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『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』富野由悠季監督インタビュー

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』富野由悠季監督インタビュー|「素人芸だった」と語る『逆シャア』への反省と、『閃光のハサウェイ』に向けて

映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の映像化には、あえて関わっていない

――『閃光のハサウェイ』が劇場アニメ化されますが、富野監督が期待している部分はありますか?

富野:まったく期待していません。というのも、制作現場をまったく知らないからです。

これは僕なりの考えがあって、スタンリー・キューブリックの『スパルタクス』がいい例ですが、船頭が二人いたらダメなんです。中には『ボヘミアン・ラプソディ』みたいに監督が変わっても上手くまとまった例もあるんだけど、基本は避けるべきだと思います。

監督の村瀬くんのことは知っているし、「よろしく頼む」というお話はしましたけど、物語の話は一切していません。

とはいっても、スタジオが同じなので、コピー機の前で絵コンテが見えることもありますが、絵コンテは僕と違ってすごく上手。ただ人気のあるマンガにも、絵が綺麗なもの、絵は下手だけど面白いものがあって、僕は『ONE PIECE』以外の絵の綺麗なマンガってほとんど信用していないのね。

――村瀬さんが監督を務められるにあたって、作画出身の監督の問題点というのを富野監督が伝えられたというお話を耳にしたことがあります。

富野:それは伝えていると思います。ただ、僕が必ずしもアニメーター上がりの演出家がダメだと思っていないのは、湯浅(政明)くんのような監督がいるから。彼は生粋のアニメーターなんだけど、ずば抜けた演出力があります。

だから作画出身者がダメだとは言い切れないんだけども、絵を愛する人が監督をするとバストサイズのコマが延々と流れている、最近のコママンガみたいになってしまうんじゃないかという危惧はありますね。

兵器の存在価値が変わったことが、『ガンダム』の人気につながる

――『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』という作品が映像化されるという話を聞いた時は、どのような心境したか?

富野:何もありません。どうしてかというと、僕自身が『閃光のハサウェイ』のストーリーを思い出せなかったからです。

今『Gのレコンギスタ』をやっているのに、これでまた『ガンダム』に戻ったら自滅するだろうなと思ってましたからね。僕にとって『ガンダム』という作品は戦記もので、僕にとっての戦記ものは『∀ガンダム』で終わっています。そこからもう一度『ガンダム』的なものを作ることは僕にはできません。なので映像化の話を聞いた時も、「やってくれる人がいるならどうぞ」という形で許諾しました。

その時にプロデューサーから、『閃光のハサウェイ』が現代的なテーマを扱った作品で、だからこそ映像化する意味があるという説明も受けたんですが、僕には20年前の作品が、近代のテロリズムや冷戦構造以降の戦争という目線をもつ内容になっているとは到底思えなかったんですよ。

『G-レコ』でも、戦争をやっていたように見えるかもしれないけど、あの作品で僕が伝えたかったのは、地球で戦争をやるスペアがもうなくなっているということなんです。

――スペアといいますと?

富野:分かりやすくいえば、戦争をする余力がない。もし仮に中国が空母から戦闘機を飛ばすとしても、爆撃をする場所がないんですよ。台湾を狙うなら、大陸から直接船を出せばいいだけで空母を使う必要性は一切ないし、仮に大西洋を回り込んで日本を攻撃するにしても、その後世界が中国の軍事力をどう見るのかと考えたら、空母は使えない。

そう考えると、今の世界には攻撃できる土地は存在しないことになる。にも関わらず、莫大な軍事費を費やし続けるのは僕には不思議でしょうがない。

――確かに、現代で軍事兵器を使った大規模戦争が起きるというのは、あまり想像できないです。

富野:この不思議は僕にとって20年間続いていて、『∀ガンダム』のあとに戦記ものを作れなくなったのです。もう軍事力というもので世界を考える要因というのはほとんどなくなっているにも関わらず、未だに政治家や経済人が軍事力を求めるのは何故なのかということを、もっといろいろな人に考えていただきたいですね。

……とはいってもこれにはもう回答があって、陸軍に関しては軍事パレードをやりたいだけ。最近の中東で起きた実戦的な戦闘は、ドローンで得たデータから攻撃するというもので、戦車すらいらなくなっちゃった。殺し合いとは本来そういうもので、空母を動かして戦闘機を飛ばすような事態になった時点で、動かした側が負けている時代になっているんです。

これはここ数年で僕の中で固まったストラクチャーですが、結果として戦車や戦闘機を使っての戦闘というのは、もう『ガンダム』の中くらいでしか見られないものになったので、『ガンダム』の人気というのは、これからも続いていくと思っています。

――ありがとうございました。

[取材・文/米澤崇史]

上映情報

上映館:全国 7 館
<上映期間/対象劇場>
●4/2(金)~4/15(木) 計6館
MOVIX さいたま/T・ジョイ横浜/ミッドランドスクエア シネマ/MOVIX 京都/梅田ブルク7/T・ジョイ博多
【鑑賞料】:2,400 円均一 ※Dolby CinemaTM鑑賞料金含む
●4/2(金)~5/6(木) 計1館
丸の内ピカデリー
【鑑賞料】:2,500 円 ※Dolby CinemaTM鑑賞料金含む
※ Dolby CinemaTM(ドルビーシネマ)の上映スケジュールつきましてはこちらをご確認ください。
・S M T:https://www.smt-cinema.com/dolby/index.html
・T・ジョイ:https://tjoy.jp/dolbycinema/
・ミッドランドシネマ:http://midland-sq-cinema-dolby.jp/

Dolby CinemaTM (ドルビーシネマ)とは

「Dolby CinemaTM(ドルビーシネマ)」は映像と音響のパワフルな技術に、卓越したシアターデザインが組み合わせられることにより、映画館を最高に 魅力的なシネマ体験をお届けする空間へと変えます。

最先端の光学・映像処理技術を採用した「Dolby Vision® (ドルビービジョン) プロジェクションシステム」によって、他の映像技術を凌駕し、広色域 で鮮明な色彩と幅広いコントラストを表現するハイダイナミックレンジ(HDR)映像を実現します。

そして、「Dolby Atmos® (ドルビーアトモス)」は、これまでにないリアルなサウンドでシアター館内を満たし、縦横無尽に空間内を移動させることで、 今まで体験したことが無いような没入感を味わうことができます。この両技術とドルビーシネマの洗練されたシアターデザインが一体となって作り出 す空間の中で、驚くほど鮮やかでリアルな映像・サウンドをお届けすることで、まるで映画の世界に入ったような、劇的な進化を遂げたシネマ体験をお 届けします。

※Dolby、ドルビー、 Dolby Vision, Dolby Atmos, Dolby Cinema 、およびダブル D 記号は、アメリカ合衆国と またはその他の国における ドルビーラボラトリーズの商標または登録商標です。

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