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『異世界おじさん』子安武人×戸松遥×悠木碧×豊崎愛生《異世界組》声優座談会

夏アニメ『異世界おじさん』おじさん役 子安武人さん×エルフ役 戸松遥さん×メイベル役 悠木碧さん×アリシア役 豊崎愛生さん、アフレコでされた変わったディレクションとは|《異世界組》声優座談会

異世界側の美女3人をどう演じたのか、そして意外に空いていたポジションとは?

――それぞれ、キャラクターを演じた感想をお聞かせください。

子安:この人たちもおかしいんです! おじさんはいたって真面目で、誤解されるようなことはあるけども、それに振り回される女の子たちが、とにかくオーバーリアクションだし、面白い担当みたいな感じなんですよね。男性陣が面白いところを担当することが多いけど、この作品では女性陣が面白担当なんですよね。

戸松:もう、コントですよね(笑)。エルフは最初に出てきて、おじさんを好きになっちゃうんですけど、おじさんはその気がないじゃないですか。

子安:むしろ、いじめられてると思っているからね。

戸松:そうなんです。そんなおじさんがする行動が逆効果で、エルフはどんどん好きになっていっちゃうみたいな感じだから面白くて。

悠木:おじさんがツンデレが響かない世代の人というのも面白いですよね。

豊崎:ツンデレという言葉が生まれる前の世代の人だから(笑)。

子安:その設定が面白いよね。概念がなければわからないんだっていう。

――おじさんは『新世紀エヴァンゲリオン』のアスカを一応知ってるんですけど、認識が浅すぎてわかっていないっていう。

子安:そうそう。だからおじさんにとって、アスカはツンデレではなかったんだろうね(笑)。

――演じるときはいかがでしたか?

戸松:絵がすごくかわいかったので、「もっとかわいく」と言われることが結構多かったんです。

子安:あれはプレッシャーだった?

戸松:緊張はしました。昨今あまり言われていなかったディレクションなので(笑)。でも本気でかわいく、かわいくやればやるほどおじさんとの温度差があって、それが作品として面白くなるので、全力でかわいくというところは意識していました。

子安:エルフちゃんは、かわいかったですよ。

悠木:あと、結構面倒見がいいんですよね。

戸松:メイベルとのやり取りでも姉さんみたいな感じだったからね。

――ちなみに、戸松さんから見た、子安さん演じるおじさんはいかがでしたか?

戸松:おじさんから毒を吸い出されるシーンがあるんですけど、そのときの音が結構衝撃的で(笑)。おじさんだけ別ブースで録っていたんですけど、イヤホンから聞こえてくる音が汁っぽいというか(笑)。おじさんは純粋に助けようとして、毒を吸い取ってくれていただけなんですけど。

子安:指示が「なるべく汚く汚く」って感じだったんですよ! 何をやるにしても「汚く」と言われるんです(笑)。僕はそんな指示をされたことがないから、どうしたらいいかわからなくて、必死ですよ。

戸松:エルフとおじさんはそういうやり取りが多いから、収録がすごく面白くて(笑)。

豊崎:私、そのシーンはいなかったので、すっごく楽しみ! でもエルフちゃんのかわいいビジュアルにとまっちゃん(※戸松遥さん)の声が入って、おじさんはビジュアルではああいう感じですけど、子安さんの美声が入って、その2人がかわいいと汚いで極端なことをやっているというのが、すごく面白そうです。

――指示通りやっているのだから、仕方ないですね(笑)。

子安:絵的には、獣か何かに襲われているように見えるっていう面白さがあるんだろうけど、自分で言うのもなんですけど、僕の声じゃなければ、あれは放送できませんよ!

一同:(爆笑)

悠木:間違いない!(笑)。

豊崎:絶妙なんでしょうね(笑)。

子安:ビジュアルに合わせた声でやったら放送できないと思う。本当に自分で言うのも何なんですけど、よく僕にしてくれましたって感じ。

悠木:だからおじさんも正体不明の美声YouTuberとしてやっていけば、声で惚れちゃう人がいっぱい出てきちゃうと思う。オーク顔だけど。

戸松:そのやり方もあるね!

豊崎:たかふみに、おじさんで顔を出さないゲーム実況をしたらいいよって言っておきましょう(笑)。

――メイベルのお芝居はどうでしたか?

悠木:最初が、ザ・異世界のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)という感じで始まったんですけど、それも最初の2行くらいで、あとは引きこもりのダメな女になったんですよね……。

子安:自分の役目に意味が(おじさんのせいで)なくなっちゃったからね(笑)。メイベルとしての存在意義を否定されてしまうという。

――シュールで、面白い展開でしたよね。演じる上で意識したことはありましたか?

