音楽
高槻かなこ デビューシングル「Anti world」インタビュー

“アーティスト・高槻かなこ”が見せていく本当の自分――デビューシングル「Anti world」インタビュー

極端な話、高槻かなこが歌っていることは知らなくてもいい

――ここからは改めて一曲ずつお伺いします。まずは表題曲の「Anti world」。こちらはTVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』のOPテーマです。

高槻:実は今回のお話をいただくまでは『100万の命の上に俺は立っている』という作品を知らなかったんです。だから、お話をいただいてから原作を読みましたが、めちゃくちゃ面白くて! しかも、自分と主人公に似ている部分があったので「運命かも」って思いました。

――似ている部分ですか?

高槻:主人公はもともと田舎で暮らしていて、都会に引っ越したことで心を閉ざしてしまうんです。私の場合はずっと都会に住んでいて、田舎に引っ越したことで心を閉ざして、中学はずっと不登校だったんです。個人的には、この作品の主人公の思考が、思春期の頃に自分が考えていたことにすごく似ていたので、そのときの気持ちを掘り返して書いていました。

 

 

――メロディも疾走感と重厚感を兼ね備えつつ、サビではキャッチーなアニソンらしさを感じられるのが印象的でした。

高槻:「Anti world」は、いくつか候補曲を聴かせていただいた中で「絶対にコレ!」と衝撃を受けた曲です。最初の音数が少なめだったり、サビも聞いたことはないけどほかの曲よりも分かりやすくて、シンプルかつ、どストレートで良いなと思いました。

原作を読んでから「ストレートな曲がいいな」と改めて思って、候補曲を全部聴き返してみてもやっぱりこの曲が一番ハマっていたので。

サビはメロディーが持つ“熱さ”と“儚さ”がすごく良いなと思います。あと、2番になると急に強気になるところもイチオシです(笑)。

 

 

――レコーディングや作詞はいかがでしたか?

高槻:レコーディングに関しては特に問題なかったと思いますが、歌詞はかなり悩みました。言いたいことを音にはめる作業、作詞ってやっぱり難しいなと実感して。1番はTVサイズなのでパッとできあがったんですよ。そこから2番につないでいくのが逆に難しかったです。

1番で言いたいことを綴ってから、後付けでさらに言いたいことを付け加えるのは意外に難しくて。なので、フルで作るときはけっこう悩みましたね。

あとは、英語が苦手なんですが、それでもカッコいい英語を入れたい気持ちもあったりして(笑)。

――そんな悩みは微塵も感じられないほど、バッチリだったと思います。

高槻:ありがとうございます。今回でGoogle翻訳とお友達になりました(笑)。いい感じに中二感が出て良かったと思います。

――アニメのOPとして映像付きで放送されるのが楽しみですね。

高槻:そうですね。極端な話、高槻かなこが歌っていることは知らなくてもいいんですけど、この「Anti world」がアニメとクロスして流行ってくれたらいいなと思います。曲に一人歩きしてほしいくらい、むしろ引っ張っていってほしいです。「あ、あの曲歌ってる人か!」くらいでもいいなって思っています。

みんながもっと自分の心の中の願いに気付けたらいいな

――続く2曲目の「I wanna be a STAR」は作詞・作曲ともに手がけられています。楽曲のテーマを挙げるなら?

高槻:私の今年の目標の「スターになる」をテーマに書きたいと思って作った楽曲です。

――そういえば8月2日放送の『THEカラオケ☆バトル』に出演された際の肩書も「声優界の次世代スター」でしたね。

高槻:あはは。大それたことを言っていただいてありがたいです。

――今年の目標だからこそデビューシングルに入れたかった?

高槻:そうですね。もとから一曲はチルサウンドというか、楽に聴ける曲を入れたいと思っていて。そのテーマを考えていたときに「星がいいかも」と思ったことと、「今年のデビューシングルだし、今年の目標をテーマに一曲書くか」と考えたのがきっかけですね。気持ちがこもっている曲がいいかな、と思っていたので。

――確かに、楽器もあまり重ねずにシンプルに構成されているので歌声が際立ちつつ、すんなりと入ってくるイメージがあります。

高槻:曲調はすごいキラキラしつつもシンプルですし、歌い方も普段より語りかけるニュアンスが強いというか、素の状態で飾らずに歌っています。だからこそ、そのまま受け取ってほしい楽曲です。

――個人的には、夢を追う人へのエールというか、後押ししてくれる曲だと感じました。実際に夢を形にしていっている高槻さんが歌うからこそ、説得力も増している気がして。

高槻:個人的には「私も頑張ってるから、聴いてくれたらたぶん勇気出るよ」くらいのメッセージ性ですね(笑)。落ち込んだときとかに聴いてもらえたらいいなと思います。

あと、よく「流れ星に願いごとを3回唱えると叶う」って言われていますが、あれって実は魔法じゃないと思っていて。

――と言いますと?

高槻:流れ星が見えるくらいの一瞬でパッと思い浮かんだことって、絶対に自分の強い願いじゃないですか。それだけ叶いやすい、なんとしても叶えたい願いだからこそ、流れ星に祈れば自ずと叶うことだと思っていて。それをこの曲では綴っているので、みんながもっと自分の心の中の願いに気付けたらいいなと思います。

ファンクラブとか、ツイッター上でも「勇気が出ません」と話している人が多くて。私の姿を見て、「きんちゃんが頑張ってるから自分もやってみよう」と思ってくれたらいいな、という願いをこの曲に込めていますね。私自身はすぐ勇気が出るというか、破天荒に飛び込んで行ってしまうタイプなので(笑)。

(C)山川直輝・奈央晃徳・講談社/100万の命の上に俺は立っている製作委員会
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