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映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』神谷浩史(ガンマ1号役)インタビュー

映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』ガンマ1号役・神谷浩史さんインタビュー|僕が一番好きなキャラクターは、ピッコロさんなんです

原作者・鳥山明が描く新しい『ドラゴンボール』で、新しい映像体験!

ーー今作でガンマ1号と2号は「スーパーヒーローだ」と言っていますが、神谷さんにとってヒーローとはどんなものですか。

神谷:ヒーローの定義は難しいですけども、いわゆるヒーローの代名詞であるところの『スーパーマン』(※12)を演じていたクリストファー・リーヴ(※13)が当時言っていることと、彼が病を経てその後に言っていたことが印象に残っています。

「ヒーローとはどのような存在か」と問われた際に『スーパーマン』の映画撮影中は「先のことを考えずに勇気ある行動をとる人のこと」と答えていたんですけど、彼が病を経た後は「どんな障害にあっても努力を惜しまず、耐え抜く強さを身につけていったごく普通の人」と言っていて「なるほどな!」と思いました。

だから、僕もそうあるべきかなと思います。これは正義の味方とは違って、スーパーヒーローというのは正義の味方ではないんですよね。

※12『スーパーマン』:アメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーロー作品。1978年にリチャード・ドナー監督により映画化された。
※13クリストファー・リーヴ:アメリカ合衆国の俳優。『スーパーマン』で主人公のクラーク・ケント(スーパーマン)役に抜擢され、その後に製作された3本の続編にも主演した。1995年にバージニア州シャーロッツヴィルで乗馬競争中に落馬し、脊髄損傷を起こして首から下が麻痺した。

ーー神谷さんがキャラクターを演じる上で、何かルーティンワークはありますか。

神谷:僕はそういうことはあまり考えてこないまま20年ぐらい過ごしてしまって、それがよくないんだなと痛感しているんです。これまでベテランの方が昔と変わらないパフォーマンス、昔よりもパワーアップしているパフォーマンスをずっとし続けていられる理由、原因がわからなかったんですよ。

ベテランの方に「何かやっているんですか?」と聞くと、「何もやってないよ」とみなさんがだいたいおっしゃいます。でも、それをそのまま信じてしまうと、足元すくわれると思ったんです。だから、どんなベテランの方に対しても、しつこく1時間ぐらい「何かやっているんでしょう?」と聞き続けると、「何もやってないよ」と言いながらも「いや、まぁこれはやっているかな」みたいなことだけはおっしゃるんですよね。

でも、それを聞いて「いやいやいや、それは毎日できないですよと……。例えば、マコさんだったら、「何もやってないですよ」と言うけれども、「でも、五十音・あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、たちつてと……ん、まで必ず1日1回は言うかな。それぐらいしかやってないわよ」と言うんですよ。でもそんなこと、できやしないんですよ。では「今日から毎日、五十音を1日1回必ずどこかで発声しなさい」ということを課したとしても、おそらく続かないです。

僕は少なくてもマコさんにその話を聞いて、「あぁ、そうなんだ。じゃあ、毎日それをやればマコさんみたいになれるのかな」と……。少なくともマコさんがやっている以上、そういう人がいる以上、自分もそこに行ける可能性はあるじゃないですか。でも、「そういえば、マコさんそういうふうに言っていたな」とたまには思い出しますけど、毎日やれるかといったら、できないですよね。だから、何か毎日これは必ずやるというルーティンを持っていないと、おそらく続けられないんです。

そこには気づいたんですけど、じゃあ、何をやったら、この先マコさんのように、古川さんのように年を重ねても一流のパフォーマンスを続けられるのかというのは僕にもわからないです。だから、今は毎日これをやっていれば続けられるというものが見つかってはいないですけど、それを模索している最中ですね。

ーーちょっとお話が変わりますが、以前ラジオで神谷さんが目覚まし時計を使わずに起きていると聞きました。それは普段からですか。

神谷:普段からですね。学生の頃から寝坊したことはないです。僕は寝坊して遅刻したという記憶が1回もないので、おそらくないんだと思います。遅刻はありますよ。時間の勘違いをしていたとか、そういったミスですね。だから、寝ていて起きられなくてということは、かつて1回もないです。

目覚まし時計のセットはもちろんしていますけど、目覚ましが鳴るまで寝ているということがほぼないですね。目覚ましが鳴る前に起きて、感覚が冴えている時だと、10分前ぐらいに起きて、目覚ましを鳴らないようにして起きるといった感じですね。鳴るまで寝ているということはあんまりないです。

ーー最後に映画公開を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

神谷:『ドラゴンボール』の新作映画がまもなく上映されます。本来は4月に公開される予定でしたが、サイバー攻撃に遭い、様々な苦難を乗り越えて、ようやく6月に公開されるということを非常に嬉しく思っています。

今作も鳥山明先生が全面的に関わってくださって、新しい『ドラゴンボール』というものをお届けできます。新しい『ドラゴンボール』をお届けするにあたって、今回は新たなスタッフで、新しい映像表現として、今までとは違う表現方法でみなさんに映像体験をお届けできるようになっています。

具体的にどういうことかというと、鳥山先生が表紙にしているようなすごいクオリティーの画がずっと動き続けるということです。このシーンだけすごい作画が良くて、きれいに動いているとかではなく、今回の作品はずっとそのような画が動くようにできているんです。

おそらくアニメーションというものが発展していくと、これがスタンダードになっていくとは思うんですけど、今回の作品はそのエポックな最初の作品なので、その映像体験ができる現在唯一の作品になっています。その最初の映像体験をみなさんぜひ楽しんでいただければと思います。

ーーありがとうございました!

[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]

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スタッフ

原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
監督:児玉徹郎
作画監督:久保田誓
音楽:佐藤直紀
美術監督:須江信人
色彩設計:永井留美子
CGディレクター:鄭載薫

声の出演

野沢雅子
古川登志夫
久川綾
堀川りょう
田中真弓
草尾毅
皆口裕子
入野自由
神谷浩史
宮野真守
ボルケーノ太田
竹内良太

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