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TVアニメ『ラグナクリムゾン』声優・小林千晃&村瀬歩インタビュー

TVアニメ『ラグナクリムゾン』ラグナ役・小林千晃さん&クリムゾン役・村瀬 歩さんインタビュー|ラグナ同様、小林さん自身も極限状態に追い込まれたオーディション!? クリムゾンは村瀬さんにとって“制御不能”な存在

 

ラグナは変化を求められたキャラクター。クリムゾンは村瀬さんにとって制御不能な存在

――第1話の収録時にディレクションなどはありましたか? オーディションで作ったイメージ通りに進んでいったのでしょうか?

小林:基本はオーディション時をベースにしましたが、竜に対する憎悪の差異についてはディレクションをいただきました。竜の神には憎悪を表に出していいのに対し、他の竜には憎悪をあまり出さず、冷徹であるということをベースにして、変化していく内情に寄り添って演じていきました。

あとは、監督から「戦闘シーンが多いので、アドリブの息をなるべく1話内で同じものにしないでほしい」と言われましたね。

――それだけ戦闘シーンにこだわりがあったということでしょうか。

小林:それもあると思いますし、ラグナを見ても、最初に一人で修行している時、弱い竜と戦っている時、追い詰められている時……とシーンごとに戦闘の雰囲気が違うので、そこの差別化が欲しかったのかなと思います。

村瀬:第1話は特にいろんなラグナが見られるから、監督的にもいろんな表情を見せてほしかったんだろうね。

小林:“変化”というのは全体的に求められましたね。

 

 

――最初は未熟な状態からスタートするわけですもんね。そこから未来の自分に出会い、大きく変化していくわけですが、そのギャップを表現するうえではどういったことを意識されましたか?

小林:最初にラグナをやった時に、「もっとナヨナヨした、自信がない感じにしてほしい」と言われました。僕が最初にやったラグナは、レオ(レオニカ)を尊敬する気持ちがちょっとあふれ出ていた感じだったんですが、その気持ちすらもちょっとモジモジしながら言う方向で、「自分に自信がないからもっと弱々しくやって」とこだわっていただきましたね。

逆に、未来の自分に力を託された後は、ガラっと変えるということで、そこまでディレクションはいただかなかったです。

村瀬:そこのギャップもラグナの面白さだよね。(力を受け継いで)人が変わっているけれど、ちゃんと元のラグナも残っているのが分かるというか。

小林:とてつもない力を手にしても、精神はまだ弱いままで。自分の力に振り回されたり、大切な人を失うことに慣れていないので、そういった部分が未来のラグナには追いついていないんですよね。そのバランスは少し意識しました。

村瀬:あくまで未来のことを“知った”だけだもんね。

小林:未来ラグナ役の神奈(延年)さんと一緒に収録させていただけたのも大きかったです。神奈さんが究極に追い込まれた状態で演じられていて。

村瀬:悲しい感じの力強さだったよね。

小林:全部分かったうえで、それでも修羅のごとく戦い続ける、そのお芝居を聞けたので、たどり着こうとしても全然たどり着けない感じが自然に出せました。

――村瀬さんはアフレコが始まってから演技が変わったことや、感じたことはありますか?

村瀬:実際に演じてみて、クリムゾンはアンコントローラブルな存在だと思いました。

僕は普段、どちらかというとキャラクターを俯瞰で見て、「こういう風に喋りたいだろうから、こういう風に声帯を貸してあげたいな」と分析するタイプなんです。もちろん分析だけでなく、掛け合う時の気持ちよさもちゃんと取り入れつつではありますが。

そこがクリムゾンは、自分にとってはすごく珍しくて。僕の中にいるクリムゾンに「人間、私の言葉を喋れ」と言われて、突き動かされているような感覚がすごくあるんです。

例えば第2話で、下位の竜たちに「静まれ雑魚ども」と言うシーンを収録する時も、普段の自分の演技プロセスだったらピシャっと言うところなんですが、あまりそういう感じで言葉が出てこなくて。「えっ、こんな風に喋るの!?」と、やって自分でビックリすることが多いキャラクターなので新鮮ですね。

 

 
とはいえ、アニメはみんなで作るものなので、スタッフさんに「こうしてほしいです」と言われたら僕自身は従いたいんです。クリムゾンがヘソを曲げないといいなと思っています(笑)。

小林:村瀬さんの意思とはまた別に、クリムゾンが確かに“居る”んですね。

村瀬:それぐらい強烈な存在で。「考えていることが分かった気になっている」と言うとたぶんクリムゾンはヤな気持ちになるんでしょうが、それでも「こういう感じで心が動いているんだな」とか「ここはこう思っている」みたいなことは時々感じています。自分にとって、めったにないような役なので、毎回収録を楽しみにしています。

――現場に行かないと分からないことも多いんですね。

村瀬:そうなんですよ! ちょっとおっかなびっくりな感じです(笑)。

 

お互いの演じるキャラクター、お芝居の魅力は?

