『Levius』瀬下寛之監督＆島﨑信長さんインタビュー｜島﨑さんの演技を監督がべた褒め！ ギリギリを攻めたレビウスのかわいさと、ザックスの健気さとは

Netflixオリジナルアニメシリーズとして、11月28日に全世界に独占配信される『Levius』（以下、レビウス）。

『ウルトラジャンプ』にて連載中の中田春彌による漫画を原作とした作品で、制作は『シドニアの騎士』や『亜人』で知られるポリゴン・ピクチュアズが担当。

戦争で家族を失った少年・レビウスが、機械の手足で戦う格闘技「機関拳闘」を通じて、仲間やライバルとの交流の中で成長していく姿や、フルCGで描かれるスチームパンク的な世界観が大きな見どころとなっています。

今回は主人公・レビウスを演じる島﨑信長さん、総監督を務める瀬下寛之さんを直撃。それぞれが作品に込めた熱い愛が感じられるインタビューの模様をお届けします。

『Levius』のアニメ化は、瀬下監督の念願

――本日はよろしくお願いします。

瀬下 寛之氏（以下、瀬下）：よろしくお願いします。いや、それにしてもNetflixさんは綺麗なオフィスですね（今回のインタビューはNetflix本社で実施）。窓からの景観が素晴らしい。今すぐ履歴書を出して就職したいくらいです（笑）。

島﨑信長さん（以下、島﨑）：実は、休憩中も監督がそのことを話されてたんですよ（笑）。でも、本当に良い所で、瓶のペリエが置いてあるんですよね。普通はオシャレなカフェじゃないと出てこないですよ。

瀬下：島﨑さんのチェックポイントいいですね。目をつけるのが瓶のペリエって（笑）。

――（笑）。では、そんな素晴らしい場所でインタビューをさせていただければ思います。最初に、まずアニメ化の経緯についてお聞かせください。

瀬下：『シドニアの騎士』（※1）の頃から本作まで、ずっと造形監督を担当してくださっている片塰（かたあま）さんが、「漫画コンシェルジュ」という異名を持つくらい、漫画が大好きでして。

『シドニア』を作っていた頃に、「瀬下くん、すごくスタイリッシュな漫画があるんだよ」と持ってきてくれたのが『レビウス』の第一巻だったんです。

以前から取材には一貫してお答えしているんですが、僕はいわゆる日本的なアニメをCGで再現したいわけではなくて、グラフィック・ノベルとかアメコミ、バンドデシネ（※2）といったジャンルの作品を映像として動かしたいんです。

その点、『レビウス』は日本では数少ないバンドデシネ的なスタイルで作られている作品だったので、いつかアニメ化の打診をしたいという話は早くから上げていました。

で、時は数年流れて、ちょうど『GODZILLA』３部作を始めて間もない頃だったと思います。ポリゴン・ピクチュアズの守屋プロデューサーが『レビウス』アニメ化の企画を発掘してくれて、そこからは不思議とスムースに話が進みました。

それまでのセルルックCGの実績やノウハウを生かしつつ、さらにバンドデシネ的なものにも挑戦できるという魅力的な企画でもありました。

※1：シドニアの騎士
弐瓶勉氏のSFコミックを原作とするTVアニメ。謎の生命体・奇居子（ガウナ）によって太陽系が破壊された後、人類存続のための播種船「シドニア」の旅路を描いた作品で、ポリゴン・ピクチュアズを代表するヒット作となった。瀬下氏は第１期では副監督、第2期では監督を務めている。

※2 ：バンドデシネ
主にヨーロッパ・フランス語圏の漫画を指す。１コマ１コマごとの絵の完成度に重きを置いた作品が多いのが特徴。大友克洋氏や荒木飛呂彦氏など、バンドデシネに影響を受けたことを公言する日本の漫画家も多い。