音楽
蒼井翔太さん3rdアルバム『DETONATOR』インタビュー

蒼井翔太さん3rdアルバム『DETONATOR』発売記念インタビュー! “NEW蒼井翔太”を全面に意識して作ったという約6年ぶりのニューアルバムに込めた想いとは……?

レコーディングではアヴちゃんからのディレクションも

――今回のアルバムには、10月から放送のドラマシャワー『ワンルームエンジェル』(公式サイトはこちら)のOP主題歌で、ロックバンド・女王蜂のアヴちゃんが作詞・作曲を手がけた「8th HEAVEN」も収録されています。

蒼井:いやあ、もうびっくりですよね。まさかアヴちゃんが!という感じで。実は、かなり前から女王蜂というバンドがすごく好きで、スタッフさんと一緒にアヴちゃんの話をしたり、この楽曲いいよね、と言い合っていたりしたので、今回その女王蜂のアヴちゃんが作詞・作曲する楽曲を歌わせていただけることに運命的なものを感じました。
 
まずタイトルの「8th HEAVEN」を見て、「“7th HEAVEN”じゃないんだ、さらにその上なんだ」と思ったんですけど、人間みのある歌詞にすごく共感して早く歌いたいなとワクワクしましたね。

――レコーディング当日も、アヴちゃんが立ち会ったとお伺いしました。

蒼井:お会いして1時間くらい、ずっとしゃべっていました。それで声出し、完了!みたいな(笑)。楽曲のことだけじゃなくて、お互いのこともいろいろお話して、盛り上がったままレコーディングに入ったので、「蒼井さん」「アヴさん」みたいな感じじゃなくて「翔太くんさ、こういうのできる?」みたいな一歩踏み込んだディレクションをしてくださったし、僕もそれにちゃんと応えることができました。
 
レコーディングが終わったあと、アヴちゃんが「お互いの想いの丈を混ぜて作れた楽曲だね」と言ってくれて、僕自身もそうだなと思ってすごく嬉しかったです。

――アヴちゃんとのやり取りの中で生まれた、また新しい“蒼井翔太”が表れている感じですね。

蒼井:そうですね。どの曲とも違う新しい蒼井翔太を感じていただける曲だと思います。あと、自分のなかでは言葉の乗せ方、というものの大切さを改めて実感した楽曲でもありますね。
 
ピッチにとらわれる、というか“歌う”のではなく、“訴える”感じ。この曲は歌うというより、言葉を訴えていく。自分の想いをしっかりと聞いてくれる方に届ける。歌唱の基本ではあるけど、その大切さをすごく感じた楽曲です。

――ちなみに、蒼井さんが最初にこう歌いたい、と思っていた感じとアヴちゃんからのディレクションは違うものだったんでしょうか。

蒼井:いや、不思議とそこは一緒だったんです。だから、そこまでイメージと違う、というのはなかったですし、見ていた着地点は最初から一緒だったんだなと。初対面とは思えないほど、最初から話も盛り上がりましたし(笑)。自分にとって、すごく贅沢な時間でした。

楽曲には “寄り添う”気持ちを必ず根底に

――「Freestyle Lover」、「8th HEAVEN」をはじめ、新録曲でこだわった点はありますか。

蒼井:できるだけ自分のポリシーでもある“変わらずに変わる”を意識していきたい、という気持ちをベースに、今回は特に前向きな楽曲を選びました。やっぱり前進していきたい。足踏みでもいいから一歩ずつ進んでいく。そういうものを感じていただけるような曲を選んだつもりです。

――たしかに歌詞を見ていると、前向きな気持ちに寄り添うようなイメージのものが多いのかなと思いました。

蒼井: “寄り添っていく”というのは、自分の使命のようなものなのかな、という気持ちもあるんです。
 
もちろん、どの楽曲でも“新しい蒼井翔太”を提示していますけど、結局どんなかっこいいパフォーマンスをして喜んでいただいても、それが一方通行だったら伝わりにくいのかなと。だからこそ、その奥底には“寄り添う”という根本的なものを必ず置いておきたいなと考えています。

――それは、今回の新曲に限らず、ということでしょうか。

蒼井:そうですね。ファンの方に、という想いはもちろんですけど、アーティストとしては、これから新しく出会う方たちにも、寄り添う気持ちを込めなくちゃいけないなと思うんです。実は、そう思うようになったのにも1つきっかけがあったんですよ。
 
友人が僕のライブ映像を、たまたま僕のことを知らない彼のお母さんと一緒に観てくれたらしいんです。そのお母さんが、僕が作詞・作曲した『君のとなりで』というみんなにありがとうを伝える楽曲を聞いて、言い方がちょっと難しいんですが「ファンのみんなに『ありがとう』と歌っているのは伝わったけど、ファンじゃない人が聴いたら私に向けて歌っているものじゃないな、と思っちゃうかも」と感じたらしいんですね。
 
それを聞いて、僕は「そうなんだ……」とちょっと落ち込んだし、そう思われるのは嫌だなって。もちろんいつも応援してくださっている方に伝えたい、という想いは1番だけど、ファンの方以外にもちゃんと伝わる気持ちの込め方をしなくてはいけない。
 
改めて自分自身や自分の歌と向き合う時間を多く作らないとダメだと、自分を見つめ直すきっかけになったんですね。
 
もちろんファンの方とはこれからも一緒にいろんな景色を見ていきたいし、感謝の気持ちは本当に大きいから、勘違いしてほしくないんですけど。もっともっといろんな方に届くような歌を歌いたい、というのが今の自分の想いですね。うそのない歌を歌いたいという気持ちが強くなりました。
 

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