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『ARIA The BENEDIZIONE』佐藤順一総監督インタビュー

『ARIA The BENEDIZIONE』佐藤順一総監督インタビュー|『ARIA』はいろいろな奇跡が起こる、だから『ARIA』だったらやりたい

テレビアニメ放映から10年目を記念してスタートした“蒼のカーテンコール”の最終章『ARIA The BENEDIZIONE』が12月3日より全国劇場にて公開中。

観光都市ネオ・ヴェネツィアを舞台にした、心温まるエピソード満載の『ARIA』シリーズ。『ARIA The AVVENIRE』は個人経営の水先案内店・ARIAカンパニーを、『ARIA The CREPUSCOLO』は新興水先案内店・オレンジぷらねっとを、最後を飾る『ARIA The BENEDIZIONE』は、老舗の大手水先案内店・姫屋を中心としたエピソードとなっている。

その素敵が詰まった物語について、佐藤順一総監督にたっぷりと語ってもらった。

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キャストへ対するディレクションはほぼなし? アフレコでは最初の観客のつもりで……

ーー蒼のカーテンコール最終章を作り終えての率直な気持ちをお聞かせください。

佐藤:『ARIA』はもはや平常心なんです。いつもの空気感過ぎるというか。

今回は『ARIA The CREPUSCOLO』に引き続き、監督が名取(孝浩)くんで、脚本を名取くんに渡してというやり方で、60分の本作をやり切ったんですけど、実際に終わった瞬間、達成感よりも、またARIAの空気感に行けたなという気持ちのほうが強かったですね。その気持ちにさせてくれる『ARIA』という作品は本当にすごいんだなと今、改めて感じています。

よく冗談交じりで、「『ARIA』はいろいろな奇跡が起こる」と話すんですけど、実際にそうなんです。最近ファンになってくれた方たちも、ずっと前から好きだったんじゃないかと思うほど『ARIA』を好きになってくれているんですよね。それは作る側も同じで、「『ARIA』だったらやりたい」と言ってくれる人が多くいました。これが『ARIA』という作品が持つ力なんだろうなと思ったし、だからこそ長い間続いてきたのだと思います。

ーー脚本作業について、前回に引き続き原作の天野こずえ先生から原案が来てから作っていったのでしょうか?

佐藤:そうですね。基本的には、天野先生から案が来ないと手はつけられない環境でした。

天野先生は「先輩視点の後輩の話をやる」とおっしゃっていて、「ARIA The AVVENIRE」はARIAカンパニーだったので、オレンジぷらねっとに続き、あとは姫屋でやるんだろうなと思っていましたけど、具体的な内容は前作同様まったくわからなかったです。

『ARIA The CREPUSCOLO』のネームを見た時は「……なんかみんなで歌っていますけど」って思い、今回も「昇格試験をちゃんとやるんだ!」と(笑)。天野先生から上がってくるネームで初めて(物語を)知るので、毎回ワクワクとドキドキ、そしてハラハラしながら待っています。

ーースタッフやキャストも、作品に関わってから長い月日が経っていますが、成長なども感じていますか?

佐藤:スタッフで言うと、最初に演出助手だった名取くんが監督になったことを思うと、『ARIA』シリーズは彼の成長の軌跡でもあると思います。名取くんに任せておけば『ARIA』はとりあえず大丈夫というところまできて、Mr.ARIAになってくれたことは大きいです。

キャストに関してだと、水無灯里役の葉月絵理乃さんをオーディションに呼んだのは、当時の彼女の個人サイトが水をイメージしたもので、そのサイトが穏やかで不思議な雰囲気で、どこか夢見るような感じがあったからなんです。演じてもらうキャラクターに近い人という視点で選んでいたので、キャラクターになるのに時間もかかりませんでしたね。今では、彼女たちは特に深く考えずとも、ふわっとその人になりきることができていると思うんですよね。

だから今回のアフレコも細かく指示することがほとんどなくて、マイクテストしたらもう本番にいけるような感じだったんです。

ーー藍華役の斎藤千和さんも「すんなり藍華をやって出てきた感じで、正直なところ『あれ? 大丈夫だった?』という気持ちで終わった」とおっしゃっていました。ただ映像を観たら、最善のことをしていて満たされたアフレコだったそうですが。

佐藤:アフレコでは一応ディレクターとしているんですけど、気付いたら最初の観客になっているんです。だからセリフを間違えない限りは、「ええシーンやな~」って見ている感じなんですよね(笑)。

ただ、全員で収録せず、最近は分散収録で、自分のシーンだけを抜き出して録る形になので、全体の流れを掴みにくいところはあるんですよね。こちらとしては晃と藍華がそこに存在している感じだったので、直しもなかったですが、キャストの皆さんとしては手応えのなさたるや!と思ったんじゃないですかね。でも、こちらとしては直すところがないんですよ(笑)。

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