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『映画クレヨンしんちゃん』しんのすけ役・小林由美子さんインタビュー

『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』野原しんのすけ役・小林由美子さんインタビュー|ぶりぶりざえもん役の神谷浩史さんのセリフが面白すぎて収録中に笑ってしまった!?

パニックになった世界を救うヒーローの存在

――今作は春日部の街がパニックになるシーンがあります。それはちょうど今の世相を表現しているような感覚になりました。避難しようとする大人よりも、子どもたちの行動の方が現代社会に繋がるメッセージのように感じました。

小林:まさにそうなんです。パニックになった時の人間の本性というものがリアルに描かれているんです。私たちもパニック状態のようなものを体験しているがゆえに、そこはとても生々しく感じるんじゃないかなと思います。

でも、全員がパニックになっているわけではなくて、そうじゃない大人もいたりするところから、救いの道が少しずつ見えてくる。今回はしんのすけが世界を救おうとするいうお話ですけど、最後はみんなで一緒に立ち向かっていくことになるんです。

 

 
春日部の大人も子どもも全員で危機を乗り越えていこうというお話になっていると思います。しんのすけ達子ども側に立っても、周りの大人達側に立っても、それぞれ心情を投影して頂けると思います。映画の登場人物と一緒に熱くなって映画を見てもらえたら嬉しいですね。

――避難する大人たちよりも、子どもたちが春日部に残って落書きしようという決断が早くて勇気をもらいましたし、メッセージが強く伝わりました。

小林:作品の中でも、親や幼稚園の先生たちがより早く、大人として子どもたちに手を貸していくというところですよね。子どもを身近に見ている大人がそうやって手を貸してくれるというのが「何て心強いんだろう」と感じたので、「私もそういった大人になろう!」と思いました。

――父ひろしと母みさえの言動も力強く、素晴らしかったですよね。

小林:今回の作品は前作に比べたら、父ちゃんと母ちゃんの出番は少ないんですけど、しんのすけがピンチになった時に結局、救ってくれるのが母ちゃんのひと言なんですよね。それに胸が熱くなって、「一生母ちゃんの子どもでいたいよ!」と思いました。

また、みさえ役のならはしさんの全力でみんなに訴えかける演技が本当に素晴らしくて、鳥肌が立ちました。そこも名シーン、名ゼリフの1つだと思いました。

妹のひまわり(野原ひまわり、CV:こおろぎさとみ)がピンチになった時も、全力で父ちゃんが助けに向かうシーンがあって、「男の背中、かっこよすきだよ!」と思いましたし、出番こそ少ないですけど、「ピンチを救ってくれるのは、父ちゃんと母ちゃんなんだ!」というところは前作とも変わらずに、すごく安心感を持って演じることができた思います。

あと、いざと言うときに力を貸してくれるのはカスカベ防衛隊の皆だって事も今回改めて感じましたし、相変わらず癒しのひまわりや野原家の良心のシロに改めて日常を感じ安心しました。

――しんのすけを演じている小林さんが特に感じた印象的なシーンやセリフはありますか?

小林:映画の終盤、みんなで声を合わせて歌いながら春日部を救おうとするシーンがあるんですけど、個人的にそのシーンが楽しみでした。実際に子役さんたちがバックであのセリフを歌ってくれています。

収録現場ではキャラクター全員が1人ずつその歌を歌いました。スタジオ内だけでも一体感がすごかったのに、そこに子どもたちの声が合わさっていくなんて、どんなエネルギーが生まれるのか本当に楽しみです。さらに覚えやすいフレーズなので、映画を観てくれる子どもたちも、しんのすけたちと一緒になって歌ってくれたら、本当に春日部を救えるエネルギーが生まれる気がします。映画を観てくれるみんなと一緒に春日部を救う事が、今作の私の夢なんです。

 

『クレヨンしんちゃん』は、子どもも親も共感できて、安心する作品

――小林さんご自身が野原しんのすけに似ているところと感じるところはありますか?

