音楽
『イブステ』堀田竜成が紡ぐ大原 空への想い|楽曲制作インタビュー

「空は僕の芸能活動を始めるきっかけをくれた」──2.5次元ダンスライブ『ALIVESTAGE』大原 空役・堀田竜成さんが空に向けた感謝の楽曲を制作! 発売に向けて空への6年分の想いを語る

空との出会いが起こした考え方の変化

──改めて空を演じる中で意識されていることはありますか?

堀田:歌も演技もそうなんですけれど、空くんって周りの人たちとか、自分の目指していくものとかにまっすぐ向き合っていくキャラクターなので、歌とかお芝居にダイレクトに思いを乗せて相手に届けられるんです。

お芝居をしている相手だけじゃなくて、それを見ているお客様にもすごくダイレクトに届けられる言葉選びができますし、自分自身にも響くことが結構多くて。こういう生き方ってすごく素敵だなって思える瞬間がたくさんあるというか。

空として伝えたい言葉とか思いは意識しながら、しっかりと歌とかお芝居に乗せてお客様に届けるように意識しています。

──ここまで演じていく中で、空のイメージがより形成されていったと思うのですが、いまの堀田さんが考える空は、どういうキャラクターだと思いますか?

堀田:空は自分のビジョンとかをたくさん思い浮かべられるクリエイター気質なキャラクターだと思うんですけれど、心が折れそうだったり、挫折しそうなときだったり、何かあったときにいろんな人を巻き込む力があるなって思うんですよね。

空の一番素敵だなって思うところは、そんな空を守ってあげたいって思わせる空の人柄。自分からお願いしなくても、きっと空が挫折しているところを見つけたら救ってくれる人が周りにたくさんいるんだなって。それってとても素敵なことだなって思うんですよね。

自分が助けてって言うんじゃなくて、大丈夫? って向こうから声をかけてもらえる。それは僕にとっても人として成長できる一つだったのかなって思います。空という役を演じていて、自分自身も誰かが困っているときに手を差し伸べてあげられるような人になりたいし、自分に何かあったときに守ってくれるんだろうなっていう人をたくさん増やそうって思えるきっかけになることが多くて。

見返りを求めず相手と関わるということを、すごく意識できるようになったきっかけだったのかなって思います。

──素敵ですね。そういった姿勢で毎公演臨んでいたら堀田さん自身もどんどん人としての高みへ上り詰めていきそうですね。

堀田:どうなんでしょうか(笑)。でも、見返りを求めちゃうと本当に駄目だと思うんです。相手がこうしてほしいんだろうなって思うことを、求められる前に何かしてあげられる。してあげたからこうしてほしいを求めない。

例えば友達に誕生日プレゼントをあげて、自分の誕生日には何ももらえなかったときに悲しくなる人って、きっといると思うんです。でも自分があげたいと思ってあげただけであって、自分がもらえなかったから悲しくなるって結局見返りを求めているじゃないですか。その気持ちをやめようと思ったんです。

ここ2~3年くらい、多分空ってたくさんこういうことをしてるんだろうな、って感じることが多くなって。今はそういった思いを持って人と関わるようにしています。

──見返りを求めない、って頭では分かっていても、実生活に反映させる形で実践されているのはすごいですね。本当に人としての高みと言いますか。

堀田:全然ですよ! わがままめちゃくちゃ言うんで僕。もうめちゃくちゃわがまま言います。

──例えば……?

堀田:これやっといてって言われても、「嫌だ、その気持ちにまだなれてない」とか(笑)。これは現実的にちょっと無理かも……みたいに言われても、「いや絶対これはできるように自分がするから絶対やりましょう、NGなんて言わせません。絶対やりましょう」……みたいな。

事務所の方によく言うんですけれど、すごく頭を抱えさせていることが多くて。支えてもらっているので感謝の気持ちはいっぱいあるんですけれども。ただ、何かしら還元できるものが形になればいいなって思って、今は自分を信じて動いています。

逆オファーで実現した楽曲制作プロジェクト

──曲の制作に関して、今回の楽曲は堀田さんご自身が曲を作りたいとオファーを出されたと伺いました。改めて経緯を教えてください。

堀田:当時24歳くらいだった僕が芸能生活を始めるきっかけになった空というキャラクター。それから巡り合いで、いろんなキャストの方やスタッフさん、何よりもお客様という本当にたくさんの方との出会いを作ってくれました。

あれから6年経って、年齢も30という節目になって、改めて自分の中でもリスタートしていきたいし、活動を始めた頃の気持ちや感謝といった想いを、この30歳っていう節目で形に残したいなって思ったんですよね。

そこで一番に浮かんできたのがやっぱり空くんというキャラクターだったので、自分が生きてきたこの人生の中で、挫けそうだったときや勇気をもらったこと。そういった気持ちを、歌詞に乗せて歌に乗せて空に向けて歌いたい。でも、ただ空に感謝の気持ちを伝えるだけではなく、空を応援してくれるお客さんだったり、『ツキプロ』っていうコンテンツを応援してくれるお客さんに向けて、何かメッセージ性の強い曲を作りたいなって思ったんです。

だから、今までこの30歳になるまでの積み重ねを形にした曲をムービックさんと一緒に作りたいと思い、わざわざ時間を作っていただいて、僕の考えを説明させていただきました。

そうしたら、一緒にやろうか、作曲どうするみたいな話になったんです。作詞は自分でやるんですけれど、「作曲はじょん(滝沢 章)さんにやってほしいです」と言って。ジャケットイラストも、「ALIVE(アライブ)」の絵を描かれている志島とひろ先生に描いてほしいと伝えました。

