
【今週の『ONE PIECE』の話題は?】五老星“不老”の理由は「深々海契約」にあり? やはりロキは潔白か……ハラルド王殺害事件の真相に迫る!<1168話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
12月8日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1168話“エルバフの雪”では、イーダとハラルドがたどる運命に悲しみの声が集まっています。そして、イム様との“契約”にも注目が。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1168話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
イーダとの別れに読者も涙
第1168話ではイーダの最期の瞬間が描かれ、読者から多くの悲しみの声が寄せられました。
荒くれ者だったハラルドを名君へと導くきっかけを与えたイーダ。エルバフのしきたりによって正妻になることが叶わなかったものの、そんなことは気にも留めず、持ち前の大きな器と深い愛情で実の息子・ハイルディンはもちろん、正妻の子にあたるロキをも優しく包んできました。つねに公平な目線を保ち、狼狽えるようなことが起きても前向きでいることをやめない彼女の存在は、苦しい展開が続くストーリーのなかで読者にとっても救いのようでした。
しかし、イーダをよく思わないエストリッダ(ロキの実母)の一族に毒を盛られ帰らぬ人に。そんななかでもイーダは最期まで国や子どもたちを思い、ハラルドの展望を笑顔で応援しながらこの世を去ります。
力をなくすイーダの手、目頭をおさえるハラルド、イーダのもとへ駆け出すハイルディンたち、ロキの表情、しんしんと降る雪の描写も相まって、涙なしでは読めない新たな名エピソードとなりました。
SNSでも「ONE PIECEではいいお母さんがどんどん死んでいく…」「ハラルドが生涯イーダを愛したことに泣ける」「ただただ悲しい」「こんな人格者が毒を盛られて亡くなっていく世界…つらい…」と悲しみの声が続々。
また、イーダの死をめぐって、「見聞色でイーダの死を悟ったのか…」「ロキの表情に胸がぎゅっとなる。ひと目でも会わせてあげたかった」「ロキ、切ない」など、ロキを思うコメントも多く挙げられています。
ロキにとって愛をくれた母はイーダだけ。しかし、そんな最愛のイーダに毒を持ったのは自らの実母の一族。敵討ちをしたために投獄され死に目には会えず。あまりにもやるせない構図が胸を刺しました。ロキには幸せになってほしい……。
イム様との“契約”の概要が明らかに。元は五老星もいい人だった説も?
イーダ亡き後、ハラルドはイム様に認められ念願の神の騎士団入り。
前話からの流れや五老星やイム様らの会話内容からするに、「浅海契約」(神の従刃)では左腕にマーク(タトゥー)がつき、五芒星(アビス)を通れるようになる程度でしたが、「深海契約」(神の騎士団)に進むと左腕のマークにデザインが足され、さらに「力」と「不死」が与えられるようです。ハラルドの虚の玉座への反応からして、イム様の存在を知らされるのもここみたいですね。
さらに、「深海契約」(神の騎士団)を交わした者は、イム様の「命令」に服従するとのことで、本人の意思にかかわらず身体はイム様の言う通りに動いてしまうようになります。
つまるところ、イム様の傀儡、奴隷のようなもの。ロックスやドリー、ブロギーらが受けた「黒点支配」(ドミ・リバーシ)にも通じるところがありますね。
本人の意思に関わらずイム様の命令に逆らえなくなるしくみは「深々海契約」(五老星)でも同じだと思われます。
そこで、一部の読者からは「イム様との契約前は五老星も善良な人間だったかもしれないってこと?」「少なくともずっとイム様の奴隷やってると思うとちょっとかわいそう」といった意見も。
五老星のモデルは、ガンジーや板垣退助など世界の偉人である可能性が高いとされています。そのため、以前から「黒幕的ポジションのキャラクターたちのモデルがなぜ世界の偉人?」と疑問の声もあったのです。実際のところはわかりませんが、もとはハラルドのような名君だった者たちがイム様との契約によって変わってしまったなら、偉人がモチーフとなるカラクリにも納得ですよね。
そして、そんな五老星といえば「見た目が変わらない」ことも長年疑問視されている謎のひとつ。サターン聖にいたっては200年前からビジュアルが変わっていないことが明らかになっています。
今回、「深海契約」(神の騎士団)に「不死」が与えられることがわかり、さらにその上の契約となる「深々海契約」(五老星)では「不老」も与えられるのではないかと言われています。そうすれば、つい最近まで「深海契約」(神の騎士団)だったガーリング聖がゴッドバレー事件当時からくらべてしっかり年老いていることにも説明がつきそう。サターン聖の最期を思い返すと、「深々海契約」(五老星)で得た「力」「不老」「不死」の契約が切れ、一気に老いが進んで枯れるように亡くなったとも感じられます。軍子は「深海契約」(神の騎士団)ですが50年以上前から見た目が変わっていないようなので、この点は説明が待たれますね。
ちなみに、今回ハラルドが昇格したのはシャンクスが神の騎士団入り直前の任務で失踪したためだそう。マリージョアにいる間、シャンクスがどんな任務を遂行してきたのか、最後の任務とはなんだったのかも気になります。
ロキの潔白証明なるか。ハラルド殺害の真相につながるエピソードが開幕
契約によるイム様の支配がハラルドの暴走を引き起こし、彼の殺害事件に繋がる展開が見えてきました。
エルバフ編の序盤、ロキは「エルバフの王家に伝わる“伝説の悪魔の実”が欲しくてハラルドを殺しその実を食べた」と説明されていましたが、実際はイムの命令どおりにしか動けなくなってしまったハラルドに頼まれて殺すしかなかったのだろうと予想がつきます。ロックスの死を彷彿とさせますね。
とすると、イーダの敵討ちで投獄されたときしかり、ロキは誰にも弁明したりせず、ひとりですべての罪を被ったということになるのでしょうか。2回目になりますが、ロキ、幸せになって……! ロキがなにを語るのか、次回のストーリーに注目です。
[文/まりも]











































