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秋アニメ『海賊王女』フェナ役・瀬戸麻沙美インタビュー

クライマックス直前! しかし、これからが真実への本番──秋アニメ『海賊王女』フェナ役の瀬戸麻沙美さんがこれまでの旅路を振る【声優インタビュー】

18世紀×王女×侍×海賊。異色の世界観の中繰り広げられる冒険活劇。オリジナルアニメーション『海賊王女』が面白い! フェナ・ハウトマンと代々ハウトマン家を護ってきた真田家の雪丸たちの物語は、毎週ハラハラドキドキの展開で、その圧倒的な作画クオリティにも驚かされた。

そんな物語もついにクライマックスを迎える。フェナ自身に眠っていた言葉〈エデン〉とは何なのか。それがどこにあるのかが明かされる11~12話の放送前に、フェナを演じる瀬戸麻沙美さんに、ここまでの旅路を振り返ってもらった。

雪丸と紫檀、苦労するのはどっち? 印象的&面白かったシーンを聞く

ーー『海賊王女』が第10話まで放送されましたが、ここまでフェナを演じてきて、彼女の変化などは感じましたか?

フェナ役・瀬戸麻沙美さん(以下、瀬戸):アフレコからかなり時間が経っているので、アニメを見ての印象になるのですが、彼女自身はそんなに変わっていなくて。それよりも記憶をだんだん思い出していくにつれて、本人だけど本人じゃないような、自分自身も気づいていなかった部分が出てきたように思います。

特にそれが表れていたのが、第5話で洞窟(※謎の石が採掘された場所「オルレアン」)の中を進んでいくときで、フェナじゃないみたいな感じになるんです。それに雪丸(CV.鈴木崚汰)は気づいているんだけど、普段は明るくてギャグシーンも多い子なのに、急にミステリアスな空気に包まれたりする……そういう自分の使命に気づいたときの表情はあったのかなと思います。

ーーそこでのお芝居は本当にミステリアスで、こちらも見ていてハッとしました。

瀬戸:それは私だけでなく、映像も含めてそういう描き方になっていたからだと思います。私もそこで変に作ったりするよりは、“本人も気付かされていく”みたいな感じで、変に芝居臭くならないようにしたいなぁとは思って演じていました。

ーーディレクションなどはあったのでしょうか?

瀬戸:その話になると、アフレコが遠い昔過ぎて記憶が曖昧なのですが(笑)……全体を通して、監督の中澤一登さんは、大事なことは伝えて、あとは役を任せてくれるような感じで作品作りをする方なんです。なので、フェナに関してはディレクションが少なかったなという印象があります。

ーーフェナのままの声だなとは思って観ていました。

瀬戸:私としては、オーディションでいただいた役だったので、それも嬉しかったですし、映像もある程度できていたのですが、プレスコに近い形というか。「皆さんから良いものが出たら絵を合わせたいです」とおっしゃってくださったんです。すごく演者ファーストで、信じて役を任せていただいていることをスタッフさんから感じていました。

もちろん、それでも守らなければいけない尺の長さはあるので、ぶわーっとしゃべるフェナのセリフを、その中で収めることは少しだけドキドキしました。

与えられた尺の中で、できる限りの彼女の感情の流れを組み立てようと意識しながら家で練習をしていましたけど、ほかはもう自由にというか。収録の前半はコロナになる前だったので、皆さんの掛け合いを聞いてアフレコに臨もう!くらいの気持ちでした。

ーー10話までを振り返り、仲間とのエピソードで印象的だったものはありますか?

瀬戸:フェナを護る立場だからという部分はありますが、みんな気さくに接してくれていたなと思います。第2話で、ゴブリン島(※真田家)に行ったとき、それぞれの持ち場で、仲間として紹介してくれるところにも優しさを感じました。第3話の自由都市バルバラルでは、双子の槐(CV.佐藤元)と楓(CV.逢坂良太)と行動を共にしたんですけど、エデンに繋がる石に似ているものを見つけたときの店主とのやり取りで、いつもはふざけているのに急にキリッと護ってくれたり。しかも店主の機嫌も損ねずに情報を聞き出す一面も見えてカッコいいなと思いました。

あとはフェナが海賊の「ランブルローズ」に誘拐されたあとの紫檀(CV.櫻井孝宏)と紫檀以外のみんなの想いが絡まってしまったところでしょうか。そこでは(フェナを助けに行かないという)紫檀が少数派になってしまうんですけど、みんなが紫檀を見放すわけではないんですよね。

フェナを助けてくれたあと、どう寄り添っていくのかというところで、紫檀にフェナが全力でぶつかっていくところは、紫檀にも刺さっただろうし、それを受け止めてくれる紫檀の性格もいいんですよね。

幼い頃の劣等感というか、どうやっても雪丸には勝てない。でも好きだから雪丸を護りたい……と相手のことを考えられる人だから、フェナのことも一度は遠ざけようとしたけど、結局は仲間を大事に、情を持って接してくれたので、そこは好きなシーンでした(第8話)。

ーーそこの紫檀とフェナのやり取りは感動しました。どんな掛け合いだったのですか?

瀬戸:このシーンは一緒にはできていなかったと思います。ただ、これまで仲間だったところを急に(仲間を破滅に導く)魔女だと疑われたのは、フェナにとっても辛いことだったと思うんです。でも、犬のブルールに居場所を探させて、そこで自分の想いをぶわ~~~って直接言える子なので。たぶんショックは受けているんですけど、落ち込むのではなくどうすればいいかを考えて、描かれていないところで紫檀のことを探し回っていたんじゃないかなとイメージしながら演じていました。

ーー「消えろ」と言われても、想いが伝わるまで伝えるのがフェナの魅力なんだなと思いました。そこでフェナに合わせて相槌を打っているブルールもかわいかったのですが、今度は面白かったシーンなどはありますか?

瀬戸:後半はだんだんシリアスになるので、前半のほうがふざけているんですけど、第2話の縁側に並んでみんなでこびる(朝と昼の間に食べる軽い食事のこと)をするシーンの椿(CV.大須賀純)のブチギレ具合とか、双子の遊んでいるところとかは面白かったです。これはアドリブというか書いてあるセリフの言い方なんですけど、花梨が鍛冶について説明しているのにフェナが話を聞いていないでどこかに行ってしまったときの「どこ行った~」っていうシーンの悠木碧さんのお芝居がすごく良くて! お~そうきたか!と思っていました(笑)。花梨は14歳と若いのに達観していて、でも自分の好きなことには目がないところとかはチャーミングなんですよね!

あとは第3話で、双子とフェナが自由行動したあと、船の上で怒られて海に放り込まれるシーンは面白かったです。基本海で引きになってるシーンはアドリブだったりするんですけど、そこでの「ちょっと、私も?」って言ってフェナが海に投げられるところは印象的でした(笑)。

ただ、アフレコ後半は分散収録になってしまったので、花梨や双子のアドリブを聞けなくなってしまったことは、ちょっと寂しかったですね。

ーーちなみに、先程の雪丸と紫檀の関係性については、瀬戸さんはどう見ていましたか?

瀬戸:とにかく2人とも美形ですね。幼い頃から切磋琢磨してきたからこそ、言葉数が多くなくても繋がっているんでしょうね。そういう関係性もいいんですけど、ふたりの大きな違いは、雪丸は鈍感で紫檀は鋭いところで、そこを補い合っているからバランスはいいんだろうけど、やっぱり紫檀のほうが苦労するのかな?と思います。

(C)Kazuto Nakazawa / Production I.G
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