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冬アニメ『無職転生』前世の男役・杉田智和 声優インタビュー

冬アニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』前世の男役・杉田智和さんインタビュー│あのとき、もしオーディションに応募していなかったら……ルーデウスに見る“あり得たかもしれない自分”

小説投稿サイト「小説家になろう」で2012年より投稿が開始され、後に“なろう系”と呼ばれる異世界転生作品の原型となったといわれるWeb小説『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』(以下『無職転生』)のテレビアニメが、2021年1月より放送開始されます。

第1話の放送が終了した直後の今回は、そんな『無職転生』の主人公であるルーデウスが転生する以前の姿“前世の男”と、ルーデウスのモノローグを担当する杉田智和さんへのインタビューを実施。リアルなバックボーンを持ち、異世界での再起を果たすルーデウスを演じる心持ちを語っていただきました。

前世の男やルーデウスの境遇を深く知っているほど楽しめる内容となっています。視聴前に読むのもアリですが、ぜひ放送を視聴した後にも読んでみてください!

※一部、第1話のネタバレを含みます。

ルーデウスは「転生した後にどうするか」を自分で考えなければならない

——まずは、原作や台本を読んでみて『無職転生』に受けた印象から伺いたいと思います。

杉田智和さん(以下、杉田):最初に浮かんだのは“恐怖”ですね。前世の男を見ていると、どうしても並行宇宙に存在する「あり得たであろう未来の自分の姿」を重ねてしまうんですよ。その上で、心の底から「今の人生でよかったな」と思いました。

自分のひとつの可能性である彼ら(自分の可能性)と“前世の男”が重なってしまうと「かわいそう」とか「気持ちは分かるよ」とか「頑張れ」とか、そういう言葉が出てこないんです。そういう意味で、距離の取り方が難しい作品ですね。役が決まった時は、まず(作品やキャラクターに対する)姿勢や立ち位置を考えるところから始めました。

——タイトルにはキャッチの強い言葉を使っていますが、実際にはけっこう切実というか、物語は“引きこもり”という存在の芯に迫っているような印象がありますね。

杉田:アトラスのRPGに『女神転生』シリーズってあるじゃないですか。あれは、ヒトを構成する思想や在り方をロウ(秩序)とカオス(混沌)という形で定義し、その両方からの板挟みになるというゲームなんですが、それに近いものを感じます。

転生したとしても、全部リセットして理想の生き方や欲しいものが手に入るワケではなくて、彼も「転生した後にどうするか」を自分で考えなければならない。そういう意味で、ルーデウスは転生した後にどう転ぶか分からない存在なんです。

——確かに、良い方向に進まなかった場合のことを考えると恐ろしいですね。

杉田:前世の男の境遇からすれば、転生後の行動原理が“人間への復讐”に設定されてしまう可能性だってありますよね。最初に出会った両親は愛情あふれる2人で、転生後の世界で出会いに恵まれたのはルーデウスにとっての幸運だったんじゃないかと思います。……まぁ、問題がまったく無いわけではありませんが。

——先程は“あり得たであろう自分の可能性”についての話が出ましたが、そういったことを考える機会はやはり多いのでしょうか。

杉田:常に考えてると頭がおかしくなるので、常にではないかな(笑)。でも、ある程度世の中に顔が知られている人は「他人が認識している自分」を理解して演じる必要があるので、(本来でない)別の自分のことを考えるという意味では、向き合う機会は多いと言えるかもしれません。

世間から奇人、変人、狂人として見られていたとしても、そのまんまでは現代社会で生きていくことはできませんよね。素の自分とのギャップと悩む人もいますが、周辺からの見られ方と素が違うのは当たり前なので、本来はそこまで気にすることはないと思っています。

(C)理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
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