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田所あずささん初のセルフプロデュースアルバム『Waver』発売記念インタビュー

田所あずささんの初のセルフプロデュースアルバム『Waver』発売記念インタビュー|「ゆらぎ」をテーマにした理由や本作に込めた想いとは?

田所あずささんの4枚目&初のセルフプロデュースアルバム『Waver』が2021年1月27日発売! 

全収録曲の歌詞やサウンド、ジャケットやMVなどすべてのプロデュースをご本人が手掛け、ライブでバンドマスターを務める神田ジョンさんをサウンドプロデューサーに、これまでの楽曲の作詞を担当してきた大木貢祐さんをメインライターに迎えたのに加え、忘れらんねえよ柴田やMOSHIMOメンバーからの提供などJ-ROCKシーンで活躍中のアーティストも参加した意欲作です!

自身で作曲した曲もあり、「自分のすべてが詰まったアルバム」と語るほど、特別な1枚への熱い想いを語っていただきました。

また、「Waver」の発売を記念し行われていた、ファンアート募集企画の入賞作品をご紹介します。田所さんによるコメントも掲載しておりますので、ぜひチェックしてみてください!
 
 


 

初のセルフプロデュースに挑戦! テーマは「ゆらぎ」

――『Waver』は初めてのセルフプロデュースアルバムですが、制作するにあたってのコンセプトとタイトルの意味をお聞かせ下さい。

田所あずささん(以下、田所):アーティストデビューした時からサウンドプロデュースしてくださった方が離れることになって、自分でやるしかないと思ったのがセルフプロデュースするきっかけでした。

そしてアルバムをリリースすることになり、自分が思ったり、周りの方が言ってくださった私の良さを箇条書きにしてマネージャーさんやレーベルの方にプレゼンさせていただきました。アルバムのコンセプトは「ゆらぎ」で、今まで自分をネガティブで後ろ向きだと思っていましたが、よくよく考えてみたらそうではないのではないかと。

私は悩んだり、迷ったりすることが多いですが、歌やお芝居は元々、100%の正解というものがないものですし、悩みつづけることが自分ができる最大限のことだったんじゃないかといつしか思えるようになって。

「ゆらぐ」ことこそが今言えるできる唯一の正解なんだと思ったので、このタイトルにして、私の心がゆらいだことや動いたことを曲にしようと。

――セルフプロデュースがシングルでもミニアルバムでもなく、フルアルバムというのはかなりハードルが高いですよね。

田所:今までアルバムを制作する時はシングル曲やタイアップ曲も収録していましたが、プレゼンさせていただいた時、「それくらい、しっかりした想いがあるんだったら、混じりけのない、全部新曲にしたらいいんじゃない?」と言っていただいて。10曲すべて改めて制作した新曲になりました。

 

ライブのバンドマスターの神田ジョンさんがサウンドプロデュース、大木貢祐さんがメインライターでサポート。

――リスタートするタイミングで、セルフプロデュースに挑戦したことは今後の音楽活動においても大きな財産になりそうですね。

田所:でも始める時はめちゃめちゃ不安で、自分に本当にできるかなと思ったけど、この1枚が完成できたことで、強くなれた気がするし、今後やりたいことや目標も明確になったので、結果的には良かったかなと思っています。

――今回のアルバムでは田所さんが信頼している方のサポートもあったそうですね。

田所:自分の中で明確にコンセプトもやりたいこともあったけど、音楽や制作について知らないことも多くて。そこで大きな存在だったのがライブでバンドマスターをしてくださっている神田ジョンさんでした。

まず表題曲であり、リード曲になる「Waver」を一緒に作ってくださいとお願いしましたが、全体の制作指揮をとってほしいと思って、サウンドプロデュースをお願いしました。

そして私の想いや伝えたいことがうまく言葉にできない部分を大木貢祐さんが汲み取って歌詞として具現化してくださったり、ご自身が作詞に関わっていない曲でも私が伝えたいことを言葉にして書き出してくださって。お2人のサポートに救われました。

――表題曲の「Waver」がバラード曲というのも挑戦的ですよね。

田所:確かに挑戦的だったなと思うけど、不安よりも、これしかないという気持ちのほうが大きかったです。でも私の良さとしてよく言われたのがちょっとウェットな声だねと。それが活きてくるのはバラード寄りで情感があるサウンドじゃないかと思ったし、ジョンさんも私の特長を引き出すような曲にしてくれました。

――「Waver」の歌詞は「思い出が流れて濡れた目に嘘の傘」など詩的な表現で自身の中にある葛藤が描かれているような。

田所:故郷や家族に対する想いやアルバムのコンセプトであるゆらぎを交差させて作った歌詞です。大木さんには何から何まで赤裸々にお伝えしたし、コンセプトも理解してくださっているので、アルバム全体を総括する、一番伝えたいことを歌詞にしてくださって。美しくて、素晴らしい歌詞だなと思いました。

――苦しみながらも最後は「変わり続けるわたしと生きてゆく そう決めたの」と未来へ歩み出していく希望も。

田所:悲しく聞こえる要素が多い歌詞ですが、私にとっては救いの曲であり、同じ想いや悩みを抱えている人の肩の荷が降りるような歌詞になっていたらいいなと思います。

一番ぐっときた歌詞は「安心をねだるように喉が震えた」で、安心させてほしかったけど、喉が震えるだけで声には出せなかったという表現が美しくて。このフレーズ以外にも詩的で素晴らしい表現ばかりですごいなと思います。

――歌声もピアノやストリングスの音色にのせて、せつなさと情感にあふれて心に響いてきます。レコーディングで心がけたことは?

