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『アキバ冥途戦争』佐藤利奈&ジェーニャ&ユリン千晶が第7話を振り返る【インタビュー連載第8回】

愛美の参上によりアキバに変化が。惨劇を経て、第7話ではなごみが忍者に……?『アキバ冥途戦争』万年嵐子役・佐藤利奈さん、ゾーヤ役・ジェーニャさん、愛美役・ユリン千晶さんインタビュー【連載第8回】

愛美役のオーディション時は「もっと低く!」

──ユリンさんは連載初登場となるので、オーディションについてのお話もぜひ伺えればと思うのですが、そもそもユリンさんはオーディションを受けられていたんでしょうか?

ユリン:オーディションのお話をいただき、愛美役でテープを送らせてもらったんです。オーディションの台本に「チュキチュキつきちゃん」という言葉があって。長く生きてきましたけど、初めて言った単語でした(笑)。「チュキチュキつきちゃん!?」と。

宣伝P:制作陣の間で「ユリンさんの広島弁が良いよね」という話があって。ユリンさんは低い声の役のイメージがないから、一回テープを送ってもらおうという話になったようですよ。

ユリン:えっ、そうだったんですか!? 嬉しい。

ジェーニャ:私も(オーディションで)テープを送っていたんですよ。ドキドキしながら結果を待っていましたが、後から「最初からジェーニャさんしか考えてなかったです」と言われました。でも私もユリンちゃんと同じ感じで、これまでやったことのない役だったから一回テープを送る形だったのかなと思っています。

佐藤:きっとそのおふたりの意外な感じというか、キャラクターとの化学反応が制作陣の方たちは面白かったのではないでしょうか。

ユリン:役に関しては本当にやったことのないことだらけで、あと自分の交流関係にも参考になるような方がいない!と。

一同:(笑)

ユリン:いつもは何かしら私自身に重なるようなところがあったり、似たような部分を持っている友人や知り合いがいたりしたんですけど、愛美さんはどこにもいないし、私にもない、って(笑)。

──愛美のキャラクターは独特ですものね。

ユリン:愛美さんのキャラ絵を受け取ったとき、「めちゃくちゃ可愛い!」と思っていたんです。だから最初は「可愛い感じのキャラクターなのかな?」と。で、スタジオオーディションに行ったら「もうちょっと低く」「もっと低く」「もっと……」っていうディレクションを受けて、あれ?私の知ってるメイドじゃないかも?って(笑)。

佐藤&ジェーニャ:(笑)

ユリン:普段は3等身キャラクターやナレーションのお仕事をすることが多いので、あのような言葉遣いをすることはなくて(笑)。ただ、台本に書いてある文字にパワーがあったので、その文字に負けないパワーと喋りにしたいなと思っていました。

佐藤:ユリンさんは広島弁のネイティブですものね。実は私も7年位広島に住んでいたんですよ。

ユリン:えっ、そうだったんですか!? わ〜嬉しい!

佐藤:そうなんです。広島に限らず方言は地域によっても微妙に違いがあるじゃないですか。ユリンさんは台本読まれたときにどう思ったのか、聞きたいなって思ってました。

ユリン:私は普段、広島弁の方言指導に入らせていただくこともあるんですが……(佐藤さんは)住んでいらしたのでご存知かもしれないのですが、お年を召した方はそれこそVシネに出てくるような喋り方の方が多いように感じています。逆に若い子は昔ながらのイントネーションとはまた違う印象があって。だから亡くなったおじいちゃんの言葉を頭の中でリフレインしながらアフレコに挑みました。

佐藤:確かに。敬語になっていくとまた標準語に近いこともありますしね。ジェーニャちゃんも、指導に入ることが多いよね。

ジェーニャ:私は裏方としてロシア語の監修・指導をさせていただくことが多くて。日本のアニメのお仕事でロシア語を使う場合は、全部私がやりたいなと思うくらい(笑)。

だから、アフレコでは「お任せでお願いします」と言われることも。ただ、以前のインタビューでも話した通り「日本語が上手すぎます。もっと訛ってください」と言われる機会が多いんです(笑)。第7話はゾーヤがずっと戦闘モードだから「本気でいって!」という感じでしたが、前回(第6話)は特に「ジェーニャさん、日本語が上手すぎます」というディレクションを受けていました(笑)。

佐藤:あはははは、流暢すぎて(笑)。

ジェーニャ:主題歌のレコーディングのときも「本編よりもっと訛ってください。じゃないと目立たないから」って。

──オープニング「メイド大回転」のジェーニャさんのソロパートは完全ロシア語ですよね。

ジェーニャ:はい。みんなで歌う<おかえりなさいませご主人さま>のところも、普通に言ってしまうと目立たなくなってしまうんですよね。だから「もっと訛って」と(笑)。そういうディレクションをもらうたびに「役者に期待してくれてるんだな」って思います。「もっとできるでしょ」という期待なんだろうなと。

佐藤:中でもなごみちゃんは振り幅が広いキャラクターだから、(近藤)玲奈ちゃんは大変だろうなと思っています。

ジェーニャ:うん。みんな二面性を持ってる気がする。可愛いなごみちゃんと思いっきり汚いなごみちゃん、可愛いゾーヤと戦ってるゾーヤ、戦闘モードの嵐子さんと照れてる嵐子さん。しぃぽんもゆめちもそうだよね。そういうキャラクターが多い気がする。だから、ひとつの声として作らず「ブレてもいいや」と、その時の感情でやってます。それが生々しさを出しているのかなって。

佐藤:生々しい、人間ドラマをね。さっきユリンさんも言ってたけど、本当にリアルなんだよね。

ジェーニャ:今までにない作品だよね。本当に1999年にこんなことがあったんじゃないのかな、って思っちゃう。すごくリアルで、自分の過去の一部のように感じちゃう。

──ジェーニャさんは秋葉原でメイドをやられていたとのことで、特にリアルに感じるところがあるんじゃないかなと。

ジェーニャ:そうですね。初めて日本に来たのが2002年で、その時に秋葉原を初めて見て「ここでメイドやりたい!」と思ったんです。可愛い声で「いらっしゃいませ!」って言いたいなって思ってた!

