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音楽

東山奈央さん“自身初”の試みが多数詰まった新シングル『冷めない魔法』発売記念インタビュー

声優・歌手の東山奈央さんが、11月3日にニューシングル『冷めない魔法』を発売した。このシングルの表題曲「冷めない魔法」は、現在放送中のテレビアニメ『異世界食堂2』のエンディングテーマ。

今回発売されたシングルは、「通常盤(CD)」の他に「初回限定盤(CD+BD)」と「DVD付スペシャルアニメ盤(CD+DVD)」の全3形態を用意。それぞれ異なるジャケットと、通常盤以外はバラエティ豊かな特典も付属する。

今回はリリースを記念して、東山奈央さんにインタビューを行った。楽曲に込めた想いや作詞作曲の秘訣など、たっぷり語っていただきました。

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EDテーマなのにカントリー調が珍しい「冷めない魔法」

――『冷めない魔法』発売おめでとうございます! さっそくですが表題曲「冷めない魔法」の紹介をお願いします。

東山奈央さん(以下、東山):「冷めない魔法」は絶賛放送中の『異世界食堂2』のエンディングテーマ曲です。エンディング曲と聞くとバラードのイメージがあると思いますが、「冷めない魔法」はとても明るくて、曲調はカントリー調のルンルンしたサウンドになっています。アニメのエンディング映像と組み合わさることで、さらに輝く楽曲です。

――いい意味でEDらしくない、明るい曲ですね。

東山:アニメの舞台「洋食のねこや」の看板ネコちゃんがぴょーんとお散歩に飛び出すアニメーションが、楽曲のイメージとマッチしています。最初に聴いたときは、かわいいサウンドだと思ったんです。でも……よく聴き込んでいくうちに「実はエモい曲なのでは?」と思えてきたんですよね。

――聴き込むとエモい?

東山:そうなんです。フルコーラスで聴いていただくとわかっていただけると思うのですが、曲の構成がスタンダードなものとは違って、“大団円”という言葉が似合う構成なんです。どんどん盛り上がっていくのだけれど、がむしゃらに盛り上がっていくわけではなくて。食卓にたくさんの笑顔が溢れていて、美味しい食べ物で全員が多幸感に包まれているような、そんなイメージが伝わってくる楽曲になっています

――カントリー調のエンディングテーマは、おもしろいと感じました。

東山:カントリー調だから、曲から温もりが伝わってくるというか、村でみんなが踊っているような、そういうハッピーな絵が見えてくるんですよね。

――飛躍すぎるかもしれませんが、東山さんがライブでどのようなステージを見せてくれるか、とても楽しみなファンも多いと思える曲です。

東山:そう思っていただけると嬉しいですね。きっといつかお見せできると思います。セットリストのどの辺りに入れようか、とても迷っちゃう曲です(笑)。「冷めない魔法」はオールマイティーな曲だと思うので、ライブごとにいろんな表情を見せられる楽曲に育ってくれたらいいなと、思っています。

――では、ファンのみなさんは事前にカラオケで練習しておかなければなりませんね!

東山:ここでひとつ、私からカラオケで歌うときの注意点と言いますか、ワンポイントを!! 実はこの曲、とても難易度が高いです。

――東山さんご本人から、カラオケで歌うときのコツですか。ぜひお願いします。

東山:とってもかわいらしい雰囲気で軽やかなイメージのある楽曲ですが、実際に歌うと男性・女性問わず、どのキーで歌ったらいいのかわからなくなっちゃうと思います。と言うのも、Bメロはすごく低いのに、サビは裏声を使うくらいの高さ。私自身も音源を初めて聴かせていただいたときに、「さて……どこで歌おうか。上にも下にも逃げられないぞ……」と悩みました(笑)。

――素人泣かせな曲なのですね。

東山:プロ泣かせでもあります(笑)。ただ、この楽曲はメロディーラインが黄金比で作られていて、ひとつひとつが耳に残るすごく素敵な曲なんです。なので思わず口ずさみたくなっちゃうんじゃないかなって。作詞作曲を担当してくださったのは、シンガーソングライターのRIRIKOさんです。ご自身が歌のプロフェッショナルなので、もっとも気持ちのいい、キャッチーなメロディーラインを提供してくださったと思うんです。でも、一旦私の手元に来てしまったら、「キャッチーだけど、これは難しいぞ」と(笑)。

――本当に「プロ泣かせ」ですね。

東山:とはいえ、伸び伸びと楽しく歌っていただくのが、一番のポイントになると思います!そうすれば音域の広さも忘れて、曲の世界に入り込んでいけるはず。この素敵なメロディーを歌ってみたい!とみなさんにも思っていただけたら嬉しいですね。
そしてもうひとつ、YouTubeで公開させていただいているMV(ミュージックビデオ)の撮影も頑張りました!

