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WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』OPテーマ担当 家入レオさんインタビュー【連載7回】

WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』OPテーマ担当 家入レオさんインタビュー|「どうしようもなくなって情けなくなることも含めて生きていくこと」【連載7回】

WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』が2023年1月14日(土)から放送・配信スタートします。日向理恵子氏による“火”をテーマにした長編ファンタジー小説をアニメ化した本作。人類最終戦争後の世界を舞台に、多くの困難に直面しながらも懸命に生きる子どもたちの姿を描いた物語です。

独創性あふれるファンタジーと深いテーマ性に多くの読者が心打たれた作品のアニメ化に期待が高まる中、アニメイトタイムズでは『火狩りの王』スタッフ・キャストのインタビュー連載をお届けします。

第7回となる今回は、オープニングテーマを担当する、アーティストとして数々の主題歌を担当、また昨年デビュー10周年を迎えた家入レオさん。楽曲に込めた想いを聞きました。

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希望とは何なのかを、考えていく

ーー『火狩りの王』の物語から、どんなメッセージを受け取りましたか?

家入:原作や資料を読ませていただいた中で、本当に嘘のないアニメなんだなという印象があります。こういう作品だからこそ、アニメで描いたほうが、作者の方が伝えたいメッセージを届けられるのではないかと思いました。

ーーそれはどういうことですか?

家入:やはり「生きる」ということがしっかりと、そして残酷な部分まで描かれている作品だと思うんです。この作品をそのまま実写でやってしまうとヘヴィになりすぎて、心がついていかない人もいるのかもしれないなって。でも、それをアニメで描くことでエンタメとしても楽しめるし、作品のバランスが良くなるんじゃないかなと思いました。

学校だと「生きることは楽しいことです」と、たくさん教えられると思うんです。でも社会に出てみると良いことばかりではないということは、どんな人でもわかる。

主人公の灯子(CV:久野美咲)たちは冒険をするけど、「最終戦争」後の世界を生きているから、そこは荒んだ世界なんです。その世界しか知らない彼ら・彼女たちが、人と人の繋がり、心の温かみに触れて生きようとする姿は、すごく教えられるものがあったし、本当に嘘がないんですよね。そこに、アニメの中だけのことではない、現実にもつながる「強さ」を感じました。

ーーこの作品はファンタジーでもあり、未来の話ではあるんですけど、現代に通じるところがすごくあるんですよね。

家入:時代は関係ないなと思いました。人間の生きる根源みたいなものがリアルに描写されているアニメだと思います。これが近未来の世界観過ぎると、少し現実離れしてしまうかもしれないですけど、この作品はとてもリアルだし、現代と通じるものがたくさんあるなと思いました。

ーーそれはきっと、自然や森など、今もある風景が描かれているからでしょうね。身近なものに思えるというか。そうやって作品から感じたことを切り取って、歌にしようと考えたんですね。

家入:そうですね。これは「嘘つき」というタイトルにもつながるんですけど、子供たちが主人公なので、子供の頃、大人に何て言われて育ったかなと考えたんです。大人たちは子どもたちに未来を託したいという気持ちでポジティブな部分しか伝えないじゃないですか。

今だったらそれが愛だとわかるんですけど、「生きることってすごく楽しいことで、希望に向かって歩くことなんだよ」って教えられて外の世界に出て行くと、すごい困難が待っていたりする。そこで、「あれ? 聞いていたのと違う」って思うのだったら、最初から世間はすごく厳しいところだよと言われていたほうが、まだ歩いていける感じがしたんです。

そういうアニメのメッセージ性に、私もすごく共感したから、「生きることは愛を知ること、希望を知ること」という側面だけでなく、裏切られたり、逃げたくなったり、自分がわがままでどうしようもなくなって情けなくなることも含めて、生きていくことなんだよと、ちゃんと嘘なく伝えようと思いましたし、それこそが嘘偽りのない光な気がします。

ーーまさにその部分が歌詞にもなっていますね。〈ねぇ逃げて負けて泣き叫んで 諦めても わがままでも それも 生きてるってことだと 気付いたの〉と。

家入:それも含めて生きているということだから、大丈夫だよって。あまりにも希望が語られすぎて、明るいほうへ生きていくことがいいことだという価値観が強すぎて、自分は間違えているんだと思ってしまい、心が折れてしまう人もいる。……でも、それは違うかもしれないよと伝えたかった。逃げて、負けて、泣き叫んで、諦めて、わがままになってしまうことも生きることの一部で、今日を生きるのが精一杯って1日を積み重ねていくうちに、いつの間にか大人になっていた、こんな歳になっていた、って感慨も悪くないんじゃないかなって。そういう姿をちゃんと抱きしめてあげたいなと思いました。

ーーそうですね。厳しい世界で最初は誰もが戦いながら生きていき、いろいろ経験してわかってくると、だんだん丸くなっていくところはありますね。今おっしゃっていたことは〈希望を持つことは(光り ささやかな願いが) なぜ苦しいの?〉という歌詞にも出ています。

家入:希望があるから苦しいんですよね。

ーーアニメで描いていることに寄り添いながら、今を生きる子たちへのメッセージでもありますね。

家入:灯子たちって、こんな荒んだ世界を生きているのに、自分はお父さんやお母さんに命をつないでもらった、人に生かされていると思っているんです。それって希望じゃないですか。誰かが自分を生かしてくれた、そういう愛や希望も同時に描かれているのも好きです。

ーー希望を持つのは苦しいけど、希望がないと生きてはいけない……。

家入:なので、この物語のキャラクターたちが追い求めている千年彗星の〈揺るる火〉は、人間の生きていく象徴な気もしました。灯子は実際は儚い一人の少女だけど、〈揺るる火〉がいるから大丈夫と思えていることが希望というか。でもそれってもしかしたら大したものではないのかもしれない。本当に存在するのか、誰も知らない。ただ、信じられる、わからないことがあるということが希望なのではないかと思ったんです。

実際、〈揺るる火〉が何なのか、みんなわかっていないけど、その存在があることで、どんなに苦しい今があっても生きようとするんですよね。

ーーそれがはっきりとわからないから、いいのかもしれないですね。

家入:そうなんです! わからないからこそ知ろうとするし、生きようとする。今は、知ろうとすれば大体のことは何でもわかるし、もちろんそれでいいところもあるのだけど……。

ーーどうせこうなるんでしょってわかりすぎているというか。結果を先に知ってしまうことで、その経験で得られるもっと大事なことをないがしろにしてしまう感じは、自分の子供を見ていても感じることです。

家入:テクノロジーや技術が上がってきているからこそ、そう思っちゃうのもわかるし、映像とかを見たら、その世界を生きた人生経験としてカウントしちゃうだろうなって。それってそれを作った技術者たちの努力や苦労があるから素晴らしい!と思いつつ、複雑というか。エンタメや娯楽がいっぱいあるぶん、悟ってもしまいますね。でも、実際自分が生身で受けた傷が、本物だと思うから……。

ーーそう考えると、わからないことがあったほうが希望なのかもしれないと、より思ってきました。しかも、わからないままのほうがいい。

家入:そうなんですよ。この先の世界が生きるに値するのかを見てみたいと思ったから生きようとする、というのは真理だなと思いました。わからないって大事だなって。

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