
『デッドマウント・デスプレイ』監督・シリーズ構成 小野 学さんインタビュー|作品が重苦しくならないバランスでコミカルなシーンを【連載第6回】
原作:成田良悟×藤本新太による、衝撃の異世界転生ノワールファンタジー『デッドマウント・デスプレイ』のTVアニメが2023年4月より放送中! 「新宿」を舞台に、個性的なキャラクターたちが暴れまくる!
アニメイトタイムズでは、放送中にスタッフやキャストへのインタビューを実施しています。第6回は、シリーズ構成も担当している小野 学監督が登場。
作品が重苦しくならないバランスでコミカルなシーンを
ーー原作を読んだとき、作品の良さ(魅力)を特に感じたところはどこですか?
小野 学(以下、小野):登場人物がそれぞれ暗い過去や因縁を持っているのに、明るく動き回っているところです。
ーー原作をかなり大事にして映像化していると感じました。この作品をアニメにするにあたって、(作業に入る前に)大変そうに思ったこと、ここを大事にしたいと思ったことを何ですか?
小野:登場人物が多く、しかも全員魅力的なので今後の展開も含めて可能な限りアニメで表現していくことを第一に作業しています。
ーー毎話、いい引きで終わっていますが、シリーズ構成をするに当たって気をつけたことを教えてください。また、原作者さんはどのような形でアニメプロジェクトに携わっていたのでしょうか?
小野:成田さん、藤本さんや担当編集さんに密に確認をとりつつシナリオの改稿を重ね、今後の展開やまだ開示されていない設定などもお聞かせいただいたりしながらすすめました。
ーー冒頭の異世界の描写がかなり本格的でした。成田先生も驚かれていましたが(※成田さんアンケート/「特に第1話のシャグルアVS屍神殿のシーンは、原作で数頁の部分が10分にも渡るボリュームに膨らんでいたことにとても驚き、興奮しました!」)、ここをこだわられた理由などはありますか?
小野:TVアニメの構造上Aパートの最後に転生シーンを、Bパート最後で転生したのが屍神殿だったことを描く必要があったので、まず構成ありきでそこの配分を決めました。Aパートの戦闘は単行本の巻末の描きおろし小説と両先生たちとのお話を参考にシナリオを書きましたが、そこから絵コンテにする段階でも自分の作品に対する理解度が上がっていたのでシナリオよりさらに盛っています。
ーーコミカルなシーンが挟まるのも、この作品の魅力で、アニメでもそのメリハリは活きていましたが、こだわっているところなどはありますか?
小野:コミカルさは原作のイメージを大事にしつつ、作品が重苦しくなり過ぎないバランスを考えています。