カメラを止めないワンショット撮影MVの裏話

――拝見させていただきましたが、これはぜひ見ていただきたい! 撮影は大変だったのでは?

東山:大変なところとスムーズなところがあって、きっと私よりもスタッフさんが大変だったと思います。

――ずっとカメラを止めない、ワンショット撮影が行われていました。

東山:途中で衣装をチェンジするときにカメラを一度止めていますが、それ以外はずっとワンショット撮影です。アニメ『異世界食堂2』のイメージに合わせて、いろいろな国籍と年齢の役者さんに登場していただきました。いつも私のライブを一緒に作ってくださっている「無限ダンサーズ」のみんなも出演します。そして、なんと作詞作曲を担当してくださったRIRIKOさんもサプライズゲストとして出てくださいました!

――誰が見ても、このMVの撮影は大変だったと思うはずです。苦労したポイントは?

東山:やはりカメラマンさんが一番大変だったと思います。ずっと後ろに進みながら、いろいろな方向にカメラを振って撮影してくださいました。

――何テイク撮影しましたか?

東山:前半は順調で、4テイクくらいで撮れました。ですが後半は、いろいろな部屋の備品や照明のポールが映っちゃったりして大変でした。みなさんがご覧いただいているMVは、唯一何の機材も映り込まなかった奇跡のワンテイクを使っています(笑)。

――東山さんの活動は毎回チャレンジングで、見ていて飽きない楽しさがあると思います。

東山:ありがとうございます。でも、最初にワンショット撮影をすると言われたときは、ちょっとプレッシャーを感じたのはあります。普段だったらちょっとミスをしてもやり直しができますが、今回はこれだけのエキストラさんがいらっしゃるのに、私がちょっと歌詞を間違えてリテイクなんてことになったら……いたたまれません!

――撮影の現場は緊張感たっぷりでしたか?

東山:いや、それが意外に思われるかもしれませんが、和気あいあいとしていました。外国のエキストラさんと身振り手振りでコミュニケーションをとったりしてました。お互いに分かる英語と日本語で「Where are you from?」とか聞いたり、「When did you come?」、「ハントシ マエ デース」とか会話したり。撮影現場は、本当に「洋食のねこや」のような雰囲気でした。

――緊張と緩和がある現場は、とてもいいと思います。

東山:満足のいくテイクが撮影できた瞬間は、まるで文化祭が終わったときのような雰囲気でした。みんなで「やったー!」って盛り上がりました。とても楽しい撮影だったので、私個人はワンショット撮影をまたやってみたいと思っています。大変さもありましたけど、他にもっと大変な撮影もあったので、それに比べたら全然です!(笑)

――ちなみに、もっとも苦労した撮影は?

東山:「灯火のまにまに」です!(笑) 雪の残る冬のお寺で、ぴゅーぴゅーと風が吹く極寒のなかでの撮影。しかも着物だったので、もう風通しがよくてよくて!

一同:(笑)

東山:でもそれも貴重な経験でしたし、今では楽しい笑い話です。とにかく今回の「冷めない魔法」のワンショット映像も気合が入っていますので、ひとりでも多くの方に観ていただきたいです。

作曲家・渡辺翔さんが初めて東山ソロ曲を提供!

――カップリング曲「ワゴン」の曲紹介をお願いします。

東山:すべての形態に入っている曲「ワゴン」は、いままで「ニセコイ」のキャラクターソングなどでたくさんお世話になっていた渡辺翔さんに、初めてソロ活動での楽曲を書いていただきました。翔さんはさまざまなジャンルの音楽を手掛けられる方なのでどんな楽曲をお願いをしようか悩んだのですが、翔さんが所属しているバンド「sajou no hana」さんがやっていらっしゃるような、お洒落でかっこいいバンドサウンドのような方向性でオファーをさせていただきました。なのでライブでも盛り上がりそうです。

――盛り上がっている様子が、すでに目に浮かびます!

