声優
水島 裕が声優人生を振り返り、今思うこと丨芝居において“教科書通り”が全てではない

「自分自身の感性に鈍くならないこと。お芝居において“教科書通り”が全てではないんです」 81ACTOR'S STUDIOキッズクラス 代表講師・水島 裕さんが声優人生を振り返って、今思うこと。

声にまつわるトータルマネージメントを行う81プロデュースが、新たに小学生を対象とした81ACTOR’S STUDIOキッズクラス【81キッズ】を開講しました。

【81キッズ】の入所対象は小学生。「『感じるチカラ』と『伝えるチカラ』を育てる」をテーマとしたレッスンを展開しています。81プロデュース所属の個性豊かな俳優陣が、子どもたちの想像力、創造力、表現力、読解力、コミュニケーションスキルを育てるカリキュラムを担当。現在は1期生が受講しており、中途入所生を受付中です。

【81キッズ】の代表講師を務めるのは水島 裕さん。水島さん自身の声優人生を振り返りながら、なぜ子どもたちに教えたいと思うようになったのか、そして子どもたちにどんなことを伝えていきたいかなど、前後編に渡り紐解いていきます。

インタビュー前編では10代から現在まで、第一線で活躍している水島さん自身の声優人生を振り返り、そこで得た気づきを教えてもらいました。

初めての舞台経験は帝国劇場のステージ

──今回のインタビューでは水島さん自身の声優人生についてもお伺いしたいと思っております。

水島 裕さん(以下、水島):もちろん。なんでもお答えしますよ。

──ありがとうございます。では、水島さんが声優を志したきっかけを教えてください。

水島:志したきっかけかぁ……。すべて話すと、とっても長くなってしまうのでざっくりとになりますが(笑)。

僕には3歳年の離れた妹がいるんですけど、妹が小学校2、3年のときにNHKの東京放送劇団に入ったんです。妹本人が演劇に興味があったようなんですけど、小学校が厳しくてNHKなら許すと言われたそうで。それで東京放送劇団に所属していました。

うちは放任だったものですから、学校の課外授業や劇団のレッスンがあるときには、僕が保護者として付き添っていたんです。その中で劇団って面白いなぁと感じ、もう一つの放課後みたいだと思ったんです。僕も入りたかったのですが、中学1年生だったので、もう東京放送劇団には所属できなかったんですね。それで母と話しているときに、家からほど近い場所にある劇団若草に入ってみたら?と。それが中学1年生の秋でした。

僕は南荻窪に住んでいたんですけど、劇団若草は西荻窪のどちらかというと家の近くだったので、徒歩圏内だったんですよね。それで受けたら合格して。その後、レッスンが始まるかどうかのタイミングで劇団から「帝劇に行ってください」という電話が母にありました。

──帝国劇場ですか?

水島:そうです。でも僕は何が行われるか、当日まで知らなかったんです。あとから知ったのですが、帝劇で行われる『王様と私』という舞台の歌のオーディションだったんですね。僕は本名を憲司と言うんですけど、昔から母に「音痴の憲司」とからかわれていました。つまり歌は苦手だったんです。それを母は知ってましたから、僕にはあえて何も言わなかったようです。

その時の『王様と私』には、先々代の市川染五郎さんと、宝塚出身の女優・那智わたるさん、僕と同じ年齢の先々代の中村勘九郎さん(五代目)が出演していました。『王様と私』には子どもたちの王子・王女がたくさん登場するのですが、そのトップを演じられていたのが当時の中村勘九郎さん。

勘九郎さんが演じられるお芝居の中に歌のソロパートがあったんです。勘九郎さんが僕よりも早く変声期になってしまったとのことで、その影歌のオーディションでした。ただ、僕は先の通り歌に自信がなかったので、仕方なくといった形でオーディションを受けたのですが、なぜか最終の2人まで残ってしまいました。

もうひとりの方のほうが全然上手かったんですが、最終オーディションで彼がたまたまつっかえてしまい、僕は最後までつっかえず歌って。生だから、というのが大前提としてあったと思うのですが、僕が選ばれて。それが最初の舞台経験でした。

──映像作品に関しての、最初の作品の思い出についても聞かせてください。

水島:吹き替えの最初の仕事は中学2年生のとき。映画『くまのプーさん』のクリストファー・ロビンが初めての役でした。確か、電話帳を使って収録した記憶がありますね。

──電話帳ですか?

水島:はい。マイクを一番下げても高い位置にあるので、分厚い電話帳に乗って収録しました。今はもうないスタジオです。すごくうれしかったのを覚えていますが、当時はわけもわからずやっていました。まだ“演じる”ということを分かっていなかった、完全な初心者でしたから。(抜擢されたのは)きっと子どもの声が良かったんでしょうね。

ただ、その後『くまのプーさん』は吹き替え直しているので、もう見ることはできないのですが。自分は当時、映画館に見に行きました。作品は時代に合わせてアップデートされていくので、中にはもう見られないものもありますけど、残っているものもあって。僕らの仕事のありがたいところはそういうところもですね。作品は残っていきますから。

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