音楽
『ヒプノシスマイク』新シリーズ全曲レビュー:オオサカ・ディビジョン編

『ヒプノシスマイク』新シリーズ全曲レビュー:オオサカ・ディビジョン編|「やかましいくらいがちょうどええわ!」わーわー言うとりますけど、ラップやらせてもらってます

これがオオサカ人の生き様や!「Tragic Transistor」

開幕の「吉本新喜劇のテーマ」をサンプリングしたサウンドで笑いを誘う「Tragic Transistor」。白膠木簓のオオサカ人としての生活を切り取ったようなコミカルな内容が特徴的です。

畳み掛ける言葉運びで、1曲のなかで様々な展開が楽しめるトリッキーな曲でもあります。

フック(サビ)で「オオサカもうかりまっかボチボチでんな」「ミナミで茶でもしばいてからどついてやりまっか」など、オオサカテイストを盛り込みつつ、「届いてくれ 中王区」「他のどこぞのディビジョンを万が一 応援しとったら突っ込んだる漫才師がワイや」という他ディビジョンを意識した挑発的なリリックもあり、白膠木簓の性格がよく出ています。

終いには、関東のディビジョンたちを漫談で挑発しちゃう大胆な一面も。傍から聴いている私たちにすれば笑える話でも、ディスられたディビジョンの面々からするとたまったものではないでしょう。

実は、このコメディと挑発的なエッセンスがちょうどよく混ぜ込まれたリリックは、作詞を担当したHIDADDYの得意とするところ。

HIDADDYは、韻踏合組合、HEAD BANGERZに所属しているラッパーです。関西のラップシーン黎明期から現在まで活動を続ける大御所でもあります。

このHIDADDYのリリックに合わせ、白膠木簓のラップも「あゝオオサカdreamin’night」と比べて少し違うのもポイント。

「あゝオオサカdreamin’night」では、長めの言葉に合わせて韻を踏んでいましたが、「Tragic Transistor」では短い単語で立て続けに韻を踏み続ける、耳障りの良さが重視されています。

これは白膠木簓だけに限らないのですが、楽曲を手掛けたアーティストの味も楽しめるのが『ヒプマイ』の良さでもあります。ぜひ、合わせて手掛けたアーティストもチェックを!

▼作曲・編曲担当のALI-KICKが手掛けた曲

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