東山:ありがとうございます! 私の印象は、疾走感がありつつも、大人っぽいロック、といった感じでした。コード進行にもひとクセあって「乗りこなすのがたいへんな曲かな?」と思ったけど、とても歌いやすかったです。自分でできあがりを聴いても、まるで自分じゃないみたいな気持ちになりました。

――レコーディングはスムーズでしたか?

東山:ディレクターさんから、「ソロ歌手ではなく、バンドのフロントマンのような意識で歌ってほしい」と言われました。いままでやったことのないアプローチでした。ぐいぐい行く感じだったり、ぶつかって語りかけるような感じは経験したことのない歌い方だったので、とても新鮮でした。私の新しい引き出しを開けてくれたような感覚です。

――東山さんが表現する「バンドのフロントマン」は、新しいですね。

東山:レコーディングのディレクションは、いつも担当してくださってる内田ディレクターと翔さんのふたりが行ってくださいました。これによって、レコーディングが豊かになったというか、プロフェッショナルな意見が何重にも重なって、いろんな気付きをいただけて貴重な時間でした。

――いろんな気づきとは?

東山:例えば楽曲に出てくる主人公の気持ちについてなどです。この曲には、いろいろなものを手にして、どんどん前に突き進んでいこう!というメッセージが込められているのですが「あれもこれも欲しいな~」という無邪気な感じよりも、もっと強い意志を持って、いい意味でしたたかな部分を出していこう、という方向性になったんです。でも「その欲張りな感じが悪く見えてほしくないよね」「どういう表情で歌っていったらいいかな」ということを、内田ディレクターと翔さんと私がディスカッションを重ねながら、曲の人物像を作っていくイメージでした。

――スタジオで完成していく感じですね

東山:完全にそうでした。なので、事前に家で練習していたものと、まったく異なる楽曲になりました。何と言いますか……「総合芸術としての東山奈央」みたいな曲になったと思います。

――そのようなレコーディングは珍しいですか?

東山:もちろん、すべての曲がみなさんの総合芸術で成り立っているとは思います。ですが、この楽曲「ワゴン」に関しては、私から提案することがあったとしても、そんな意見がちっぽけに感じるくらい、みなさんのアシストがあって、やっと手が届いた表現だったと思います。

――まさに「東山奈央の総合芸術」ですね。

東山:また、楽器のみなさんもすばらしくて、とても嬉しかったです。例えば、ドラムだと人間業とは思えないプレイをしてくださっていて。さらに、鍵盤はバンドサウンドにもかかわらずキーボードではなく、グランドピアノを使ってくださっています。

――生で録られたグランドピアノの音は一般的なキーボードやピアノの音と異なりますか?

東山:違いますね! 私なんかだと、まだまだ音楽面の知識は足りないところがあると思っているのですが、そんな私でも聴いただけでグランドピアノの品の良さといいますか、音の違いを感じられました。

――それは聴きどころのひとつですね。

東山:この記事を読んでくださった方は「グランドピアノの音なんだ」と思いながら耳を澄ましていただけると嬉しいです。でも、きっと情報を得ないで聴いた方も、「このピアノはなにか違うな……」と肌感覚でわかると思います。こういう細かい音楽のこだわりは、やはりずっと音楽一筋のフライングドッグさんだなと思いました。本気具合がハンパない! シングルのカップリング曲もゼッタイに手を抜かない、やっぱり「音楽オタク集団」と感じました。

一同:(笑)

看板に偽りナシ! 大切に作詞作曲を行った「大切のつくりかた」

――東山さん自身が作詞作曲をした「大切のつくりかた」の曲紹介をお願いします。

東山:「大切のつくりかた」は、「DVD付スペシャルアニメ盤」に収録される曲です。私が作詞作曲をさせていただいて、編曲は扇谷研人さんにお願いしました。

――東山さんご自身の作詞作曲は何曲目ですか?