悠木:今回はご指名いただいていることもあって、視聴者の皆さんがどういう声を想定されているのか、というのを、まずはネット調査するんです。メイベルを調べていくと、かわいいも出てくるんだけど、“ダメ”というのワードも多くて、そこで察するという(笑)。

でも、そのダメさがかわいいというか。おじさんはオタクとして何かを極めているから、異世界でも活躍できるけど、メイベルって何も極めていないままのダメだから、オタクにすらなれていないんですよね。なので今後の彼女に期待!っていう感じです。

子安:慣れるとかわいく感じてくるんですよ。初めは痛い子だと思っていたんだけど、見慣れてくると、こういう子もありだし、かわいく見えてくるんだよね。

悠木:優しい。私も正直、共感できる部分はあったりして、家から出たくないよね! 仕事が決まると嬉しいよね!って気持ちはめちゃめちゃわかりながらやっていました。

豊崎:私、アフレコの中盤から参加したんですけど、最初に「メイベルがヤバいから」って現場のいろいろな方に言われたんですよ。

悠木:ウソ! そんな声、私には届いてない!(笑)。

豊崎:陰口なのかもしれない(笑)。

子安:いや、当然こっちとしては、わかってヤバい感じでやっているものと思っているからさ。

悠木:はい!全力でディレクションに応えたつもりです!

子安:そうそう、言われるもんね(笑)。

悠木:おじさんが「汚く」と言われているのと同じで、「もう溶けて、何言っているかわからなくてもいいです」って指示が出ていたので(笑)。なので、皆さんが楽しんで取り組んでいるのが伝わってくる現場だと思います!

――絵からすると、みんなかわいいと思っていましたけど、意外と面白い指示が出ているし、皆さんヤバそうですね(笑)。

子安:もちろん、基本はかわいいんですよ! 何をやったって、この子たちがやればかわいいですから。

――豊崎さんが演じるアリシアさんは途中から参加になるんですよね。

豊崎:はい! すごく楽しみにしてアフレコに行ったんですけど、みんながヤバいから、思い切りやっちゃっていい現場なんだっていう空気になっていて、楽しくやらせていただきました。

この作品って、ハーレム展開みたいなところがあるじゃないですか。みんな、なんか知らないけどおじさんのことを好きだし(笑)。おじさんはそれに気付いていない中で、アリシアもおじさんに好意や興味を持つ子なんですけど、すでに強烈なヒロインがいるところで、私がどういう役回りをすればいいんだろうと思ったときに、本当にかわいい感じでやろうと思ったんです。

なのでアリシアは、自分が思う正統派なかわいいヒロインを目指してやっているんです。皆さんのはっちゃけっぷりは聞いていたので、アリシアはスタンダードなヒロイン像でいけば、それが個性になると思って。

悠木:超かわいかった!!

豊崎:ただ、おじさんの価値観という意味で、ひと昔前の、レトロなところにツボがある気がしたので、そこに刺さるために、私の中ではちょっとレトロな昭和感のある正統派ヒロインがやれればいいなという気持ちでお芝居をしています。怒るときも「ぷん!ぷん!」みたいな(笑)。それ古くない?って感じの引き出しから持ってきています。

悠木:ウインクするとき星が出るみたいな感じ、わかります(笑)。

豊崎:そうそう。それと異世界でのおじさんの年齢と同じくらいという前情報もあったので。

――いろんなタイプの美女がいるけど、まったくそこになびかないおじさんもすごいです。

子安:自分みたいな人を好きになってくれるわけがないと思っていますからね。そもそも行くところ行くところでひどい目に遭うから人間不信になっているんですよ。かわいい女の子が自分のために何かをしてくれることなんてありえないと思っても、仕方がないことですよね。

悠木:悲しい。でも生き様はカッコいい。

豊崎:ちょっといい感じになってもすぐに記憶を消されてしまうから……。

子安:おじさんは臆病なんですよ。

悠木:私はあとから、豊崎さんの声を聞きながらの収録だったんですけど、アリシアちゃんが出てきたとき、めっちゃかわいい!ってなりました。これが私の聞きたかったアリシアちゃんだって!。本当に魑魅魍魎しかいないから。

豊崎:普通逆なのにね。途中から入っても真ん中っぽいところが空いていたんですよ(笑)。

戸松:灯台下暗し、みたいな。

――ちなみに、日常側をどんな感じに見ていたのですか?

悠木:テレビを見ている人たちを見ている人たち、みたいな感覚でした。あのツッコんじゃう感じ共感できます。

豊崎:たかふみくんも最初に出てきたときはすごく真面目な青年で、常識的な感じだったけど、結構闇があるじゃないですか。

戸松:結構ヤバいね。

豊崎:そうだよね。たかふみのほうがヤバいんじゃないかって私も思った。

子安:そこは満場一致なんですよ。満場一致でクソ野郎なんです。

豊崎:おじさんとの会話から、本当に現実逃避をしたいタイプなんだって、だんだん人間性が伝わってくるのが面白いです。

悠木:人間は見た目じゃないというのを、そこでも教えてくれるんですよね。

 

(C)殆ど死んでいる・KADOKAWA刊/異世界おじさん製作委員会
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