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アニメ『さんかく窓の外側は夜』三角康介役・島﨑信長 インタビュー連載 第1回

アニメ『さんかく窓の外側は夜』三角康介役・島﨑信長さんインタビュー|人間の自然で繊細な変化を求められた収録現場。除霊シーンは強制的な魂むき出しのコミュニケーション!?【連載01】

どれだけ振り回されても放っておけない「冷川さん」

——三角と冷川の心霊探偵バディは本作の見どころでもあります。三角を演じる島﨑さんにとって、冷川理人はどのような人だと感じますか?

島﨑:冷川さんは本当に謎な人です。いろんなことがあっていろんな事情を経て今の冷川さんがいるんですけど、全ての事情を知っていても表現するのが非常に難しい人なんです。冷川さんを演じる上で求められる高度な表現に、羽多野さんは真摯に応えていらっしゃいました。

この作品は冷川さんの言動の理由が、最後には全て分かるようになっています。ただ、それは全てが開示された後の話であって、三角視点だと本当に訳が分からないんです。冷川さんのテンションもよく分からないですし、特に最初はどこを見て話をしているのか分からないところがあります。

無感情で機械みたいな人だったら「そういう人なんだ」となりますが、冷川さんはタイミングや方向性が謎なだけで、情緒があるのは感じられるんです。「もしかしたら、この人はすごく強い想いがあるのでは?」と垣間見れる部分があるので、余計に気になっちゃうというか。

一見、スマートでクールに見えますが、全然そんなことはなくて、だから放っておけないんだなぁ、と。急にグイッときたり、押し引きのタイミングが本当に謎だったりするので振り回されがちですが、三角はすごく素直でまっすぐな人なので全部を正面から受け取ろうとするんですよね(笑)。

——確かに。三角の優しくて器の大きい面が顕著に出ているように感じます。

島﨑:どんなに暴走されても全部を受け取ろうとするし、全部返そうとするのが三角。でも、それを受け取ってくれなかったり、急に別方向から飛んできたりするのが冷川さん(笑)。

一同:(笑)。

島﨑:三角はずっと振り回されますが、どれだけ振り回されても冷川さんのことが気になっちゃうんです。三角は「視える」ことや怖い気持ちすら誰にも言えないところがあって、そういうところから冷川さんが救い上げてくれる。まさに、冷川さんの「私といれば怖くなくなりますよ」と言うセリフは殺し文句だと思います。

——三角が求めていたものこそが冷川さんなのかもしれませんね。

島﨑:そこが本当に面白いところで、三角は冷川さんと出会ってから「怖い」という言葉や意思表示をすごくするようになるんです。今までは周りに「視える」ことすら言えなかったですし、過剰に反応してしまうと変な人のように扱われて心配もかけてしまうので、自分を騙したりつきたくない嘘をついたりしてきました。

でも、冷川さんと出会ってから、冷川さんの前では自然体になっていくんです。何も包み隠さず、見えているものを見えたままに、思うことを思うままにどんどん言えるようになっていく姿を見ていると、すごく良い関係だなぁと。急に冷川さんから言われた「運命」という言葉を強く感じました。

また、三角と出会ってから冷川さんがどういう風に変わっていくのかも見どころです。三角が冷川さんに救われたお話をしましたが、じゃあ冷川さんにとって三角はどういう存在なのか、そこはこの作品の肝だと思います。

話が進むたびに、冷川さんの細かいニュアンスや機微がどんどん変わっていくところは本当に面白いですし、単話で見ても面白いですが、最初から最後まで流れで見ていくと綺麗に積み重なっていくので、その面白さや良さが分かります。

除霊シーンは強制的な魂と魂のコミュニケーション!?

——第1話を拝見させていただきましたが、アニメーションならではの怖さというか、ゾワゾワしたものがあって没入感がありました。特に、除霊シーンがすごく良くて……。

島﨑:あれはなかなかに刺激的で色気のあるシーンですよね。除霊シーンのように魂をむき出しにしているときって“防御力ゼロ”の状態だと思うんです。

人は生きていく中で、いろいろな外面を持ったりお世辞を言ったり大人な対応をしたりしますが、それは決して悪いことだけでなく、相手への気遣いや優しい嘘などいろいろなものを身につけて鎧を纏い、自分や他人を守ると思います。

視えているのに視えていないように振る舞ったり、本当は怖いのに怖いと言えなかったりする三角のように、素の自分や本当に思っていることをなかなかさらけ出せない。でも、除霊のシーンはいろんなものを取っ払って、強制的にお互いの魂をむき出しにした状態でコミュニケーションを取る、実はとても大切なシーンだと思っています。

逆に、あの魂のやり取り抜きで、普通の会話だけで冷川さんと分かり合おうとすると、理解するまで下手をしたらおじいちゃんになっちゃうんじゃないかな、と(笑)。

一同:(笑)。

島﨑:冷川さんはあのやり取りに慣れているので、三角は振り回されて好き放題に触れられ良いようにされているように見えますが、その中でも三角は冷川さんの魂にも触れているんです。

それで、どんどん冷川さんのことを理解して、まだ全ては分からないけど悪い人ではない、何かちゃんと想いがある人なんじゃないかと感じていって。本当に、強制的なむき出しのコミュニケーションです(笑)。

でも、そのコミュニケーションがあったからこそ、2人は分かり合えるのかなとも思っています。そういう意味でも、除霊シーンはすごく大事なシーンです。

——島﨑さん自身、アニメーションならではの注目してほしいシーンはありますか?

島﨑:僕自身楽しみにしているのが、ホラーシーンです。原作でもすごく怖さを感じますし、その怖さが強調しすぎないからこその怖さで、さりげなく当たり前にいる感じがいろいろな想像力を掻き立てられて怖いなぁ~と思っていました。

収録では線画の状態で録りましたが、その状態でも十分に怖かったです。現場でも「これがアニメとして完成したらどういう映像になるんだろう!?」と話題になっていました。

あと、声や音もどういう風に加工されるのか、それとも加工しないのか、エフェクトが入るのかなどもオンエアされるまで全く分からないので、全部が合わさってどんなホラーシーンになるのかすごく楽しみです。

それこそ、先ほどお話した除霊シーンもそうですが、少し違う空間ができるときの表現がどうなるのか、色がついてキャラクターの動きが分かるのはアニメーションならではですので、いろいろなところに注目していただければと。きっと怖いんだろうなぁ〜と僕もオンエアを楽しみにしています。

——本当に第1話から良いゾクゾク感を味わせていただきました! 島﨑さんがおっしゃったように、本作は人間関係やストーリー展開もすごく深いですよね。

島﨑:そうなんです。キャラクター一人一人がしっかり描かれていますし、登場人物たちが関わっていく中で変化したり成長したりするところもとても丁寧に繊細に描かれているのでいろいろな楽しさがある作品だな、と思います。

三角と冷川のバディ感や男同士の友情みたいなところも素敵ですし、「友情以上なのかな?」と思える部分もあって面白いですよね。本当にいろいろな要素がてんこ盛りですが、最後まで見ていただくとしっかりとテーマを感じられるんじゃないのかな、と。

すごくコミュニケーションが大事になる作品ですし、人と人が出会って、三角を中心にいろいろな人が繋がっていく展開が今のこういう情勢だからこそ、より強く感じてもらえるものがあると思います。

(C)ヤマシタトモコ/リブレ・さんかく窓プロジェクト
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