東山:ありがたいことに、7曲目になります。歌手活動を始めたときは自分が作詞をするなんて思ってもいませんでした。ましてや作曲をするなんて……って感じだったのですが。7曲も作らせていただいていると、作詞作曲をすることに驚きもないといいますか……。

――そんなことはないと思います!

東山:私としてはとても大きい出来事なのですが、世間的にはそれほど驚くことでもない? みたいな。「みんなもっと驚いて! これはすごいことなんだよ!」って言いたい(笑)。

――しっかり書かせていただきます。

東山:作詞作曲をやらせていただくたびに実感しているのですが、作ろうと思って作れる職業作家の人はすごいなって。決められた期日までに作り上げるわけじゃないですか? 私の場合は義務ではないので、いいものが生まれたときに皆さんにお届けしようってなるので。

――ですが、いいものが生まれたときに使われることは、いいことだと思います

東山:作詞作曲中の私の心は自由だし、とことん時間をかけて作り込ませていただけるので、とても恵まれていると思います。いままで私が作詞作曲した曲はアルバムに収録されていましたが、シングルに入るのは初めてのことですね。

――いままではアルバムだったのですね。

東山:シングルの貴重な4枠しかないなかに、私の曲を入れていただけるのは、すごく光栄なことだと思います。

――作詞作曲は苦労しましたか?

東山:いままでの作詞曲は、そのとき私が伝えたいメッセージや世の中の動きに対する想いなど、自分の内側から出てくる楽曲でした。ですが、「大切のつくりかた」は『異世界食堂』をモチーフに作りました。自分の外側にテーマを持って作った楽曲というところも、新しい挑戦になっています。

――それでは、いままでと作り方も異なったのでは? どのように作詞作曲を行いましたか?

東山:変な話に聞こえるかもしれませんが、いつも作っている過程をあまり思い出せないんです。確か初めにサビだけできたんです。歌詞とメロディーが浮かびました。そこからAメロ、Bメロと肉付けをしていきました。たぶんエレクトーンの前に座って、何度も鍵盤を叩きながら「これだ!」という音を探す作業を続けていたと思います。

――実際に弾きながら?

東山:たぶんそうだと思います。自分で曲を作るときは、すべてのメロディーに理由があるんです。ビビッとくるまで、夜の3~4時まで弾き続けていました。なので、完成したときは明確に終わります。グッときたらおしまい! グッと来なかったら一週間くらい寝かせて、また再開! そんな感じです。私の場合はこうやって作ると、煮詰まっていたのにすんなり進むことも多いんです。だからどうしても時間がかかっちゃうんです。

――作詞で苦労した点はありますか?

東山:今回はあまりテーマを広げたくなくて、いままでは「夢」とか「虹」とか、両手を広げても抱えきれないくらい大きなテーマで歌っていましたが、今回は「ひとつの部屋」とか「食卓」とか、小さな世界観にしたかったんです。『異世界食堂』にはいろいろなキャラクターが出てきます。そして、この曲を聴いてくださる方も様々だと思います。そんなみなさんに、それぞれの“食卓”を思い浮かべてもらうために、「主語に君や僕を入れない」というルールを決めました。2ndアルバムの表題曲「群青インフィニティ」は主語をいっぱい入れてましたが、主語がひとつも入っていない曲は初めてなんじゃないかな。

――ルールを決めて制限をかけているのはおもしろいです。

東山:わざわざルールを課そうと思っているわけじゃなく、自分が表現したいと思うものを、どうやったら表現できるかなと考えた結果、今回はこういうルールが出てきただけなんです。でも、それが私を苦しめる……。「あぁぁぁ! この二文字に“キミ”って入れたいぃぃ!」とか悩みながら作りました。

一同:(笑)

東山:そんな状況で作っていた曲なので、作詞が終わったのはレコーディングの3日前でした。

――スタッフさんはヒヤヒヤだったのでは?(笑)

東山:過去にはレコーディングしながら歌詞を作ったことがありますから、それを思えば「まだまだ余裕だぜ!」って感じでした(笑)。ずっと納得のいく歌詞が出てこなくて、「仮で置いているこの歌詞が最適解なのかな」と思った時期もありました。でも、そこから粘り続けていたら、3日前に出てきました。作詞作曲は特に粘り勝ちみたいなところがあって
、もう出てこないだろう、でもちょっとモヤモヤするんだよな……と思い続けていると、ちゃんと芸術の神様がご褒美をくださるんです。

――いいお話です!

