春アニメ『夜のクラゲは泳げない』連載第3回：伊藤美来×高橋李依×富田美憂×島袋美由利｜山ノ内花音（CV:高橋李依）は天性のアイドル!? JELEEが揃った第3話を声優陣が語る

山ノ内花音は天性のアイドル!?

――第3話はキウイ回でしたが、彼女もクリエイティブな能力は高いんですけど、また違ったところでの悩みを持っていました。

富田：キウイの過去も第3話で少し出てきますけど、人一倍「自分はこうありたい」とか「こうしたい」という理想を持っている子なんですよね。その分、自分のなりたい像で、渡瀬キウイという人間をすごく覆っていたというか、守っているところがあると思うんです。

だからこそ、それがまひるに知られて崩れてしまったときに落ちるところまで落ちてしまう。でも、まひるのやっていた演劇とキウイの外に出てこれなくなっている現実とが重なっていたのもすごく良くて！　まひるが、すごく変な歌を歌いながら、変な踊りを踊っていたんですけど、キウイはきっと、それにとても救われたんだろうなって、第3話を見て思いました。

――「あなたは、私にとってのスーパーヒーローだから！」って、きっと脚本を勝手に変えていますよね。そのままキウイへのメッセージになっていて素晴らしかったです。

富田：ここまで自分のことがバレてしまったら、絶対に友達ではいてくれないし、自分からあれほど激しく突き放してしまったから、もう自分の味方なんて誰もいないんだと思ってしまったと思うんです。それでもキウイちゃんはヒーローだからって言い続けてくれるまひるに、すごく救われたんだなと思いました。

伊藤：あそこの歌は、ほぼアドリブです（笑）。音程とか。

高橋：すっごく癖になる〜（笑）。

伊藤：どうしたらいいんだろうと思いながら現場へ行って微調整してもらったんです。合間に「あらよっと」とか入れて舞いっぽくしてくださいとか言われながら。でも気持ち的には、キウイへの熱い思いを込めて、舞っていました（笑）。

――唯一の居場所だったわけだから、それがなくならなくて良かったです。それと個人的にはAパートで、花音が「めいのことも好きだよ」って、いい声で言ったりするところが良かったです。ああいうユーモアが、この作品の各所で効いているんですよね。

高橋：それこそ第1話の最後もそうなんですけど、花音ってかわいらしいのに、たまにそういう振る舞いをすることがあるので、楽しく演じました。でもあれは、悪い子ですよね（笑）。

伊藤：めいに対してだと、特にアイドルのスイッチが入る感じがするよね。アイドルらしいサービスをするところがあって、いろんな一面が見られてかわいい！

高橋：花音は言葉ではっきりと、それ好きだよとかかわいいとか、真っ直ぐに言うから、天性のアイドルなんだな〜って思っちゃいます。眩しい。

――そして、最後はキウイがヒーローらしく決めて、「最強ガール」のMVを作るんですけど、彼女もすごい才能がありました。

富田：そうなんです！　キウイは何でもできるんです！

高橋：エンディングのMV、めっちゃ良かったですよね！！

富田：第3話に関しては、エンディングに入る導入もすごく良くて。プレミア公開じゃないですけど、カウントダウンするところからEDに入っていくのも、本当にこの子たちが作ったものが配信で流れるんだ！って感じがあって、私も大好きな曲になりました。

――あの入り方は最高でしたね。

島袋：おしゃれ！

――この作品、ただでさえOPとEDがいいのに、こういう特殊エンディングもあるんだと、今後も楽しみになる感じがあって、すごく良かったです。そして、Cパートで２年ぶりにまひるとキウイが再会するという。

富田：そうですね。そしたら頭がピンクだし（笑）。

伊藤：「頭、ピンク――！？」って。

高橋：いいリアクションだったなぁ。

島袋：好きです。

――今、自然とまひるで言っていた感じですけど、セリフが、本当にキャラクターが発している生きた言葉に聞こえるんですよね。セリフっぽくないというか。

高橋：すごく馴染むんですよね。ちょっと先の話数にはなっちゃうんですけど、褒める言葉選びとか、JELEEのメンバーだからこそ出てくる言葉選びで、すごく好きなんです。

特に、花音たちがキウイに会ったときのリアクションでパッと出てくる一言目に、彼女たちの良さが詰め込まれていると思ったんですよね。

――まさに、言いそう！っていう感じでしたね。まひるが第2話ですでに長女感が出ているところもそうですが、説明していないのに、演出やセリフで、4人の距離感がわかるのがこのアニメの良いところだなと思いました。

伊藤：彼女はすぐ常識人ぶるんですよ（笑）。お姉ちゃんぶるというか。でも、まひる自身は自分のことを普通だと思っているんですけど、実際そんなに普通なのかな？っていうところもあるんですよね。イラストもすごく良かったし、すごい才能を持っているんじゃないかな？って、私は思っています。

――そのあたりも楽しみにしています！

［文＆写真・塚越淳一］

TVアニメ『夜のクラゲは泳げない』作品情報

あらすじ

“私”も誰かみたいに輝きたい。

明日話すべき話題も、今週買うべき洋服も、
全部スマホ（ルビ：トレンド）が教えてくれる。
何者かになってみたい——そんな願いを持つ間もないほどこの世界は忙しい。

活動休止中のイラストレーター“海月ヨル”
歌で見返したい元・アイドル“橘ののか”
自称・最強Vtuber“竜ヶ崎ノクス”
推しを支えたい謎の作曲家“木村ちゃん”

世界から少しだけはみ出した少女たちは匿名アーティスト“JELEE”を結成する。

自分じゃない“私たち”なら——輝けるかもしれない。