声優
『ハコクの剣』神谷浩史&上村祐翔インタビュー

『ハコクの剣』神谷浩史さん、上村祐翔さんが語るリーディングライブの魅力「Kiramune Presents READING LIVEは声優という枠にしばられない、役者の新しいスタンダード」

リーディングライブは、想像力で楽しむコンテンツ

ーーお二人が演じている佐吉というキャラクターのお互いの印象をお聞かせください。

神谷:福井さんから「佐吉は神谷浩史さんで、橘右京は浪川大輔さんをイメージして、キャラクターを書かせていただいています」と言われまして、当て書きのような形で作ってくださっていたんです。とはいえ、それは福井さんが書くにあたって、イメージしやすいのであれば書いていただいて構わないけど、僕は主役をやりたくてこのプロジェクトに参加しているわけではないので、台本が仕上がってきた段階で、僕がやるよりも他の人がやった方が成立しやすいのであれば、佐吉は僕じゃなくてもいいという思いで参加していました。

台本が仕上がってきて、福井さんから「やっぱり佐吉役は、神谷さんが当て書きなので」ということをおっしゃっていただいたので、そこまでおっしゃるのであれば、僕は精いっぱいやるしかないなという気持ちで、やらせていただいていたんですよ。

佐吉役を受け取った時の第一印象としては、これはどちらかというと、Aチームの上村くんがやった方が成立しやすそうな役だなというものでした。A、Bチームを分けた時に、福井さんのイメージから神谷、浪川が決まって、そこからはその対になるキャスティングを考えていき、年齢的なところで分けていくことになりました。そこで他に考えられるキャストの中で、まず佐吉は上村くんと決まっていきました。

なぜかというと、佐吉役は20歳という設定なので若いんです。僕は当時46歳でしたから、倍以上の年齢を重ねていますけど、ただリーディングライブの良いところは、あくまでビジュアルというのは、みなさんの頭の中で、像を結んでいただくための補佐の役割しかしていないので、それと、僕らが紡ぐセリフを頭の中でミックスしていただいて、最高のビジュアルはみなさんの脳の中で補完していただくというところなんです。

リーディングライブというのは、想像力で楽しんでいただくコンテンツなので、あくまで僕らはその補佐ということでしかない。だから、46歳ではあるけれども舞台へ出て行って20歳といえば20歳だし、演出の伊藤マサミくんも「リーディングライブの良いところは、僕は5歳と言ったら、5歳なんだ」と言っているので、年齢的なことは気にしなくていいかなと……。とはいえ、僕はどうしてもセリフの端々に年齢感が滲み出てしまう可能性もあると思ったので、そこはもうテクニックでカバーするしかないなと思っていました。

そういった点では、上村くんが演じていた佐吉はそこに立っているだけで、佐吉に見える。その空気感や彼が一生懸命そこで堂々と生きている様がとても佐吉らしかったので、そこに関しては言うことは何もない。

逆に僕がアプローチした佐吉というのは、だいぶ小賢しい感じ受け止められかねないなと思ったんですけど、どうしても若さを表現していくにあたって、手数を増やしていくしかない。たたずまいを含めて、その場その場で起こっているところで、注目しているところに気持ちを持っていくというのを声だけではなくて、立ち姿としても表現していくということは、意識してアプローチしていましたね。

ーー上村さんはいかがですか。

上村:今、神谷さんがおっしゃっていたとおり、Aチームの佐吉として演じるにあたっては、自分の年齢も近いし、他のキャストのみなさんも、そのキャラクターに合っている年齢感であったり、それぞれの役者個人の関係値としても、けっこう似ている部分があったりするなと感じていました。そういう意味では役作りの点で、すごく苦労したということはなくて、それぞれの関係性がより魅力として繋がっていったのがAチームらしいと思いました。

Aチームは若いので、技術というよりは毎回の公演で培われていく役に対する思い入れや役を通しての感情のぶつかり合いというところをお互いに積み上げて、切磋琢磨していく。もちろん声優という立場で、リーディングライブに参加させていただいてはいるんですけど、声を作るということではなくて、そのキャラクターを通しての思いをみんなでぶつけ合って、最終日まで迎えられたのがAチームだったと思います。

僕としても佐吉を演じるにあたって、自分ができる全力の思いで、自分らしく、その空気感のまま演じていこうと思っていたので、非常にやりやすく、でも思い切りやらせていただきました。僕のそういう取り組みにAチームのみなさんも付いてきてくださり、支えてくださったので、楽しくAチームの公演を迎えられ、どんどんブラッシュアップできたかなと思っております。

Bチームに関しては、僕は全公演が終わってから、落ち着いてBチームを拝見させていただきました。Aチームとは印象が違って、同じ作品、同じ役柄なのに、それぞれの掛け合いのテンポ感や間の細かい部分から受け取れるものも全然違いましたね。

Bチームで佐吉を演じる神谷さんは、アドリブ1つにしてもそうですし、ちょっとした息遣いや戸惑いの表情、そこに乗ってくる声色もグッと引き込まれる見せ方が素晴らしかったです。それはリーディングライブを重ねられているからこそのものであって、映像演出との兼ね合いからも、見ている人の想像力がかき立てられる作品だなと感じました。僕はAチームとして、やるべきことはやれたし、そこに誇りは持っていますけど、A、Bチームそれぞれの良さがあって、これがリーディングライブなんだなと改めて思いました。

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