音楽
『アニソン大賞』選考員・DJ和×アニメイト松原正泰【インタビュー前編】

『アニソン大賞』選考員・DJ和氏とアニメイト松原正泰氏が語る!『平成アニソン大賞』&『令和アニソン大賞』の舞台裏と、激動の時代におけるアニソンのあり方【インタビュー:前編】

「Agapē」が入るところに『アニソン大賞』らしさがある

松原:あとは「Agapē」ですかね。「残酷な天使のテーゼ」だけじゃないぞ、と。

当然年代が合ってない子たちは知らないので、聴いてみて「うおお、なにこの曲!?」という反応があったことも、すごくいい影響だなと思いました。

――社会現象の大きさや、一般的なところから見てしまうとやはり「残酷な天使のテーゼ」が第一に挙がりますが、もうひとつ「Agapē」を挙げたこともアニソン大賞のひとつの大きな特徴だと思います。

DJ和:会議のときに時間が押していき、みなさん次のお仕事も控える中で、じゃあ大賞どうする? となったときに、いや「残酷な天使のテーゼ」でしょ、と(笑)。

松原:そのあと、「“裏”も決めなきゃいけないんですよ」といった話になったときに「ほかの曲で全会一致の曲ってなんだろう?」と。

それまで、みんな内在的に「Agapē」をノミネートさせたい思いがありつつも、なんとなくどこにも入ってなかったんですよ。だからこそなにか運命的なものを感じましたね。

DJ和:名前を出したときに誰も否定しなかったので、もう決まりだなと。

松原:そうですね。誰も文句がないというか。討論も必要なかったんですよね。今までいろんな賞でいろんな曲を紹介してきて、そこから最後に大賞を発表という流れだったわけですが、「残酷な天使のテーゼ」がいい曲なのは日本の、この番組を見ている人なら全員知ってると思うんです。

でも、その結末だとみんなつまんないだろうな、と。僕らがこの人数集まった意味がないですし。2曲目を発表できたときに、反応含め、この企画をやった意味をすごく感じました。

DJ和:そうですね。この人たち真面目にやったんだなっていう(笑)。

松原:今までそういうものがなかったな、というのもあって。大きいランキングや賞はどうしても売上だったり、視聴率だったりの単純な数字だけ見て、それを分かりやすく上から並べていくもので。

けれども今回の場合は単純な数字だけじゃない、個人的な思いとか、ここが推せる、好きだ、売れてないけど名曲だ、とかそういう想いも出しつつ、いいバランスで皆さん取り組んでいましたよね。

DJ和:しかもみんなちゃんと大人っていう(笑)。

一同:(笑)

DJ和:ちゃんとまとめるよ、みたいな(笑)。入れるべきものは入れるし。そのバランスが皆さんさすがだなあ、と思ってました。

 

 

――番組が終わってからも「Agapē」はずっとトレンドでした。

松原:この番組で初めて「Agapē」を知った方も多くて。「こんな曲あったんだ」と。

DJ和:若い子は特にね。で、ちょっと上の人たちが教えてあげるみたいな(笑)。meg rockさんも反応してくれたりして。

松原:しかも、OPでもEDでもない挿入歌なんですよね。

DJ和:このメンツで、この企画じゃない限りは絶対に挙がってこない曲ですよね。今だったら「紅蓮華」とか、「紅蓮の弓矢」が一位に挙がりそうな中で。

――「平成アニソン大賞」という企画をやったことで、自分の中でなにかアニソンに対する気持ちの変化や発見など、改めて思ったことなどはありますか?

松原:最初に選曲しているときにも思ったことですが、お客さんに求められている楽曲が時代とともに変化していくんだな、と感じました。時代ごとにニコニコ動画が流行ったり、「歌ってみた」「踊ってみた」が流行ったり。こうやって見ると、変わるべくして変わっていったんだな、と改めて思いましたね。

流れでものを見ていく視点が今まで不足していたことに気づきましたし、皆さんのスタイルや考え方を見て「色んなものを取り込んでいかないとダメだな」と刺激をもらったりもしました。アニソン業界、アーティストさんを、小売りの立場からもっと盛り上げていかないと、という気持ちがより強くなりましたね。

DJ和:感謝の気持ちを常に持たないと、と改めて思いました。DJの場合「勝手に」という言い方はアレかもしれないですけど、曲を借りてそれを流して会場を盛り上げる仕事なので。そこで自分の手柄にしがちなんですけど、元の音楽を生み出してくれる人がいない限り成り立たない仕事ですし、自分の曲を作らないDJの場合はなおさらですよね。

どういった経緯でその曲が生まれたのかの成り立ちを踏まえ、こういう企画をやることでより強く感じられるようになるし、みんなで振り返ることでこんなに熱量が生まれるのだと再発見できたので、みんなもっとやればいいじゃん! と思いましたね。僕らは今回こういう風にやったけど、たとえば終わった後に「この企画は男性目線だよね」という話になったりと、まだまだいろんなことができると感じましたし。

今度は女性だけ集まってみるとか、一曲、一アーティスト、一時代とかをみんなで振り返ってみるとか。本人不在の場所でファンが集まってやる今回のような活動を繰り返していくことで、クリエイターの人も喜んでくれるし、僕らも楽しいし、みんなハッピーになれると思いました。

改めて、アニソンでこういうことができるんだと気づきましたし、クリエイターさんが中心にいるとしたら、その周りのファンやDJが自発的にいろいろやっていけば、より業界が広がるし。アーティストの頑張りだけじゃなくて僕らが広めていくこともすごく重要だと実感しましたね。

――――――

前編は以上となります。後編ではノミネート楽曲を収録したCD『平成アニソン大賞 mixed by DJ 和』について、配信ライブの難しさについて様々なお話を伺っています。

★後編はこちら

イベント情報

イベントタイトル:令和2年アニソン大賞 ノミネート発表特番~2020年末SP~
開催日:2020年12月4日(金)

時間:
第1部[令和2年アニソン大賞選考会議] 18:30~20:30(予定) ツイキャスにて有料配信
第2部 [令和2年アニソン大賞ノミネート発表特番] 21:00~22:30(予定) YouTube Liveにて無料配信

場所: ロフトプラスワン(新宿)

出演者:
冨田明宏(音楽プロデューサー / アニソン評論家)
吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
齋藤P(アニメロサマーライブ 統括プロデューサー)
DJ和(J-POP / アニソン DJ)
前田 久(アニメライター)
松原正泰(アニメイト)

配信プラットフォーム:
[令和2年アニソン大賞 選考会議] ツイキャスにて有料配信
視聴チケット:¥1,500 キャスマーケットにて発売致します。
購入は コチラから

※選考会議ではノミネート楽曲の発表は行いません。21時から配信される第2部の番組にて
ご確認ください。
※アーカイブ配信はございません。
※配信サービスの仕様上、放送の遅延などが発生する場合がございます。
※配信内容を録画するなどして再配信する行為は禁止させていただいております。
※出演者の諸事情により、やむをえず遅刻、欠席、リモートでの参加になる場合がございます。
※当日、会場にはご入場いただけません。また、入り待ち・出待ちなどの行為も禁止となります。
※お客様のインターネット環境、視聴環境に起因する再生不良があった場合、
払い戻しはいたしかねます事を予めご了承ください。

[令和2年アニソン大賞 ノミネート発表特番] YouTube Live にて無料配信 
URLは、コチラから

◆イベント情報は、LOFT HPをご覧ください。
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/broadcast/163337

アニソン大賞公式サイト
令和アニソン大賞公式アカウント

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