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『スタプリ』の最終回に向けて構成・脚本 村山功氏インタビュー

「普通のプリキュアと、もう一本アニメを作っているんじゃないかっていう感覚だった」 『スター☆トゥインクルプリキュア』のクライマックスに向けてシリーズ構成・脚本 村山功氏が想いを語る

クライマックスに向け加速しているTVアニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』(以下『スタプリ』)。最終回のアフレコが終わった翌週の12月下旬。シリーズ構成・脚本を担当している村山功氏に、クライマックスに向けたお話やプリキュアに対する思いなどを語ってもらいました。

村山さんは、『ふたりはプリキュア Splash☆Star』から担当されており、『魔法つかいプリキュア!』では、シリーズ構成・脚本を担当。もちろん、それ以降の『キラキラ☆プリキュアアラモード』『HUGっと!プリキュア』でも、脚本を担当されています。そんな、プリキュアのことを考え続けている村山さんが挑んだ「宇宙 ✕ プリキュア=多様性」のプリキュアとは。ラストに向けて心高ぶるみなさんに、ぜひ読んでほしいインタビューになっています。

また、今回のインタビューワーは、お子さんのいらしゃる女性のライターさんです。母子で観るプリキュアという幸せな時間を過ごしていることをイマジネーションして読み進めていただければと思います。

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目次

最終回の収録を終えた心境

──唐突ですが、毎週子どもと一緒に楽しく拝見させてもらっています。今日は宜しくお願いします。

村山:ああ、それは嬉しいです。ありがとうございます。

──最終回のアフレコが終わったばかりだとうかがっています。収録を終えたいま、村山さんにとって『スタプリ』はどういう存在だったと思いますか。

村山:言葉にするのは難しいんですが……時間があればアフレコに行ってましたし、思い入れがある作品になりました。キャストの皆さんのリアクションや演技の仕方を見て「もう少しこうしたほうがいいのかな」って次の話数の脚本を書く上で参考にしたり、実際のキャストの皆さんの性格も溶け込んだように感じています。

──確かに『スタプリ』の声優の皆さんの性格とリンクするところが多かったように感じます。

村山:偶然もあったんですよ。「成瀬さんとひかるは環境が似てるな」とか、あとで分かるものもありました。

▲第34話 「つながるキモチ☆えれなとサボテン星人!」より

▲第34話 「つながるキモチ☆えれなとサボテン星人!」より

──では収録を終えた今のお気持ちはいかがですか。

村山:安心と同時に寂しさもあります。ただ2月に『スタプリ』感謝祭というステージがあありまして、上演する原稿を書いているところですし、そんなに「終わった」という感じはないです。

メインの声優のみなさんも感謝祭に向けて動いているし、もちろん、宮元(宏彰)監督はじめ多くのスタッフは最終回に向けて大変な時期ですし、打ち上げはしたものの、ほとんどの方が打ち上がってないんじゃないかと(笑)。

──打ち上げがあったんですね。

村山:そうなんです。キャストの皆さんとスタッフで集まってやったんですが……仕事は終わってません(笑)。

──2020年2月に東京・大阪で開催される『スター☆トゥインクルプリキュア 感謝祭』はプリキュア史上初の試みですが、どういう内容になるのでしょうか。

村山:大人用と子供用で構成を変える予定です。ファミリー公演では、主題歌歌手と番組声優キャストのライブステージとキャラクターステージショー、トークコーナーなど。プレミアム公演では、キャラクターステージショー、番組声優キャストによる振り返りトーク、オリジナル朗読劇、主題歌歌手と番組声優キャストのライブステージ等で、僕はキャラクターステージショーと朗読劇の脚本を担当しています。本当に“感謝祭”という感じの内容ですね。


スター☆トゥインクルプリキュア 感謝祭
2020年2月15日(土)・16日(日) オリックス劇場(大阪公演)
2020年2月22日(土)・23日(日祝) 中野サンプラザホール(東京公演)

※詳細は、記事の最後に。


『スタプリ』で敵を描くということ

──『スタプリ』のシリーズ構成・脚本の話をもらったとき、“多様性”というテーマを聞いて村山さんは一瞬難色を示されたとか。

村山:そうです。多様性というテーマはシリーズ構成・脚本を担当した『魔法つかいプリキュア!』(2016年~2017年放送)でやっていたことだったので、子供たちに向けてもう一度やるとなると、何を提示していいか、なにを描くべきなのか……悩みました。

しかも『まほプリ』は魔法つかいで今回は宇宙人と、シチュエーションと切り口が似ていたので、そこからの多様性ってどう描けばいいんだろうという気持ちがありました。

──そんな葛藤があるなか、オファーを受けた理由はなんだったんです?