ユリン:やっぱりそうだよね? メイドって可愛い声だよね……?

一同:(笑)

今だから明かせる制作秘話 

──ではこれまでのお話について振り返らせてください。皆さんが第7話までの収録で特に印象的だった場面というと……?

ジェーニャ:第5話の嵐子さんの誕生日回かな。ゾーヤが嵐子さんを大好きなので、私も引っ張られて嵐子さんのことが好きになりました。特にサプライズの準備をしているところが好き。

──最初はひどい!と思いきや……。

ジェーニャ:そう、ひどい(笑)。でも、とんとことんの人たちは良い人で。そして最後はみんなで笑う。その場面を収録していて楽しかった。リアルでそんなことしないから。

ユリン:確かに(笑)。

佐藤:リアルでやるならもうちょっと違うやり方だもんね(笑)。

ユリン:私は自分が出ていない回なんですけど第3話が好きでした。もう衝撃でした。メイドがボクシング!?って。

佐藤:(笑)。

ジェーニャ:ゾーヤの初登場の回ですね。私も思い出深い。すごく難しい回だったから。

ユリン:ジェーニャさんのエネルギーを感じました。

佐藤:ゾーヤは特殊なキャラクターだから、ジェーニャちゃんにしかできないだろうなと思います。ジェーニャちゃんの味のある演技が最高で。ぽろっと出るツッコミが面白いんです。最初は「強くなければいけない」って思いで登場したキャラクターだからそのギャップが難しかったと思うんですけど……本当のゾーヤちゃんは可愛いんだけどね。そのギャップを表現しなきゃいけないのは、中の人の難しさだよね。

ジェーニャ:最後は「可愛いメイドになれるようガンバリマス!!」って可愛らしく言ってるからね(笑)。そこにたどり着くまでに差をつけなければいけないのが難しかった。

──ゆめちにも「キャラ変りすぎじゃね…?」ってツッコまれているくらいですものね。佐藤さんは、第7話までで印象深いお話を挙げるならいかがですか?

佐藤:第7話までで言うと……ちょっと最初に戻っちゃうんですけど、第1話で嵐子がオタ芸のように銃を撃ってる場面が改めて好きだなぁと(笑)。

──最高でしたね。しかもゆめちの歌う「純情メイドぶっころ主KISS」にもぴったり合ってて!

佐藤:あれを見たときに「すごい作品がきたな」と思いました(笑)。今はコロナ禍で分散収録になっていますが、この作品はみんなで録ったらものすごい爆発が起こるんじゃないかと思います。

ジェーニャ:今も100%だけど、150%になりそう(笑)。

佐藤:あと、物語の話題からはそれてしまうんですけど……店長がおもしろいなと改めて思いました。

ジェーニャ:全部持ってかれるよね(笑)。

佐藤:第7話まで来て改めて思いますが、店長がいないと回らないんですよね。とんとことんにとって必要なんです。人としてはどうかなってところがあるんだけども(笑)、なぜか憎めない。(高垣)彩陽ちゃんの声だからこそなのかなとも思います。

店長には過去がありそうだなって勝手に思っています。実はみんなのバックボーンって描かれてないじゃないですか。

ユリン:そもそも、愛美の場合はなんで捕まっているのかも分からないんですよね。

佐藤:そう! でもきっともともと力を持っている人だったんでしょうね。その中で何かがあって、またアキバに戻っていく感じなのかなと……。そういうところをカチっと描いてないからこそ、想像して楽しめる部分がたくさんあるなと思っています。

最初に言ったことと重なってしまうかもしれないですが、愛美さんはすごく魅力的なキャラクターだと思っているんです。私は元来まっすぐな人が好きなんですけど、その最たるものだなと。そりゃみんな愛美さんに付いていくよなって。私も宇垣さんより愛美さんに付いていきたい(笑)。でも時代が変わって、付いていけないことも出てくる……さっきも言いましたけど、変われないもの、変わっていくこと、なんか、グッと来るんですよね。年齢なのかもしれませんけど。

ユリン:それは思います(笑)。

ジェーニャ:うん。

佐藤:私たち世代はそう思うのかもしれないよね。私たちの世代と言えば、今日のインタビューは同世代メンバーで!

ジェーニャ:ほぼ同世代だよね! 

ユリン:ね! 嬉しい〜!

佐藤:こんなこともなかなかないんですよ。本当に貴重な機会をいただきました。

ジェーニャ:それは作品に対しても言えることで。前回(連載第4回)のインタビューでもお話しましたが、この年齢になってからこんなに大きな役をいただけると思ってなくて。秋葉原でチラシを配っていた自分がメイド役で出演、しかもはじめての主題歌まで。本当に嬉しくて、まだ捨てたもんじゃないなって思いました。だからありがとう、としか言えないです。

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