田所:技術的にはすごく難しい曲で、ギリギリまで張り詰めて、集中して繊細にレコーディングしたので、今聞くと緊張感がある曲になってよかったかなと思います。

 

MVは歌っている姿を長回しで見せる映像に。過酷だったプールでの撮影!?

――MVはシンプルで、田所さんが素で歌う表情や姿を1カットで長めに見せる演出になっていますね。

田所:監督とも最初に約2時間2人きりで、今回のアルバムのコンセプトやどんな想いで楽曲を作っているのか、映像のイメージなどお話しさせていただきました。ただこんなに長回しの映像になるとは想像していなくて(笑)。

通常のMVはある程度のカット数で見せることが多いんですけど、今回は1カットがとても長くてビックリしましたが、そうやって伝える曲であり、映像だと監督が思ってくれたことやすごい熱を感じて嬉しかったです。そして自分がこの曲のことを一番わかっていると思うので、どういう表情で歌おうなどの迷いはいっさいなかったです。

――撮影時の印象に残っている出来事はありますか?

田所:プールの中にセットを組んで撮影をしたのですが、水の中で歌っているカットでは、プールは温水なので中にいる時は温かいんですけど、出るとほぼ外なのでめちゃめちゃ寒くて。しかも衣装が水に濡れると体に張り付くので、全身にひえピタを貼っているような感覚で。

更に1回濡れた状態から髪や衣装を乾かして撮影というのを何度も繰り返したので大変だったし、楽屋にはヒーターもなくて、メイクさんがドライヤーを私にあてて必死に温めてくれました(笑)。

 

「レイドバック・ガール」は舐めた態度がコンセプト?

――では他の収録曲のお話も。「レイドバック・ガール」はどんなイメージで作られた曲ですか?

田所:決められたルートや答えに抵抗したいという想いから、型にハマった進化ではなく、自分の意志で勝手に進化したモンスターをテーマにした曲です。

「Laid-back」は音楽用語で、きっちりとリズムを刻むのではなく、ちょっと遅らせてみたり、自由にリズムを刻んでいくという意味で、私も勝手に成長・進化してやるぞという気持ちが込められています。全収録曲の中で一番強い感情で、「喜怒哀楽」でいえば「怒」のイメージです

――でも、テンポ的には速くなくて、ゆったりめなんですよね。

田所:舐めた態度がコンセプトなので(笑)。ずっと半目で、だるそうにいるみたいな。圧倒的にこちらの言い分が正しいと見せつけたかったので、そういう感じの曲にしていただきました。

――「ころあるこ。」は、愛称である「ころあず」が入ったタイトルで一見、かわいげなのに、曲の入りがやさぐれた歌い方で驚きました。

田所:忘れらんねえよの柴田隆浩さんの作詞作曲で、3rdアルバム『So What?』でも「ころあるき」という曲を作ってくださいましたが、「き」が「こ。」になっただけという適当さについ笑ってしまいました(笑)。でも、もしかしたらものすごく意味がこめられているのかもしれません!

――「誰かが決めたピュアさとか水戸の実家に捨ててきた」とか「昔のころあずのほうが良かったと書かれるかもなあ」とかA、Bメロは衝撃的な歌詞が並んで。

田所:柴田さんの歌詞って、本当に飾らなくて、くすっと笑えるので好きなんですよね。だから今回もぜひお願いしたいと思って。私はピュアだってよく言われてきて。それはもちろん褒め言葉で言ってくれていてとても嬉しいんですけど、ピュアって言葉をいろいろ考えてみたんですよ。

ピュアは素直さを連想させるんですけど、私全然素直じゃないんです、すごく扱いにくいと思うし(笑)。

あと、害がなくて安全って感じもすると思うんですけど、今回のアルバムでは私のそうじゃないところも見せたいというか……。でももしかしたらそういう危険なところも私のピュアなところなんじゃないかなって。

自分の意見を言うようになって、「ピュアじゃない」とか「スレた」とか言われるかもしれないけど、何でもうのみにするのではなく、自分の頭で一度疑ったり、考えたり、心がゆれ動く今のほうがピュアなんじゃないかなって思って。そういう思いを歌詞にしていただきました。

――「君になら言える だってここまで一緒に歩いてきたじゃんか」とファンや支えてくれる人への信頼や絆みたいなものも感じられるのが泣かせます。

田所:変わっていくことを恐れる人も多いと思うけど、私は変わっていきたいし、みんなも一緒に変わってよというメッセージが込められています。

――「クリシェ」は、「不安そうに目を伏せた天使が約束の鐘を鳴らしてる」など歌詞を読むと結婚する2人が不安を持ちながらも一歩を踏み出していく様子が描かれているのかなと。

田所:私の兄の結婚式に行った時、神前式で今日初めて会うおじさんに結婚を報告する姿を見て、「何でだろう?」と疑問を抱いてしまって。どこか乗り切れなくて、疎外感を感じていましたが、兄が神様の前で伴侶を大切にするという「誓いの言葉」を口にした瞬間にグッときて。

もちろんそう言うことは決まっていたし、練習もしていたと思うけど、古くからずっと使われてきた言葉や行為を繰り返すことにはちゃんと意味があるんだな、そんな台詞にしか引き起こせない感動があるんだな、と思って歌詞にしていただきました。

「クリシェ」というのはフランス語で「決まり文句」という意味なんですけど、人生の節目ではいろんな「クリシェ」が効果的に使われますよね。音楽用語にも「クリシェ」というのがあって、古くからJ-POPで使われきて今でも愛されているコード進行らしくて。この曲にはそれがたくさん使われていて、だから言葉と音楽の作り方がつながっています。

いろいろと言いましたが、一言でこの曲を表すなら「素直になれない妹から兄への祝福の言葉」です(笑)。

 

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