映画
『ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』戸谷菊之介&榊原優希インタビュー

懐かしい冒険が新たな声で蘇るーーまるで本当の兄弟のような、戸谷菊之介さん&榊原優希さんが語る『ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』の魅力【インタビュー】

2025年2月23日(日)、特別企画「ザ・シネマ新録版」第9弾 『ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』が洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」にて放送されます。

『ジュラシック・ワールド』は、2015年に公開された恐竜アドベンチャー映画。シリーズの生みの親・スティーブンスピルバーグが製作総指揮を務め、2015年の国内最大の興行収入を記録しました。

今回の新録版では、主人公のオーウェン役に山寺宏一さん、クレア役に園崎未恵さんなど、実力派声優が数多く参加。また、ザックとグレイの兄弟役には、2023年声優アワードの新人賞を受賞した戸谷菊之介さんと榊原優希さんが起用されています。

本稿では、ザック役の戸谷菊之介さんとグレイ役の榊原優希さんのインタビューをお届け。収録直後のお二人に、収録の感想や本作の魅力などを語っていただきました。

二人で収録したからこそ生まれた新録版

ーー収録直後ということで、まずは今回の収録を振り返ってみての感想をお聞かせください。

ザック役・戸谷菊之介さん(以下、戸谷):榊原さんと一緒に収録できたことが、やっぱり大きかったです。とても楽しい掛け合いでしたし、収録中も終始ワクワクしていました。加えて、『ジュラシック・ワールド』という素晴らしい作品に携われたという高揚感を持って臨めたので、すごく良いものになったと思います。

グレイ役・榊原優希さん(以下、榊原):小さい頃から『ジュラシック』シリーズが大好きだったので、始まる前から楽しみで仕方なかったですね。こんなに大好きなシリーズに自分が関われるなんて、本当に感無量でした。そのうえ、本当の兄弟みたいな戸谷さんとの共演だったので。

ーーお二人とも同じ年に声優アワードで新人賞を受賞してらっしゃいますね。改めて、本作で兄弟役として共演されてみていかがでしたか?

戸谷:純粋に嬉しかったです。以前にも兄弟役を演じたことがありますし、榊原さんの番組に出演させてもらったこともあって、勝手知ったる仲、といったところでしょうか。

榊原:安心感というか、嬉しい驚きというか、そんな感覚でしたね。それこそ声優アワードの受賞式の際も、僕はドキドキしていたんですけど、戸谷さんがいたからリラックスできた気がします。今回も戸谷さんから癒しをいただきつつ、素敵な兄だなと思いながら、演じることができました。

ーーお互いのお芝居の印象という点ではどうでしょうか?

戸谷:榊原さんは、キャラクターの可愛さを引き出すのがうまいんですよ。セリフの言い方や心の込め方に、嘘がない素直な感じがあって。そういった部分がキャラクターの魅力につながっていると思います。

榊原:戸谷さんは、まっすぐ上手い人だなと。声を聞いていても、すごく自然でスッと入ってくるんです。今回の収録でも、本当にザック君がそこにいる、という温度感を感じるようなお声を発されていて、「この自然さがすごく上手だなあ」と感じました。

素の状態で、優しさと格好良さがある方なので、下手に出そうとしなくても、自然とそういった部分は滲み出ると思うんですよ。

戸谷:ちょっと恥ずかしいですね……。

ーー本作は10年近く前の作品になりますが、戸谷さんは今回初めてご覧になったと伺いました。

戸谷:そうなんです。当時周りの友達はみんな観に行っていたのですが、なぜか僕自身は観るタイミングを逃していて。今回初めて観させていただくと、「何で観ていなかったんだろう」って、ちょっと後悔しました(笑)。

2015年の作品なんですけど、映像のクオリティも今の作品と遜色ないし、ストーリーの構成もすごく面白かったです。僕はホラー系の映画が好きなんですけど、この作品には少しホラーっぽい要素もあって、めちゃくちゃハマりました。これを機にシリーズを全部観たいなと。

榊原:絶対観てほしい!もう全部観て! 『ジュラシック・パーク』シリーズのファンとしては、『ジュラシック・ワールド』が発表された時から本当に興奮していました。ただ、正直ちょっと不安もあったんです。大好きなシリーズに新作が加わるのは嬉しいけど、「これまでの雰囲気と違ったらどうしよう」とか。

でも実際に観てみたら、そんな不安は一瞬で吹き飛びました。「これだよ!自分が求めていたのは!」って。新しい要素も加えつつ、過去作へのオマージュがたっぷり詰まっていて、本当に最高の作品なんです。

ーーザックとグレイの兄弟を演じていく中で、意識したことはありますか?

榊原:最初に「もう少し子供らしさがあっても良い」とディレクションをいただいて、それを受けて調整を重ねていきました。グレイの場合は、年齢的には自分とかけ離れているんです。ただ、そこを考えすぎると子供っぽくなりすぎるので、グレイという1人の人格をしっかり意識して演じました。

戸谷:最初は、まさに思春期の少年っぽい態度で、昔の自分を思い出しながら演じました。でも、ジュラシック・ワールドを楽しむシーンや、不安がるグレイを励ますザックの優しさなどは、物語の中で変化をつけたいなと。例えば、「俺がアルファだ」とオーウェンが言ったときに、ザックが「うわ、今のかっこいい」ってニヤッとするんです。あの場面で「ザックにもワクワクする子供っぽさがまだ残っているんだな」と感じて、キャラクターを掴むきっかけになりました。また、ディレクションでは「ザックもグレイを元気づけようとはしているけど、本当は自分も怖がっている」と教えていただいて、そこも意識して演じました。

榊原:間近でお芝居を聞いていて、「ザック君そのものだな」と感じました。ちょっと未熟だけど、優しいお兄ちゃんって感じ。

戸谷:それこそ榊原さんのグレイも、本当にピッタリでした。無邪気で元気なところや、恐竜に興奮するシーンなんか、榊原さんそのものだなと。

榊原:なんか言わせちゃったみたいで申し訳ないですね(笑)。

ーー(笑)。それぞれ演じている役に共通する部分もありそうです。

戸谷:そうですね。家族への接し方は、ちょっとザックっぽいところがあるかなと思います。思春期らしい気恥ずかしさ、家族に素直になれず雑な態度を取ってしまう感じは、すごく共感できました。だから、最初にグレイにきつく当たってしまうシーンも演じやすかったです。

榊原:戸谷さんの演技からは箸々に優しさがにじみ出ていて、それがまたザックっぽいんですよ。

戸谷:ありがとうございます。『ジュラシック・ワールド』を通じて、自分もザックと一緒にピンチを乗り越えられたような気がしますね。すごく楽しかったです。

ーー榊原さんはいかがですか?

榊原:グレイは好きなことに対して徹底的に調べ上げるタイプで、実際にその場に立ったときに「これが本当なんだ!」と感動するような子なんです。その点が自分とすごく似ているなと。

僕も何か好きなことがあると、つい徹底的に調べちゃうんですよ。最近では運転免許を取ったことがきっかけで車にハマってしまいまして。世界で一番高級な車とか、一番大きな車とか、そういうことが気になって調べ始めたら止まらなくて…。気付けば、帰り道に「あれって〇〇の車だよね」なんて、同期の声優たちに話しているんです。

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