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『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ネタバレ考察

アスランの妄想やラストに込められた意味とは?ネタバレ全開で全力で『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』について考察したい

大ヒットを記録を更新中の映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』2006年の劇場版」制作決定発表から数えると約18年、ずっと待ち続けたファンにとっては見たかったシーンのオンパレードとも言える作品です。情報量が凄まじく多いのもあって、すでに複数回劇場に足を運んでいる方も少なくないかと思います。

公開から一ヶ月以上が経ったタイミングでもありますので、長年の『ガンダムSEED』シリーズのファンとして本作をみて感じられたこと、ラストシーン含めて本作がどんな作品だったかを、あらためて振り返ってみたいと思います。

※本記事は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の内容について、多数のネタバレを含んでおりますので、映画をご視聴の上でご一読ください。

 


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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
C.E.75、戦いはまだ続いていた。デュランダル議長の死により、デスティニープランは消滅したが、同時に大戦終結後の世界を安定させる指標は失われた。各地で独立運動が起こり、ブルーコスモスによる侵攻はくり返され、人々はさらなる戦乱と不安の最中にあった。事態を沈静化するべく、ラクスを初代総裁とする世界平和監視機構・コンパスが創設され、キラたちはその一員として、各地の戦闘に介入する。そんな折、ユーラシア連邦からの独立を果たした国・ファウンデーション王国から要請があった。ブルーコスモス本拠地へのコンパス出動を求めるものだ。要請を受け、キラたちはラクスを伴い、ファウンデーション王国へ向かう。作品名機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM放送形態劇場版アニメシリーズ機動戦士ガンダムSEEDスケジュール2024年1月26日(金)キャストキラ・ヤマト:保志総一朗ラクス・クライン:田中理恵アスラン・ザラ:石田彰カガリ・ユラ・アスハ:森なな子シン・アスカ:鈴村健一ルナマリア・ホーク:坂本真綾メイリン・ホーク:折笠富美子マリュー・ラミアス:三石琴乃ムウ・ラ・フラガ:子安武人イザーク・ジュール:関智一ディアッカ・エルスマン:笹沼晃アグネス・ギーベンラート:桑島...

 

改めて見直すと感じ方が変わるシーンが満載

筆者も先日、久しぶりに映画館で3回目の視聴を終えてきたのですが、1回でも面白いのに、2回目以降は新しい発見がいろいろあるのが本作のすごいところだと改めて感じました。

複数回の視聴で一番印象が変わったのは本作における大ボスとも言えるオルフェ・ラム・タオに対してです。最初に見た時は「面白いけど『ガンダムSEED』っぽくはない、典型的な悪役キャラ」みたいな印象で、過去に福田己津央監督が手掛けた『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の黒幕であるエンブリヲを連想していたほどだったんですが、実はそうでもないじゃないだろうかと。

 

 
オルフェは最後のキラとの戦いでシュラを始めとしたアコードは全員死亡、もはや大勢は決した中でも「今のままだから世界が滅びてしまう。だからアコードである僕が導く」といった趣旨の言葉を発しています。

ラクスへの接し方がひどすぎたので、ああした描かれ方にはなってしまっていたんですが、オルフェを突き動かす根底には「滅びゆく世界を自分が救わないといけない」という使命感のようなものが根底にあり、デスティニープランを否定した世界を作ったことの責任感から一人で戦おうとするキラとは通じる部分があるんですよね。

もしキラがヤマト夫妻に育てられず、トールたちやラクスにも出会わないまま、「お前はスーパーコーディネイターとして世界を導かなければないけない」と育てられていたら、オルフェと同じようになっていた可能性は十分にあったんじゃないかと思っています。アウラにそう思うように誘導されていたことを差し引いても、世界を憂う気持ちはに偽りはなく、イングリッドがなぜオルフェに惹かれたのかも、少しですが想像できるようになってきました。

 

 
様々なシーンでの描写にも後からいろいろ気づける部分も多く、福田監督やメインキャスト陣がXや様々な媒体のインタビューで明かしてくれている裏話を踏まえた上で見ると、めちゃくちゃ細かいところまで拘って作られているんだということを改めて実感できます。

監督がXで明かしてくださった情報の中で印象的だったのが、ファウンデーションに入国する際のミレニアムとアークエンジェルの着水のシーン。ミレニアムが盛大な水しぶきがあげながら着水しているのに対して、作中でも最強の操舵手としてファンからの人気も高いアーノルド・ノイマンが操縦するアークエンジェルは、ほとんど水しぶきが立たないように静かに着水しています。実際にそのシーンをみると差は歴然で、こういうさりげないところで、操舵手としての腕の差を表現しているのがすごいですよね。

シンとルナマリアの描写についても結構印象が変わった部分です。映画中盤にファウンデーションでの会食後の夜、ルナマリアが「シンの馬鹿……ガキ……」と呟く傍らで、シンもミレニアムの外で落ち込んでいる様子を見せるシーンがあります。このシーンは最初に見た時は、「さっきは明るく振る舞ってはいたけど、やっぱりシュラとの決闘に負けたことや、アグネスに言われたことを引きずってるんだろうな」と解釈していたんです。

 

 
ところが、実はあの夜にシンはルナにちょっかいをかけようとして失敗したという経緯があったらしく、シンが落ち込んでいたのは「ルナマリアを怒らせてしまったこと」だったみたいなんですよね。それを知った時、シュラに負けたりアグネスに嫌味を言われることよりも、ルナマリアとの喧嘩の方がよほどシンにとって重大な出来事だったというのがまず面白いですし、本作のテーマを考えた時に、すごく重要なことに最初から気づいていたキャラクターでもあったんだなと思えます。

思い返すと、ミレミアムに戻ってきた時マリューやキラとわざわざ別行動をとってまでシンがルナマリアを脅すフリをしにいった場面は、最初ちょっと違和感があったんですね。

 

 
ただ、上記の前提を踏まえると、シンが一人で先にルナマリアに会いにいったのは、「喧嘩の後にどうやって仲直りしようか」頭を悩ませた末の行動だと解釈でき、本当に馬鹿でガキっぽくはあるんですけど、ものすごく可愛いヤツだなと。

ルナマリアがシンが死にそうになるくらい強く抱きしていたことも、喧嘩別れしたままもう二度と会えないと思っていたという前提を踏まえると、ものすごく腑に落ちます。最初に見た時、この流れを正確に理解できた人はほぼいないんじゃないかと思えますし、Blu-ray版などで少しシーンが追加されないかなと期待してしまいます。

 

 

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