小林:マイペースだったり、物忘れが激しかったり、まるで自分の都合のいいように解釈するところは、すごく自分に似ていると思います(笑)。基本的に私の「大人として、どうなの?」という部分は、しんのすけに似ていると思いますね。

あとは、娘がしんのすけに似ていますね(笑)。アニメを観ていて、これはアニメだけの話ではないと思っています。

以前、TVアニメでしんのすけがお弁当を忘れて、幼稚園の先生からお電話がかかってきたというシーンがあったんですけど、「娘!コレ、一昨日やったヤツだよ!コレ、アンタだよ!」ということがありました。。そういうことをアニメ観ながら何度言ったことか(笑)。

そうすると、娘から「いや、ママもね!」という返事が返ってくるので、私も「まぁ、そうなんだけどね…。」と思いつつも大人気ない喧嘩をいつもしております…汗

アニメですから、大げさに描いてところもありますけど、5歳児あるあるや、子育てあるあるは周りの人から「うちもだよ」とちょこちょこ共感を得ています(笑)

現実とアニメのバランスの良いところにしんのすけがいるような気がして、でも現実では言えないことを代わりに言ってくれていて、スカッとします。

子どもたちは、しんのすけぐらいはちゃめちゃやりたいけどそれはできないから、しんのすけに代わりにやってもらえる爽快感みたいなところがあるのかもしれません。

親はみさえを見て「こんなことで怒っていても、しょうがなかったな」とホッとする。「しんのすけに比べたら、うちの子なんて」というシーンもあるので、それぞれ追いかけるキャラクターは違うかもしれませんけど、子どもにとっても親にとっても、アニメを観て共感できるシーンがたくさんあるのかなと思っています。

――最後に、映画公開を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

小林: 今回の作品は、劇場映画シリーズ第28作目。原作も30周年と言うことで、本当に長く長く沢山の方に愛されている作品なんだなと改めて褌を締め直す思いでおります。クレヨンしんちゃんを変わらずあいしてくださる皆様に本当に感謝しかありません。

しんのすけを演じている時はすごく緊張するし、最初の頃は怖かったりもしましたが、最近は「今のしんちゃん、すごく好きだよ」というお声も聞けるようになりました。

声優ということは関係なく、『クレヨンしんちゃん』という作品が「面白い」、「楽しい」、「元気をもらう」という言葉をいただくと、私も「ありがたいな。もっと頑張ろう! 楽しいものを届けよう!」というエネルギーに変わっていきます。

そういったみなさんの気持ちをお返しすべく、今回の映画も120%楽しみながら臨みました!こんなご時世ではありますが、映画を観て、思い切り笑ってもらえたら嬉しいです。

子どもも大人もおじいちゃんもおばあちゃんも全ての方が観終わった後、とても楽しい気持ちになるような作品になっていると思います。

そしてその後、映画の感想言いながら画用紙いっぱいにたくさんの落書きをしていただけたら嬉しいです。これからも『クレヨンしんちゃん』をよろしくお願いします!

 

 
[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]

 

作品情報

『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』

2020年9月11日(金)より全国東宝系にて公開!

 
★原作:臼井儀人(らくだ社)/「月刊まんがタウン」(双葉社)連載中/テレビ朝日系列で放送中
★監督:京極尚彦『ラブライブ!』『宝石の国』
★脚本:高田亮『婚前特急』『そこのみにて 光輝く』・京極尚彦
★製作:シンエイ動画・テレビ朝日・ADK エモーションズ・双葉社
★声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ 、神谷浩史
★声の特別出演: 山田裕貴、りんごちゃん
★ラクガキ応援大使:きゃりーぱみゅぱみゅ
★主題歌:レキシ「ギガアイシテル」(ビクターエンタテインメント)

 
公式サイト

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2020
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