
【今週の『ONE PIECE』の話題は?】考察要素多すぎ…! ギャバンは火ノ傷の男? バッカニアの元になった種族は? ハラルド王と魔法陣の謎<1139話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載27年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
2月10日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1139話“山喰らい”では、金獅子のシキか?スコッパー・ギャバンか?と議論が白熱したあの男の正体がついに明らかに! また、謎の魔法陣の登場がさらなる考察を呼び話題となっています。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1139話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
スコッパー・ギャバンついに登場!
「来い…」とルフィたちの上陸をエルバフで待つ謎の人物(原作第1124話)。
彼は扉絵連載「世界の甲板から」シリーズでクロッカスと酒を酌み交わす編笠の人物と同様と言われており、その正体はシルエットから金獅子のシキか、はたまたクロッカスと親密な様子からスコッパー・ギャバンかと噂されていました。
最近は第1135話ではリプリーの夫・コロンの父が人間族&エルバフの戦士にも劣らぬ海賊であったという要素から、第1138話ではロジャー海賊団とシャンクスについて語るルフィの隣のコマに意味深に描かれた後ろ姿から、ギャバン説が濃厚に。
そして今回ついにその姿がお披露目され、正体はやはり元ロジャー海賊団のスコッパー・ギャバンと判明しました。
偉大なる航路(グランドライン)の入口にクロッカス、新世界の入口にレイリーと続いたようにラフテル手前にはギャバンがおり、ロジャー海賊団の面々がルフィたちを導くのではという説がありましたが、見事にそれが実現した形に。
レイリー同様、伝説の海賊として逸話が多く残っており、サンジを彷彿とさせる一面を持った陽気なキャラクターながら強者の迫力は健在。SNSでは読者から「愛は自由ってかっこいい!」「ロジャーにもルフィにとってのゾロとサンジのような両翼がいたんだな」「ギャバンに力を試されるならルフィがまた強くなるな」「レイリーもそうだったけど、ルフィの姿をロジャーに重ねるの熱い」「おでんの影響がすごいw」など、多くの感想が寄せられています。
また、ギャバンといえば「火ノ傷(ヒノキズ)の男」が彼であるという考察もネット上では有名です。「山喰らい」「愛の伝道師」「ヤーさん」とすでに二つ名が複数あるギャバンですが、「火の傷(ヒノキズ)の男」の正体もギャバンなのでしょうか?
ビジュアル面からいえば、現在のギャバンには額に傷があるので、可能性は否定できません。「ロード歴史の本文(ポーネグリフ)」を所有している理由も、ロジャーの意志を継ぎ世界をひっくり返せる人物(ルフィ)が現れたときに託そうと守っているとすれば納得ですよね。
しかし、「火ノ傷(ヒノキズ)の男」と仮定しても引っ掛かるのは、<真っ黒い船に乗り、巨大な渦で敵船を飲み込む(=能力者の可能性)>という「火ノ傷(ヒノキズ)の男」の特徴。
今回語られた斧2本で数百の海賊を倒したという偉業は能力者感のあるエピソードではありませんでしたが、実はギャバンは「ウズウズの実」など、渦にまつわる悪魔の実の能力者なのでしょうか。このあたりは次回以降、ルフィの力試しをする中で明らかになる可能性もありそうですね。
また、真っ黒い船はシルエット上でかなり立派な海賊船のように見受けられました。この船はギャバンがロジャー海賊団解散後にどこかで手に入れたのか、もしくは誰かの船に乗っているということに。はたまた政府や世間の目を背けるため、かつてのオーロ・ジャクソン号を塗り替えて乗り続けているという線もあるかもしれません(筆者はそれならロマンがあっていいな、と思っています)。
大きな帆船ならばギャバン一人でなく他のクルーがいる可能性もありますし、「火ノ傷(ヒノキズ)の男」はギャバンで、渦を起こすのは別の誰かという線も考えられるかも?
「バッカニア」「ドスンダダ」ってなんのハーフ? 気になる混血種族の名が続々登場
ギャバン自身についても気になるところがたくさんありますが、ギャバンの口からも気になるワードが。
「バッカニア」「ドスンダダ」「手足首長」「魚巨人(ウォーターン)」と、4つの混血種族(複合民族)の名前が飛び出しました。
特にバッカニアといえばバーソロミュー・くまがその血をひいていると明かされたことが記憶に新しい。五老星のサターン聖いわく、バッカニアは「大昔に世界に対して罪を犯した」種族。世界政府からは敵視されており、バッカニアの血をひくとバレたとたん奴隷階級に落とされてしまいます。作中では絶滅種との説明もありました。ビッグ・マムの万国(トットランド)にいない種族のうち一つもおそらくこのバッカニア。
そもそもが絶滅種とされていたバッカニアが混血種だったことに驚いた人も少なくないのではないでしょうか。ネット上では、「巨人族と関係ありそうだし、古代巨人族の血が入ってたのかな」「かけ合わせ元の種族そのものがかなりレアなのでは?」「第一世界か第二世界で空白の100年より前にいた古代種同士の混血とか」とさっそくバッカニア族の元となった種族は何かと考察が盛り上がりを見せています。
中には、天竜人と古代の奴隷種族の混血ではないかという考えもあるよう。「愛は自由だ」という今回のギャバンのセリフもあいまって、大昔に身分を超えたそんな愛もあったのかもと想像がふくらみます。奴隷×天竜人という点のみでいえば、ジニーの悲しい実例も……。
また、「ドスンダダ」という初出の混血種族の名も登場し、気になった読者が多い様子。「初めて聞く名だ!何と何の混血なんだろう」「巨人とトンタッタとか?」「小人族とのハーフありそう」といった声が多数ありました。名前の響きからするに、なんだか大きそうな気がしますよね。
奇しくも神典(ハーレイ)の登場により、Dの一族が月の民と人間のハーフ(D=半月)説が再燃したタイミングでの混血種族の話題。“自由な愛”による混血種族は今後のストーリーのカギとなるかもしれません。
ハラへッターニャにあったアレ? 王の間にある魔法陣の謎
さらに今回、読者の考察熱を盛り上げたのは、王の間に残る不気味な魔法陣。
ルフィが見た記憶があると言っていたように、五老星や神の騎士団が召喚された際に使用したものだと思われるが、それがなぜエルバフのアウルスト城内・王の間にあったのか? 一時的に出現した魔法陣というよりは、ガッツリとそこに描き残されている感じが不気味さを際立たせていましたね。
魔法陣は悪魔を呼ぶ儀式に使われるとのことですが、つまりはここから現れる五老星や神の騎士団、ひいてはそれらを束ねるイム様自身が悪魔なのか……。悪魔の実にも関わるものなのかもしれません。
この魔法陣、かつてブルックが2年を過ごしたテーナ・ゲーナ王国のハラヘッターニャで登場したものとも酷似しています。ハラヘッターニャにもいつの日か世界政府(イム様?)が使った魔法陣が残っており、ハラヘッターニャの人々が知らずのうちに利用してみたところ、タイミングよくブルックが現れたのかも。
しかし、ハラルド王はこの魔法陣を知らなかったとは思い難いですよね。ネット上では少し前からハラルド王を怪しむ声が多いですが、やはり裏で世界政府と繋がっており、民衆にいい顔をしつつも悪事を働いていたのでしょうか。ロキを逃すことができればその真実も明らかになるかもしれません。
今週も考察要素盛りだくさんで読み応え満載でしたが、なによりもゾロの流れるようなサイレントお姫様抱っこにトキメキがとまらない筆者でした。
[文/まりも]