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冬アニメ『ツルネ』第2期:福山潤×近藤孝行インタビュー

冬アニメ『ツルネ -つながりの一射-』二階堂永亮役・福山潤さん×不破晃士郎役・近藤孝行さん対談インタビュー|「応援せざるを得ない魅力がある」辻峰高校にとってターニングポイントになった合宿回までを振り返る!

“無邪気の暴力”でぐちゃぐちゃになる二階堂の心

——二階堂にとって不破がメンターになっているとおっしゃっていましたが、この2人の関係性やお互いの存在についてどのように感じていますか?

福山:不破の目的は試合に勝つことではなく二階堂をちゃんと“戻す”ことに重きを置いているように感じます。過去に何か同じような経験をしたのか、環境がそうさせたのか……もしかしたら、ただ単に15人兄弟の長男だからという可能性もあるかもしれません(笑)。

近藤:あはははは! それはあり得る(笑)。

福山:そこまで付きまとわずに面倒を見るという、彼の精神性自体が1つのポイントなんじゃないかなと。たぶん、不破がいなかったら、辻峰はもっと早い段階で瓦解していたと思います。

近藤:みんな部費を払っていないのが衝撃的ですよね。「自然に湧いてくるもんだと思ってる」というセリフに僕は衝撃を受けました(笑)。

福山:何気に1番ひどいセリフだよね(笑)。

——そんな個性的な人たちが揃っている辻峰を引っ張っている二階堂と不破は、お互いによく見ていますよね。

近藤:不破くんが二階堂のメンターとおっしゃっていましたけど、僕の解釈では不破くんは二階堂のことをリスペクトしているんじゃないかなと思うんです。

確かに、保護者のように見えるところはありますが、不破くんはすごく深いところまで見えている人だと思うので、僕の中で大家族の長男で妹がいっぱいいるという裏設定で演じていました。

二階堂はバックボーンが故に心の成長を自分で止めてしまっているというか、自分の信念のために何よりも見返したいという気持ちを優先しています。合宿エピソードの中でおじさんが倒れちゃったときに見せた子供っぽさからわかるように、内面も少年のままなんです。

そんな少年が自分でバイトして部のことを全部やって指導もして……正直、側から見ると痛々しいと思います。それを支えてあげたい、あいつすげぇなと不破くんは思っているんじゃないかなと。

だから結構、構い過ぎなぐらい構っているんです。そこにはたぶん、二階堂の本質を見ていて自分も力になりたいという気持ちを抱いているんじゃないかなと思っています。

福山:不破は人の懐に入るのが異常にうまいですよね。風舞にしても先生にしてもマサさんに対しても、ちゃんと敬いながら人の懐に入っていく。そういう人たらしな魅力もきっとあるんだと思います。

近藤:二階堂にはないバランス感覚を持っているから、ニコイチとして描かれているのかもしれませんね。

——正直、不破はマサさん以上に大人なのでは……?と今回の合宿エピソードで思いました。

福山:不破は何気に配慮があるんですけど、マサさんは配慮がないです。これはずっと思っていたことなんですけど、本当に空気を読まない……!

一同:(笑)。

福山:たとえば、弓に傷がついているシーンでも嗜めるのではなく「そいつはルール違反になっちまうぞ」とズバッと言う。配慮がないからこそ止められたという部分もあるかもしれませんが、二階堂からすると“無邪気の暴力”になるんです。これは湊とマサさんの似ているところかもしれません。

第10話でも二階堂がマサさんに対して「百射百中したこともない人間が……」と言ったら「あるよ。」と即答。しかも「二百十一射、連続で当てたことがある」と。

——同じ“復讐”で弓を引いていたマサさんからすると放ってはおけないかもしれませんが、二階堂からすると求めていない“ご高説”ですよね……。

福山:結局、二階堂にとっての弓道はおじさんがすべてなんです。弓道どうこうではなく、あくまでおじさんによって与えられたものであり、二階堂自身は弓道が好きだとまだ気づいていない。

たぶん、二階堂もマサさんや湊のように弓道に対する想いがあると思うんですけど、おじさんのほうが重要だった。マサさんとの会話でも、二階堂にとっての指導者はおじさんだけなので、自分を俯瞰して見た会話が指導者とできなかったんじゃないかなと思います。

だから逆に、自分の技術ややっていることが理解できるマサさんとの会話は楽しかったんじゃないかなと。

だけど、それを受け入れてしまうと、おじさんを認めさせるためにやってきた自分の信念が揺らいでしまう。おじさん以外の指導者を頑なに断るのは、復讐の一環であり、おじさんは間違っていない、ダメだったわけじゃないことを証明したいという想いもあると思います。

——なるほど……。

福山:本当に二階堂の心は未熟なんです。それでまたあのマサさんが「競射会をしてみるってのはどうだ?」と二階堂に提案するんですよ? たきつける気はないのに(笑)。

近藤:(笑)。

福山:だから“無邪気の暴力”に、二階堂の心はぐちゃぐちゃになっちゃうんです。

——心がぐちゃぐちゃになっている二階堂を、不破がいち早く気づいては心配する様子もたまりません。

近藤:第9話で二階堂とマサさんが喋っている姿を見て不破くんが踵を返し、湊くんに(マサさんを)貸してくれない?と言うシーンがありましたが、二階堂が求めているものが何かをちゃんと不破くんは見えているんだなと思いました。

本当を言うと、おじさんの面影を見ているのか、二階堂はマサさんみたいな存在を求めてやまなかったんだと思います。でも、福山くんが言ったように、マサさんは配慮がないので、まぁ二階堂の心が揺れる揺れると(笑)。

福山:揺られっぱなしです(笑)。

近藤:でも、そこが物語を大きく動かしたポイントだと思います。もし、マサさんが不破くんぐらいのバランサーだったら、二階堂が懐いてストーリーが展開していなかったかもしれません。

——それは一理あります!

近藤:お風呂場のシーンでも無邪気の暴力があるが故に、だいぶ二階堂がグラグラにされていましたが、求めている対象だけどイラつく対象でもあり、チームメンバーに八つ当たりをしてしまう。ある意味、この合宿回はマサさんの存在が大きかったと思います。

福山:そのお風呂のシーンを演じていて、そりゃあマサさん静弥に嫌われるよなと。

近藤:僕もそれ思った!!!

一同:(笑)。

——仲間が増えて、静弥は密かにガッツポーズをしていることでしょう(笑)。

福山:そりゃあ馬が合わないよなぁって思いますもん(笑)。本当にマサさんは世俗を絶っているというか、浮世離れしすぎてます。嫌われていることに対しても意に介さない、そういうとこだぞ!と(笑)。

(C)綾野ことこ・京都アニメーション/ツルネII製作委員会
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