東山:芸術の神様は「よく諦めずにがんばりましたね。そんなあなたには、いいアイデアをプレゼントするよ」とご褒美をくれます。そのおかげでいままで、モヤモヤしたまま本番を迎えたことは一度もありません。ちゃんと「ハッ! これだ!」と思える瞬間があるんです。その経験があるから、いつも本番ギリギリまで諦めずに作り続けられます。作詞作曲は苦しいのですが、そのひらめきがあるからやめられないんですよね。すっごく気持ちよくて!

――最後の最後にできたフレーズはどこですか?

東山:「地平の先に明日を眺めて」です。

――この歌詞は、どのように作りましたか?

東山:私の場合、本やインターネットなど、いろんな言葉の海をひたすら泳ぐんです。たくさん言葉の海を泳いで泳いで、自分の語彙をつついてつついて、なにかの拍子に「ハッ」と思いつくんです。ここの歌詞は夕暮れの情景を描きたかったのですが、そのまま「夕日」という単語を使わなくても夕焼けのイメージを浮かべてほしかったんです。別の言葉で情景を表現できないかなぁと、ずっと考えてました。このことを編曲を担当してくださった扇谷研人さんにお話したら、「いいアプローチだね」と言ってくださいました。

――編曲の扇谷研人さんは、どのような編曲をしてくださいましたか?

東山:すばらしいアレンジをしてくださり、また演奏家の皆さんを集めてくださり、本当に感謝しています。この曲はひとことで表すのが難しいんです。曲調は渋谷系でもなければジャズでもないし、ソウル系でもない。

――おしゃれな曲だと思いました。

東山:そうなんですよね。でもおしゃれすぎてしまうと、この曲で表現したいまっすぐなメッセージ性が届きづらくなってしまってしまうので、素朴さのバランスも大事で。ミドルテンポで、温もりのある楽曲なんですよね。ドラムの刻み方ひとつ、ほんの一音違うだけで印象が変わってしまう繊細さがあったんです。これらの調整は、扇谷さんが細やかに行ってくださいました。

――東山さんからは、どのような意見を提示しましたか?

東山:アレンジ音源をいただいたときに「完璧!」と思ったのですが、聴き込んでいくうちに「ちょっとリズムが重たく感じる気がする」と。初めはもっとグルービーな感じだったんです。でもみなさんが繰り返し聴きたくなるようなポップさを残したかったので、あまりリズムに重心を残さないようにして、歌詞が乗ったときメッセージ性が強くなりすぎないようにしたいと思ったんです。「もう少しドラムを刻めば軽やかになる気がする」とご相談したら、ものすごく細やかに調整してくださいました。

――扇谷さんの反応はいかがでしたか?

東山:「一音足しただけだけど、どう?」と修正された曲を聴いて、「これです!」と即答しました。扇谷さんはすべてが神プレイで、「大切のつくりかた」の完成度を150%に引き上げてくださいました。音色のセレクトも素晴らしいんです。いままでもオケのレコーディング風景を見学させていただいたことはありますが、「こんなにも小さなど真ん中を目がけて調整していただいたことはあったかな?」と思えるくらい、すべて細かくチェックしてくださいました。それだけで泣けちゃうくらい嬉しかったですし、扇谷さんの温もりは、確かにこの楽曲に込められています。

――音色のセレクトは特徴的でしたか?

東山:パーカッションもギターもとっても素敵で印象深いのですが、その中でも私は「フリューゲルホルン」という楽器を初めて知りました。ルイスさんという国内有数のフリューゲルホルン奏者の方に参加していただきました。

――フリューゲルホルンは、どのような楽器ですか?

東山:ホーンなので管楽器なのですが、どう表現したらいいんだろう……。トランペットと共通点が多い楽器で、豊かな音色が特徴みたいです。管楽器は華やかで張りのいい楽器だと思うのですが、フリューゲルホルンは、とにかく優しいんです。「パーン」じゃなくて「パァン」という感じです。

――残念ですが、文字にしたら違いが伝わりませんね(笑)。でも楽曲を聴いたらわかりますか?

