だったりするんですけど、それをしなくても絵で見せられるシーンが多いし、『間』に意味を持たせる作り方をしたいのだなと思うので、面白いのかなと思います。

妖精というファンタジー要素を、普通に存在するものとして組み込んでいる世界観が、観る人に魅力的に感じられるのだろうな、と思います。

ーー海外のアニメファンも好きそうですね。

細谷:そうですね。そんな感じはします。

ーー4話くらいから続々とキャラクターが出てくるみたいなので、序盤の推しキャラがいたら教えてください。

細谷:グリフ・マーサーというキャラクターを津田健次郎さんがやっているんですけど、それが僧侶という設定なんですね。怪しい雰囲気で芝居されているので、普通の僧侶じゃないんだろうなと思ってます。あと土師(孝也)さんがやっているシュバルツ・ディーゼは、土師さんがやっているので絶対悪いヤツだろうなと思ってます(笑)。

前野:東地(宏樹)さんが演じられている、ジェットというフリーとウルフランにとって大きな存在だったキャラクターがいるのですが、そのジェットの死が、2人に大きな意味をもたらしたと思うので、ジェットの存在は気になっています。

取材・文・撮影:塚越淳一

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TVアニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』作品情報

 


 

放送情報

4月7日(日)より、TOKYO MXほかにて放送開始
TOKYO MX:4月7日(日)より毎週日曜24:00~
MBS:4月9日(火)より毎週火曜26:30~
BS11:4月7日(日)より毎週日曜24:00~
AT-X:4月7日(日)より毎週日曜24:00~
※リピート放送:毎週(火)21:30/毎週(木)13:30/毎週(土)29:30
 

 

スタッフ

原作:Five fairy scholars
監督:鈴木健一
シリーズ構成・脚本:十文字青
キャラクター原案・妖精原案:中田春彌
キャラクターデザイン:清水貴子
美術監督:東潤一
色彩設計:中野尚美
撮影監督:江間常高
3D監督:宍戸光太郎・市川元成
編集:廣瀬清志
音響監督:明田川仁
音響効果:上野励
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
アニメーション制作:P.A.WORKS
 

キャスト

マーリヤ・ノエル:市ノ瀬加那
フリー・アンダーバー:前野智昭
ヴェロニカ・ソーン:福原綾香
ウルフラン・ロウ:細谷佳正
クラーラ・キセナリア:諏訪彩花
セルジュ・トーヴァ:中島ヨシキ
ネイン・アウラー:園崎未恵
ダミアン・カルメ:子安武人
マルコ・ベルウッド:大塚芳忠
レイ・ドーン:津田英三
リリー・ハイネマン:種﨑敦美
ロバート・チェイス:沖野晃司
エレノア・ニード:小松未可子
オズ・メア:間宮康弘
グリフ・マーサー:津田健次郎
カイン・ディスタロル:麦人
アクセル・ラブ―:川田紳司
“スウィーティー”ビター・スウィート:寿美菜子
パトリシア・パール:井口裕香
ジョナサン・パスピエール:興津和幸
ビーヴィー・リスカ―:江川央生
ソフィー:伊藤静
シュヴァルツ・ディーゼ:土師孝也
ジェット・グレイブ:東地宏樹
ユアン・ブリーズ:乃村健次
 

主題歌情報

オープニングテーマ:
(K)NoW_NAME「KNOCK on the CORE」(TOHO animation RECORDS)

エンディングテーマ:
(K)NoW_NAME「Ash-like Snow」(TOHO animation RECORDS)
 
公式サイト
公式ツイッター(@fairygone)

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