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春アニメ『群青のファンファーレ』糸川耀士郎(京力秋樹役)インタビュー【連載第3回】

春アニメ『群青のファンファーレ』京力秋樹役:糸川耀士郎さんインタビュー|台本を読む手が止まらなかった。キャラクターそれぞれが抱えている問題や悩みに共感できる【連載3回目】

騎手を目指す少年たちに、心をいっぱい揺さぶられる

ーー糸川さんは、競馬学校についてご存じでしたか?

糸川:存在自体は知っていましたが、どういう生活をしているのかはまったくわかりませんでした。ちょうど偶然、作品に出演することが決まったときにテレビで競馬学校のドキュメンタリーが放送されていて、こういう風に生活しているんだとびっくりした覚えがあります。

スマホも使えないので、決まった時間に設けられている自由時間の間に、大きな共有パソコンでみんなで検索しては知りたいことを調べたりしていて、すごく厳しい世界なんだなと。自分にとっては新しい発見でした。

収録が進む中、騎手たちがいる世界は努力だけでどうにでもなる世界ではないというか、現実的な壁がたくさんあるんだなと思いました。

競馬や騎手に対してまったく触れてこなかったので、武豊さんがニュースで取り上げられているのを見たことがある程度の知識だったんですけど、そこまで上り詰めるためにどれだけたくさんの努力をしてきたんだろうなと思うようになったり、この作品を通していろいろなことを学べたような気がします。

ーー本作では騎手になるまでのリアルな過程が描かれているので、そこも見どころの1つですね。

糸川:はい。感情移入してしまいますし、キャラクター全員が魅力的だからこそ、彼らが壁にぶち当たるたびに「そうなっていくんだ……でも、これが現実なんだな」と心をいっぱい揺さぶられました。

ーー先ほども夢中になって台本を読まれたとおっしゃっていましたが、糸川さん自身胸を打たれたシーンはありましたか?

糸川:僕が1番胸を打たれたシーンは結構ネタバレになるところなので詳しく言えませんが……迅人(CV:豊永利行)のシーンに注目してほしいとお伝えしておきます。

迅人が魅力的な分、切ないシーンが展開されるんです。

ーー仲間との関係性も見どころです。

糸川:秋樹くんは人間関係でいうと、有村優(CV:矢野奨吾)との関係が深く描かれています。そこに注目してほしいですし、自分も演じていてすごく楽しかったです。

最初の頃の優に対する態度と違い、中盤からはいろんなことが紐解かれていって、展開した後では秋樹の優に対する接し方が変わります。

実はここも、結構ディレクションを多くいただいたところです。“中盤からは今までの気持ちとは別にしてもらって”、“ここまで(関係性が)進んできたから、もうちょっと優しくしても良いかもね”と細かくディレクションをいただきました。

逆に、序盤は優に対して“もっと強くても良いよ”、“もっと高圧的に”というディレクションが多くて。全体的に、優と秋樹の関係性に関するディレクションが多かったような気がします。

ーー優と秋樹の関係性は可愛いところがありますよね。

糸川:はい。あと、秋樹くんにはやっぱり“レディーに対してはもうちょっと優しくしよう”と言いたいです。秋樹くんのセリフは基本的に共感できますし、すごく可愛いなって思うんですけど、女の子に対してデリカシーのない部分が出ちゃうところは「おいおい~秋樹くんよ~」と思いました(笑)

一同:(笑)

ーーまっすぐだからこそ、ストレートに言っちゃうのでしょうね。

糸川:そうですね。嘘がないからこその言葉だと思うんですけど、思わずツッコミたくなります。かといって、僕が女性心をすごく理解しているカリスマ要素はまったくありませんが(笑)そんな僕でも“それぐらい分かれよ!”とツッコミたくなる秋樹くんの少年なところも可愛いです。

むしろ、秋樹くんが乙女なのかもしれません(笑) シリアスで真面目なところもあれば、スカした態度を取っていたり面白い部分もあったり。いろんな感情を演じさせてもらって、演じていて楽しいなと思えるキャラクターです。

ーーたくさんのキャラクターが登場しますが、糸川さんが“ここ良いな〜!”と感じたキャラクターはいましたか?

糸川:ニクイな~!と感じたのは、天音・グレイス(CV:花江夏樹)です。プライドが高くて、いろんな世界のことを知っていて、みんなよりも1つ頭が抜けている存在。だからか、高圧的にみんなを見下しているところがあります。

それでいて、実は可愛い一面もあって、そういうギャップがすごく良いな~と思いました。

この作品の面白さって、群像劇であるが故に、キャラクターが抱えている問題やバックボーンが全員濃いところだと思うんです。どのキャラクターを掘り下げてもちゃんとドラマがありますし、そんな彼らが日々深めていく絆も見えてきます。

さらに、現実離れしていないので見ている人が共感できる。本当にリアルな部分を突いているんです。そういうところを全てひっくるめて、台本を読む手が止まらなかったんだろうなと思います。

▲天音・グレイス(CV:花江夏樹)

▲天音・グレイス(CV:花江夏樹)

ーーすごく丁寧に描かれているのだなと糸川さんのお話から感じられます。誰にも分からない展開が楽しめるのもオリジナルアニメならではですね。

糸川:そうですね。競馬は難しい、専門的な知識を知らなければならないと思われがちですが、そんなことはまったくありません。僕もこの作品に携わるまでは競馬の世界をたくさん知っていないと見られない作品なのかなと思っていました。

でも、『群青のファンファーレ』は知識がない方でも気楽に見ることができますし、いろんなキャラクターたちが壁にぶつかるたびに、競馬の世界のリアルをちゃんと説明してくれます。一緒に学んでいけるお話になっているので、そういう意味でどんな方が見ても楽しめる作品です。

すごく感情移入をしちゃうほど魅力的なキャラクターばかりで、楽しいこともあればリアルを突き詰めているからこそ、切なくて悲しいこともあります。やり場のない想いが生まれるのも、すごく作品として面白いところだなと。

スタート地点がバラバラなキャラクターたちが集まりますし、特に秋樹くんは敵意むき出しです。そういうところからどのように仲を深めていくのか、ぜひ注目していただきたいです。

僕自身、完成された作品をまだ見れていませんが、アフレコ現場でも感じられるほどお馬さんの描写がすごく綺麗で繊細で、PVを見てもわかるように画のタッチが映画のような壮大なものになっていると思うので、僕もオンエアを見るのがとても楽しみですし期待しています。

本当に、この作品に携わることができて良かったなと思えるところばかりですし、演じ手がそう思えるということは、見てくださる方々にも絶対に面白いと思っていただける作品になっていると思います。

(C)Fanfare Anime Project
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