――お互いの演じるキャラクターの魅力や、お芝居の印象をお聞かせください。

小林:クリムゾンはやっぱり唯我独尊というか、自分の道を歩むためなら何を犠牲にしてもいとわないという、人の理解が及ばない存在ですよね。それでいて、シリアルキラーやサイコパスのようなものとも少し違うと思います。

ちゃんと理性があって、人間的な部分も多いけれど、自分の使命と何百万の命を天秤にかけた時に、スッと何の罪悪感も抱かずに使命の方を取ってしまえるので、視聴者の方もキャラクターとして見ればすごく魅力的に映ると思いますが、まったく共感できないし、気持ちが理解できないと思います。そんな存在が味方側にいるのがこの作品のすごいところだとも思います。

村瀬:「こんなヤツ許したらあかんやろ」ってぐらい、めちゃくちゃ悪いもんね(笑)。

小林:作中で一番悪いヤツがバディなんですよね(笑)。お話が進むと、人間を家畜以下にしか見ていないような竜が出てくるんですが、それがまだ慈悲があるように見えるというか。滅ぼす理由を持ってやっている彼ら(竜)と比べると、「クリムゾンの方がより悪じゃない?」と思えるくらいで。ラグナはそんな存在を利用してでも、竜を滅ぼさなきゃいけないというのが、頭を抱えたくなるほど難しいけれど面白いところですね。

村瀬:目的が合致しているから味方でいる感じだよね。「敵の敵は味方」みたいな。

小林:ギリギリの関係ですよね。「最終的にはお前を殺す」という約束もしていますし。

――そんな複雑な存在を演じる村瀬さんの印象はいかがでしょうか?

小林:僕の中でも村瀬さんって、ちょっと人間離れしている感じがあって。

村瀬:サイコパスってこと!?(笑)

小林:そうじゃないです(笑)。地頭の良さとかを別にして、普通の人が持っている思考とはちょっと違った感覚を持っていらっしゃるというか。

村瀬:それは確かにそうかもしれない(笑)。

小林:人としてもそうですし、お芝居や声からもそれを感じていて。もちろん普通の人間の役も素晴らしいんですが、やっぱりこういったクリムゾンのような、人類が理解が及ばない役をやると本当にピタっとはまると思っています

村瀬:そうなんだよね~。自分で言うのもアレですが。こんな清廉潔白で優しい人なのに、真反対のような役ばっかりガチっとはまるんですよね。

一同:(笑)。

 

 
小林:ないものねだりというか、僕は逆に人間くさい役をやることが多いんです。

なので、クリムゾンのような役を振っていただいた時に、それを頭で変に理解してしまおうとしたり、理解できないから、相手役のお芝居に合わせて、その場の流れでやっちゃうしかないと思うことがあるんですが、村瀬さんは無理なく、ナチュラルに、声に説得力を持たせて演じていらっしゃるのが本当に素晴らしいなと思っています。

村瀬:嬉しい。ありがとう。

自分で自分のことって分からないことが多いので、分析してもらうのって楽しいですね!

――では今度は村瀬さんから見たラグナの印象をお聞かせください。

村瀬:ラグナは“変化”がすごくキーワードになるキャラクターだと思っています。強い力を手に入れた後に、他のところがどんどん変わっていって、その影響が他の人にも変化を及ぼしていく構図がこの作品の面白さだと感じていて。まさにその変化を象徴している存在だと思います。

「人間って強さを手に入れても万能になるわけではないんだな」ということも感じます。すごく強い人って敬遠されるというか、「強い」「すごい」という説明になってしまうんですが、ラグナの場合は、どこか「かわいそう」「頑張れ」と共感できると思います。クリムゾンが彼をめちゃくちゃもてあそぶからという理由もあるんですが(笑)。

――小林さんの印象についてはいかがでしょうか?

村瀬:ラグナは、どんな窮地に陥っても立ち上がって頑張るというすごくヒロイックなキャラで、その純粋な思いが小林くんの声にすごく合っていると思います。

台詞に込められている感情って、技術的なものももちろんあるんですが、元々その人が持っているイズムみたいなものも入っていると思っていて。小林くんは「誰かを守りたい」とか「俺がやらなきゃいけない」みたいな、背負っている人の声、パッと顔を上げる感じの声がめちゃくちゃいいなと思いました。

小林:嬉しいです……!

村瀬:クリムゾンは、そこをいじめて自分好みに変えていくみたいな楽しさを感じていると思うので、そういう意味で、僕が小林くんにいいなと思う部分と、クリムゾンがラグナにいいなと思うところの線はたぶん近いところにあるんですよね。邪悪さは違いますが(笑)。なので、クリムゾンの興味の取っ掛かりも分かりやすかったですし、「小林くんがどんなお芝居をするんだろう?」と楽しみでした。

 

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