東山:すぐにわかると思います。あとは打楽器のコンガも素晴らしくて。奏者は福長雅夫さんで、ニックネーム「ふくちょー」さんです。ふくちょーさんはコンガ・ボンゴとウインドチャイムだけの予定だったのに、「いくつか試したい楽器があるので持ってきました。一回試してもいいですか?」と! まさかの楽器持参で参加してくださいました。しかも、それが本当にすばらしくて即採用決定でした。

――ミュージシャンが依頼していない楽器を持ってくるなんて、ありえるんですね

東山:仕事をこなすだけではなく、ひとつひとつの曲を芸術として捉えて、アーティストとしてプラスアルファの演奏をしてくださったように感じました。作曲した私もまったくイメージしてなかったですし、扇谷さんの神がかったアレンジに加えて、さらに新しいアイデアを持ってきてくださったことに鳥肌が立ちました。私がお話ししていなかったような曲のイメージまで感じ取ってくださって、4つの楽器で見事な“異世界感”を演出してくださって感謝しています。

――楽器を4種類も持ってきてくださったんですか!?

東山:どれも見たことのない楽器ばかりでした。円盤が重なっている楽器(フィンガーシンバルツリー)や、棒に鈴がいっぱいついている楽器(スレイベル)、ほかにもピンが何本も吊り下げられたピンチャイムという楽器など。後悔しているのですが、メイキング用に動画カメラを回しておけばよかったなぁ~って。私はあまりに感動しすぎて、カメラを回すのを忘れて聴き惚れていました。

男性ボーカリストが参加した「シアワセリクエスト」

――「シアワセリクエスト」の曲紹介をお願いします。

東山:「通常盤」と「初回限定盤」に収録されている曲で、恋人同士の生活を切り取ったような歌ですね。いままでも恋愛の曲は歌わせていただいていますが、片想いだったり付き合っていても距離がぎこちなかったり、ドキドキするような曲が多かったです。でも、「シアワセリクエスト」は付き合って年月も経っている落ち着いた二人、みたいな安心感のある二人を歌った曲です。いまの私の年齢で歌うのにちょうどよいかな~という曲です。

――歌詞で好きな部分はどこですか?

東山:私が好きなのは、「趣味も嗜好も違う でも無理に合わせはしない だけどねそれでも笑顔になるの」の部分です。肩の力が抜けてて、お互いダメなところもあって、全部が全部完璧じゃないけど、この二人じゃなきゃダメなんだよね、という感じが伝わってきます。今回は男性ボーカルの方に入っていただきました。

――それは珍しいですね!

東山:仮歌の段階で男性ボーカルが入っていて、それがレトロでおしゃれな雰囲気をかもし出していて、とても好きだったんです。最初は私の声のオクターブを下げてユニゾンとして歌う案もありましたが、今回は仮歌の雰囲気を損なわないよう男性ボーカルに歌って欲しいと提案しました。

――参加してくださった方はどなたですか?

東山:私と同じく、内田ディレクターが担当しているボーカリストの「りぶ」さんです。お忙しい方ですが、内田ファミリーということでオファーさせていただいたところ、なんとご快諾いただけました! りぶさんの優しい歌声がとても魅力的なスパイスになっていますので、ぜひじっくり聴いていただきたいです。

今回のシングルは特典まで豪華でスゴい!!

――今回のシングルは、初回限定盤とDVD付スペシャルアニメ盤、両方に異なる特典がつきますね。

東山:初回限定盤には『「おうちでなおぼう!みんなでoff会」ライブ映像』がついてきます。こちらは6月13日にYouTubeに生ライブをやらせていただいたのですが、その映像がまるまる入ります。しかも、未公開映像もついちゃいます! ライブの定番曲、「さよならモラトリアム」と「君の笑顔に恋してる」です。

――そしてもうひとつ、「DVD付スペシャルアニメ盤」は?

東山:タイトルが長いのですが、『東山奈央 スペシャルバラエティ番組 なおぼうの夏休み with ゆみりと種さん』が付きます。過去に配信した、私がただただ夏休みを謳歌するという……お仕事かどうかも不明なくらい楽しんだバラエティ番組です。生配信をさせていただいた番組をそのまま収録して、さらに未公開映像も入れてます。

――またしても未公開映像!