僕をイラスト化してとひろ先生に描いていただいて、作曲はじょんさんにしていただいて、作詞は僕がしたい。空というものを作っている人たちと、ムービックさん、皆さんと一緒に僕が積み上げてきたものを形にしたいなっていうことで逆オファーさせていただいて。

そしたら、ちょうど原作も10周年の節目を迎えるタイミングだったり、空の声優を担当されている豊永利行さんも過去に空へのアンサーソングを歌っていた(「Charactanswer」に収録の「エンジョイ!!!」)から僕から空への歌を作ることをエモいと思ってもらえたみたいで、結構前のめりに話を聞いてくださって、どうしていこうかと今回のこのプロジェクトがいろいろ進み始めるという経緯です。

──プレゼンはどのようにされたんですか?

堀田:ストレートに、いま言ったような思いをまっすぐ伝えました。やっぱり一番伝えたかったのは、このプロジェクトは空や『ツキプロ』っていう作品を愛している人たちと一緒にやりたいなと。

その思いを一番に伝えることが僕にとって大切だったので、それをムービックさんや、じょんさんに伝えたところ納得していただき、今回のプロジェクトが始まったんです。

他の誰かじゃなくて、やっぱりこのメンバーでやりたいのが、僕の中で一番大切なことだった。その思いを伝えさせていただきました。

──先ほどのお話にあった、見返りを求めないというお話が実を結んでいるのかもしれませんね。

堀田:僕にとって、これだけたくさんの経験ってお金で買えないと思うんですよね。積み重ねていく経験ってお金には変えられないものだから、僕にとっての一生の中で、この6年ってめちゃくちゃ大きくて。

この経験をくださったムービックさんとか、関係者の方たちとか、そういった人たちにありがとうっていう感謝の気持ちもお返ししたかったんです。

きっとムービックさんや関係者の方が一番喜ぶ瞬間って、この曲が完成して、お客さんが聞いて、感動してくれた瞬間だと思うんですよね。だからそういった形で自分なりの感謝の気持ちをお返しできたらな、とすごく思っています。

──デビューしてからの集大成ですね。

堀田:まさにそうだと思います。今でこそ自分でライブを作る機会もありますが、何も分からなかった自分が空という役をきっかけにいろんな方と関わって、いろんな経験させていただいて。

音の作り方や照明の作り方とか、制作周りの動き方とか、そういったものも目の前で勉強させていただいたので。そういったものが堀田竜成を新しく作り直してくれたというか。(今回のプロジェクトは)僕から皆さんへの感謝の気持ちが本当に大きいなって思います。

──じょんさんが作曲を務められるということですが、楽曲制作にあたってどういったお話をされましたか?

堀田:僕、 SOARAの「未来への贈り物」という曲がすごく好きで。というのも、Episode6の「Gift」という作品で初めて歌わせてもらったんですけど、初代守人役の石渡真修くんが卒業する回だったので、この歌はなんか特別な思い入れがあります。

「未来への贈り物」は本当にメッセージ性がとても素敵で、曲調もめちゃめちゃ良い曲なんです。毎回歌いながら感動していたし、それと、曲って思い出になるものだと思うんですよね。

メロディを聞いたときに、あのときああだったな、何歳だったな、あの人といたなとか、あの人と聞いた曲だな、雪降ってたなとか、多分景色が浮かぶんですよね。僕にとっての一番景色が浮かぶ曲っていうのが「未来への贈り物」で。

ただ、じょんさんとどんな曲にしようかって話したときに、SOARAっぽくない曲の方がいいよねって、僕自身そこはこだわっていたんです。これで空くんやSOARAっぽい曲を作ってしまうと、「やっぱりそうだよね」「元気な青春っぽい感じね」って思われるかもしれなくて。でも(今回は)そういう思いで作ってる曲じゃないから。

なので、僕が得意なジャンル、僕らしさが生まれるジャンルの曲調で行きたいと「未来への贈り物」と、全然違うアーティストさんの曲を参考に送らせていただきました。曲調は「未来への贈り物」ですけれど、歌い方とかはこっちのアーティストさんの曲調でいきたいとリクエストさせていただき、こだわって作りました。

やっぱり思いが強い曲なので、じょんさんに全部お任せではなく、お互いにメロディや歌詞をディスカッションしながらハイスピードで制作しているので、完成が楽しみですね。

──デモも聞かせていただきましたが、ほぼ完成形かと思うくらい形になっている印象を受けました。

堀田:でも、完成までにもっともっとブラッシュアップして良い曲ができるように、もっともっと話し合いをしたいなと思っています。ただ、こうして形になってきて、自分の中で曲を愛でたいくらい、形があったら抱きつきたいくらい愛おしい、大切にしたい曲です(笑)。

──(笑)。そんな実際に形になったものを聞いてみて印象はいかがでしたか?

堀田:じょんさん特有の曲の作り方が本当に素敵で、お願いして良かったってすごく思いました。サビを聞いたときに、包み込むような曲調から、お客様の前で歌ったときの景色が浮かんできて。とにかく早く曲を作って、みんなの前で歌って思いを届けたいなって改めて思いました。

──作詞は絶賛作業中かと思いますが、手応えはありますか?

堀田:最初に書いたときには手応えがあって。でもメロディを初めて聞いたときに、もっと良い言葉とか、もっとできるんじゃないかなって。やっぱり聞けば聞くほど思うので。皆さんに届けられるように、今はブラッシュアップしているところですかね。

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