村山:敵を描かせてもらえることが大きかったです。『まほプリ』の敵に関しては災害的な存在というか。襲ってくるものに対してプリキュアたちがそれぞれの関係性を築きあげ、成長していく……というお話でした。だから敵について深く描くことをあえてしなかったんです。

というのも『まほプリ』の場合は、プリキュアのストーリーがちょっと大きな子向けになってきているということで、よりプリキュアを一番見ている年齢層(3歳から6歳)の子どもたちに向けて作ってほしいというオファーだったので。敵側のことを描きすぎてしまうと、小さな子たちは入ってこられないんですよね。

でも今回は敵のドラマを描けるということだったのと……『まほプリ』を見ていた子供が当時3歳だったとしたら今6、7歳。その子たちに向けてもやれるかなぁと思い、お引き受けしました。

▲『魔法つかいプリキュア!』(2016年~2017年放送)

 

──スタプリでいう敵はノットレイダーですね。ノットレイダーの出自も切ないものがあり、「ここは行くあてのない者たちの集まる地」(第38話 「輝け!ユニのトゥインクルイマジネーション☆」)という言葉に今改めて胸がギュッとなります。

村山:言ってみればノットレイダーは疑似家族なんです。『まほプリ』のプリキュアたちとはスタンスも思想も全然違うんですけど“疑似家族”というテーマでは共通しているんです。

『まほプリ』で1年間描いてきた疑似家族という一つのテーマを、『スタプリ』にぶつけれることで、『まほプリ』とはまた違った新しい多様性が描けないかなという思いはありました。

▲第38話 「輝け!ユニのトゥインクルイマジネーション☆」より

▲第38話 「輝け!ユニのトゥインクルイマジネーション☆」より

──ノットレイダーのそれぞれの思いが明らかになっていく4クール目。いつも以上に畳みかけるような展開ですが、この構成にはどういう意図があるんでしょうか。

村山:それは子どもたちに向けてという感じです。構成的にいえば中盤から敵のドラマを描いたほうが本当は楽ですし、なんならもっと早めの段階から「敵にはこんな過去があった」とゆるやかに明かしていけば、話もすごく盛り上がると思います。

でもそれって……小学生以上の子どもたちや大人は楽しいと思うんでしょうけど、小さい子たちには難しいかなと思ったんです。それに敵に感情移入しすぎてしまうと、思いっきりプリキュアが戦えない。

だからあえてノットレイダーのドラマは後半に持っていこうと。そのバランスは難しいところなんです。どこで明かすかというタイミングはスタッフで話し合いながら進めて行った感じです。

あと、『スタプリ』には、未知のものに触れてイマジネーションを膨らませていく、宇宙を冒険するというもうひとつのテーマがあったので……。敵とのドラマを描きすぎてしまうとそっちが死んでしまう可能性がある。

だったら夏休みはみんなで宇宙をまわる話にしようと。そんな感じで構成しています。

──あくまで “子どもたちの気持ちを第一に”。

村山:そうですね。特に今回はその気持ちが強いように思います。

今回のスタッフにはちょうどプリキュアを見ている女の子のお子さんいるかたや、姪っ子さんがいるかたが本当に多いんです。だからある程度想定しているというか。顔が見える相手に作っていた感じはします。今まで以上に見ている子どもに向けてというのは意識したんじゃないかなと思います。

▲第27話 「海の星!人魚になってスーイスイ☆」より

▲第27話 「海の星!人魚になってスーイスイ☆」より


▲第43話 「笑顔への想い☆テンジョウ VS えれな!」より

▲第43話 「笑顔への想い☆テンジョウ VS えれな!」より

宇宙人プリキュアという存在について

──「敵」といえば、敵でも味方でもない第三勢力・ブルーキャット(ユニ)が2人目の宇宙人プリキュア・キュアコスモになるという展開は鮮烈でした。さまざまな顔を持つ、まさに多様性の象徴のような存在であり、令和一人目の追加プリキュアでもあるキュアコスモを登場させるにあたって内側ではどんな議論があったんでしょうか。

村山:ユニの設定は慎重に決めていきました。ユニってオリーフィオから分かれて産まれた存在で、さらには宇宙の人々にうとまれている種族なので、その描き方というのはすごく話し合いました。あまりにむごくならないように、差別的な雰囲気に見えないように、そういうところは気を付けました。

でも大人よりも子供のほうが「あの人と私は違う」という意識ってそこまでないのかなと思うんですよ。周りに外国のかたが多いじゃないですか。僕らが小さかったころよりも全然オープンですし。

▲第19話 「虹の星へ☆ブルーキャットのヒミツ!」より

▲第19話 「虹の星へ☆ブルーキャットのヒミツ!」より

──確かに子どものほうが意識していないのかもしれないですね。でもだからこそ、ユニは慎重に描かれたわけですね。

村山:結構話し合いました。どこまで描くか、そして描いたところで子どもたちがどこまで分かるか……。夜中3時ぐらいまで話し合ったことも。今ではいい思い出です。

──ということは、かなり白熱した議論が行われたのでしょうか。

村山:いえ、そういう感じではないんですよ(笑)。ユニに対してどう描くかという議論はしても、「○○さんの言ってることが理解できない」とかそういうことではないんです。これはユニの話だけではないんですが、すごく建設的な話し合いができるメンバーといいますか。

例えばマイノリティに対してのとらえ方、考え方一つを取っても、シナリオチームである宮元監督、プロデューサー陣、制作の方々とはみんな似ているというか。示し合わせたわけではないのに向いている方向が同じというか。だからすごくやりやすかった。幸運だったと思います。

──お話を聞いていると、制作チームもまさにプリキュアそのものというか……。チームワークも素晴らしかったんですね。

村山:とてもチームに恵まれました。本当に感謝しています。

▲第21話 「虹色のスペクトル☆キュアコスモの力!」より

▲第21話 「虹色のスペクトル☆キュアコスモの力!」より

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