東山:バラエティ番組本編では、ゆみり(花守ゆみりさん)とはホラーゲームをプレイして、種﨑敦美さんとは学力テストをやりました。どちらも阿鼻叫喚の企画になっています(笑)そして未公開映像では、ゆみりとお酒を飲みながらしっぽりトーク、種さんとは本編でやり尽くせなかった残りの答え合わせをやっています。

――特典だけで商品になりそうですね(笑)。

東山:私が言ってしまったら身も蓋もありませんが、とてもお買い得なシングルだと思います(笑)。で・す・が! 主役は楽曲ですからお忘れなく!! 皆さんに楽しんでいただけるように、じっくり考えながら作ったニューシングルです。“冷めない魔法”でおもてなしをしたいと思っていますので、手にとってくださると嬉しいです。隅から隅まで味わってください!

[取材・文:佐藤ポン]

CD情報

発売日:発売中
価格:初回限定盤……3,300円(税込)、DVD付スペシャルアニメ盤……2,200円(税込)、通常盤……1,430円(税込)

≪収録内容≫
【CD】
01. 冷めない魔法 (作詞/作曲:RIRIKO 編曲:中土智博)
02. ワゴン (作詞/作曲:渡辺翔 編曲:eba)
03. シアワセリクエスト (作詞:矢吹香那 作曲:前口ワタル / 矢吹香那 編曲:前口ワタル)
04. 冷めない魔法 Instrumental ver.
05. ワゴン Instrumental ver.
06. シアワセリクエスト Instrumental ver.

【Blu-ray】(初回限定盤のみ)
・『ミニアルバムリリース記念YouTubeライブ「おうちでなおぼう!みんなでoff会」ライブ映像』
・off会未公開映像「さよならモラトリアム」「君の笑顔に恋してる」

【DVD】(DVD付スペシャルアニメ盤のみ)
・『東山奈央 スペシャルバラエティ番組 なおぼうの夏休み with ゆみりと種さん』
出演者:東山奈央・花守ゆみり・種﨑敦美
・『なおぼうの夏休み with ゆみりと種さん』撮り下ろし未公開映像

特典情報

初回限定盤
・アニメイト特典

缶バッジ(56mm)

缶バッジ(56mm)

L判ブロマイド(複製サイン&コメントA入り)

L判ブロマイド(複製サイン&コメントA入り)

・メーカー特典
両面クリアファイル(連動購入)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
【対象商品】
【主題歌】TV 異世界食堂2 OP「おんなじキモチ。」/安野希世乃 初回限定盤
【主題歌】TV 異世界食堂2 ED「冷めない魔法」/東山奈央 初回限定盤
※上記2タイトルを連動でご購入された方が対象になります。
※いずれも初回限定盤のみが対象となります。
※安野希世乃&東山奈央のW絵柄となります。

プレミアムキャンペーン応募券(シリアルNo付)(初回)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※初回仕様がなくなり次第終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※発売日が異なる商品やお取り寄せ商品とまとめ注文されると、出荷時点で初回仕様および初回特典をご用意することができない場合があります。ご注意ください。

DVD付スペシャルアニメ盤
・アニメイト特典

L判ブロマイド(DVD付スペシャルアニメ盤ジャケットイラスト)

L判ブロマイド(DVD付スペシャルアニメ盤ジャケットイラスト)

・メーカー特典
プレミアムキャンペーン応募券(シリアルNo付)(初回)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※初回仕様がなくなり次第終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※発売日が異なる商品やお取り寄せ商品とまとめ注文されると、出荷時点で初回仕様および初回特典をご用意することができない場合があります。ご注意ください。

通常盤
・アニメイト特典

L判ブロマイド(複製サイン&コメントB入り)

L判ブロマイド(複製サイン&コメントB入り)

・メーカー特典
プレミアムキャンペーン応募券(シリアルNo付)(初回)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※初回仕様がなくなり次第終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※発売日が異なる商品やお取り寄せ商品とまとめ注文されると、出荷時点で初回仕様および初回特典をご用意することができない場合があります。ご注意ください。

東山奈央オフィシャルサイト
東山奈央 オフィシャルTwitter(@naobou_official)

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