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春アニメ『MARS RED』原作者・藤沢文翁×畠中祐×諏訪部順一インタビュー

春アニメ『MARS RED』原作者・藤沢文翁さん×畠中祐さん×諏訪部順一さんインタビュー|「共感するセリフばかりだった」、ヴァンパイアと人間を描いた物語に迫る!

2021年4月放送のTVアニメ『MARS RED』は、史上初の音楽朗読劇からアニメ化となり、2020年11月には第1話・第2話の超最速先行上映会も行われた注目作。

大正時代の東京を舞台に、列強諸国に対抗するために創設された陸軍の第十六特務隊、通称『零機関』。帝都東京にて増え続ける吸血鬼事件の対応にあたることになったヴァンパイアの物語。

本稿では、数々の音楽朗読劇で原作・脚本・演出を務める劇作家であり、本作品の原作者・藤沢文翁さん、国内最強クラスの吸血鬼・栗栖秀太郎役の畠中祐さん、『零機関』で指揮を執る人類最強の前田義信大佐役・諏訪部順一さんにインタビュー!

アニメ化の経緯をはじめ、朗読劇との違い、キャラクターや作品の魅力、アニメの楽しみ方などについて伺いました。

アニメでは約2時間の朗読劇に収まらなかった話を広げて描く!

――まず、キャストのお2人に質問です。朗読劇からアニメ化という初の試みとなる本作品に出演するにあたっての感想、お気持ちをお聞かせください。

栗栖秀太郎役・畠中祐さん(以降、畠中):僕はこれまで文翁さんの朗読劇に出たことがなく、朗読劇『MARS RED』にも出ていなかったので、新しい座組に加わらせていただくという感覚があって、とても緊張したというのが正直な感想です。

でも、何よりも参加できてうれしいなという気持ちがありましたし、一から栗栖秀太郎という人物を作り上げていきたいという気持ちでいました。

前田義信役・諏訪部順一さん(以降、諏訪部):『MARS RED』とは音楽朗読劇の初演時から関わってきましたが、まさかアニメ化するとは!(笑)

こんな日が来るとは思ってもみませんでしたが、作品が大きく育ったことを心からうれしく思っています。

――朗読劇『MARS RED』をご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、改めて藤沢さんから、朗読劇からアニメ化になった経緯を教えていただけますか?

原作者・藤沢文翁さん(以降、藤沢):朗読劇自体は以前から行っていましたが、シルク・ドゥ・ソレイユの常設小屋として建てられたZEDシアターが、シルク・ドゥ・ソレイユ撤退後、舞浜アンフィシアターとして誰でも借りられるようになったという噂を聞いて、誰もやったことのないド派手な朗読劇をやってみたいなと思ったのが、そもそものきっかけです。

炎が出たり煙が出たり、とにかく今まで見たことのないような朗読劇をやりたくて、2013年に舞浜アンフィシアターで上演したのが、この『MARS RED』でした。

今回のアニメーションを手掛けるSIGNAL.MDの社長さんで当時Production I.Gでプロデューサーをしていた森下(勝司)さんに「これはアニメになるよ」と言っていただき、その間に唐々煙先生という漫画家さんと知り合って。

うれしいことに唐々煙先生が僕の作品のファンになって毎回来てくれるようになり、「ちょっとコミカライズしてくれませんかね」なんていう話をしたらOKしてくださり(笑)。

結果的に、それがアニメーションになるというのが、これまでの経緯になります。

――当初から藤沢さんはアニメ化を熱望されていましたが、朗読劇脚本の執筆段階からアニメ化を想定されていたのでしょうか? 脚本の藤咲淳一さんとはどのようなやり取りがありましたか?

藤沢:そもそも、自分のオリジナルの作品を作って世に出したいというのが僕の夢だったんですけど、それはなかなか難しいところがありまして。

テレビやアニメのバジェットのかかる世界で、いきなり「オリジナル(の脚本)で書かせてください」と言っても難しいですよね。まずは朗読劇で「こういう話なんですよ」と色々な人に見せることによって、それがメディアミックスにつながって来るんじゃないかなというのが当初からの僕の狙いではあったんです。

『MARS RED』の設定は、色々な展開ができるなと元々のプランとしてはあって。永遠の命を持つヴァンパイア、デフロットという登場キャラクターが長い間ヴァンパイアとして生きている、などです。

藤咲さんと一緒に、アニメ化するにはどうするかとなった時、アニメにはアニメの表現の仕方、面白さがあり、コミックスにはコミックスの面白さがあるなと気づいたんです。

いわゆる朗読劇の見せ方というのは、長いストーリーをバッと短縮して2時間で伝えなければいけないんですけど、アニメの見せ方は、全13話の中で「来週はどうなるんだろう」「次はどうなるんだろう」と、どんどん興味を持たせるために話を広げなくてはいけなかったりするんです。

なので、2時間半くらいの朗読劇に収めるために削っていったものを、その話を広げる材料として藤咲さんにお渡ししたり、藤咲さんからも「こんなお話があったらどうだろう」といただいて、そこからどんどん脚本が出来上がっていくという流れになっています。

――では、元から物語のタネがあって、コミックスやアニメでさらに膨らませてという形なんですね。

藤沢:そうですね、もともと主軸みたいなものがあって。

ヴァンパイアになるといっても、どちらかと言うとヴァンパイアの弱点を中心に描いている作品なので、「もし、あなたが明日から血しか飲めなくなった時に、いきなり隣の人の首筋を噛めますか?」というところからスタートしているんです。

いわゆる“カッコいいスーパーヒーロー”というよりも、普通の人が突然ヴァンパイアになっちゃった時に、“どうやって人間らしく生きていこう”という葛藤を描いていく。

その主軸さえズレなければ、「どんなストーリーにしていただいても大丈夫です」みたいな話を(藤咲さんに)しましたね。

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