収録前のほうが大変!? 言葉を話さないキャラを演じることでアフレコとの向き合い方に変化が。アニメ『おでかけ子ザメ』子ザメちゃん役・花澤香菜さんインタビュー【後編】
初めて日本語を話さない役を演じたのは『ぽてまよ』。もし演じていなければ子ザメちゃんを演じていないかも!?
――ちなみに今まで人の言葉を話さない動物の役を演じたことはあるんですか?
花澤:2007年に『ぽてまよ』という作品で、ぽてまよ役を演じたのが初めてです。ぽてまよは冷蔵庫から生まれた謎の生き物で、最初は「ほにほに」とか「にゃー」しか言わないキャラだったんですけど、言葉を教えてもらって、「パン」なども言えるようになって。私はその時、まだ10代で声優としても新人の頃でしたが、台本に「ほにほに」などのセリフ以外に(以下、アドリブ)と書かれていることも多くて。
当時はまだアフレコにも慣れていないし、いつも緊張していて、「アフレコ自体は難しいもの」という意識でやっていました。そのなかで「好きにアドリブをつけてください」と言われた時、「このアドリブを全部、私が好きに考えていいの? なんてクリエイティブなお仕事なんだろう」と気付いて、そこからアフレコが楽しくなりました。そういうきっかけを与えてくれた作品で、もし『ぽてまよ』と出会えていなかったら今回の子ザメちゃんを演じることができなかったかもしれません。
――デビューして初期の頃にアドリブを任されるキャラを演じていれば、その後はどんな役やオーダーが来ても怖くなかったのでは?
花澤:そんなこともないですけど(笑)、変に身構えて緊張することはないんだなと。そこに意識を向けるより、「こんなふうにやってみよう!」とポジティブに役に関わるほうがいいんだろうなと思えるようになりました。
主題歌「よりみち」はフレンチポップ風のサウンドと子ザメちゃん語が心地いい曲。ED映像もかわいい子ザメちゃんが!?
――子ザメちゃんとして歌っている主題歌「よりみち」ですが、サウンドや歌い方がフレンチポップっぽいですね。
花澤:そうなんです。おしゃれですよね。でも私だけでなく、見てくれるお子さんも歌いやすいメロディになっていて。
――子ザメちゃん語で歌っているのに、普通に聴いていたらフランス語に聴こえるのが不思議です。
花澤:私は中国語で歌うこともあるので、「あれ、これ中国語?」と言われたり、いろいろな言語に聴こえるみたいです(笑)。
――かわいさプラスおしゃれ感があるのがいいですね。
花澤:作曲と編曲のbakerさんがいろいろ考えてくださったんでしょうね。楽曲も素敵ですが、ED映像で、子ザメちゃんがマイク前でもじもじ歌っているのがまたかわいくて。1話で手に入れたサメのぬいぐるみがマイクの上にちょこんと乗っているんですよ。スタッフさんに言われて気付いたんですけど(笑)。