収録前のほうが大変!? 言葉を話さないキャラを演じることでアフレコとの向き合い方に変化が。アニメ『おでかけ子ザメ』子ザメちゃん役・花澤香菜さんインタビュー【後編】
ペンギンボックス先生原作(KADOKAWA ComicWalkerにて連載中)の『おでかけ子ザメ』のアニメが2023年8月1日より配信中!
『おでかけ子ザメ』は、八魚町を舞台に、主人公の子ザメちゃんがいろいろな場所におでかけし、様々な人や動物と出会ったりするハートウォーミングな日常を描いた作品。かわいい子ザメちゃんだけでなく、人間のあおいちゃんやわたるくん、かえるちゃんやとかげちゃんなどなど個性的でキュートなキャラクターも続々と登場しています。
当サイトでは『おでかけ子ザメ』のアニメ配信を祝して、子ザメちゃん役を演じる花澤香菜さんへのインタビューを前後編に渡り、お届けします。後編となる今回は、子ザメちゃんを演じる上で意識されている点やアフレコ裏話、1話放送後の反響、そして初めて人間の言葉を話さない役を演じた作品の想い出などお話ししていただきました。
子ザメちゃんを演じる時はやりすぎないように!? 花澤さんが収録よりも大変なこととは?
――子ザメちゃんを演じる上で意識されていることはありますか?
子ザメちゃん役・花澤香菜さん(以下、花澤):純粋で無垢でかわいいけど、ちょっと抜けている感じを常に意識しながら演じています。ただ私は振り切って表現するのが好きなタイプなので、やりすぎると「それはちょっと」と監督さんたちが戻してくれて。私としては安心して演じています。
――収録の時に大変だったことや苦労されていることはありますか?
花澤:収録では話し相手もちゃんといるし、任せていただいている部分も多いので楽しくやらせていただいています。むしろ収録よりも、収録前に家で単語を考えたり、結びつけたりしている時間のほうが大変かもしれません(笑)。
――もしかしたら収録の前後で予習・復習している感覚で、学生時代を思い出したりして。
花澤:そうですね。毎回、宿題している気分です(笑)。
――アニメが長く続けば続くほど、子ザメちゃん語を生み出していかないといけないので大変ですね。ある意味、花澤さんの創作能力にかかっていますね。
花澤:子ザメちゃん語を考えるのは大変ですけど、「コレはここで使えるな」とか発見して埋めていくのも楽しいですよ。他のお仕事にはない作業ですし。
――アフレコは、もう分散ではなくなったのでしょうか?
花澤:毎回みんな一緒に収録できています。でも、私のセリフがかぶってしまうこともあって、別録りすることも多々ありますけど。子ザメちゃんがおしゃべりする相手は人間だけじゃなく、かえるちゃんやとかげちゃんもいて。かえるちゃんが「け~ろ」と言ったらそれをマネして「け~ろ」というやり取りがその場で生まれたりして、掛け合いの良さも作品に入っていると思います。
原作のペンギンボックス先生との対面エピソード
――原作のペンギンボックス先生とはレコーディングでお会いしたとおっしゃっていましたが、収録にもいらっしゃったのでしょうか?
花澤:いらっしゃいました。レコーディングで初めてお会いした時には、「子ザメちゃんを人間に例えたらこういうイメージです」とか、先生もオーディションのテープを聴いていただいたようなので、「私の何が良かったんですか?」とお尋ねしたら、「声質ですね」と言われて。「そこなんですか!?」と思いつつ(笑)、純粋に嬉しかったです。あとは原作のぽよぽよ感をアニメでどう表現されるのかを楽しみにされていました。
――先生から説明はあったけど、細かいオーダーはなかったということですね。
花澤:そうですね。具体的にこうしてほしいというよりは「こういう捉え方で」という部分を教えていただきました。
――槙監督からは指示やアドバイスはありましたか?
花澤:監督も作品のファンなので、その都度、アドバイスしてくださいます。私はオーディションの時に海の生き物感を出したくて、海の生き物は泡を出すので、唇を少し振るわせて「ぷぅ」と音を意識的に入れてみたら、「子ザメちゃんは唇がないのでナシで」と言われたことを覚えています(笑)。