
【ネタバレあり】『ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク』飛世ユウマ役・戸塚有輝さん×石堂シュウ役・金田昇さんインタビュー|二人の絆が描く、信じて一歩踏み出すためのメッセージ
『ウルトラマンアーク』“ならでは”が詰まった劇場版
ーーここからは劇場版のお話を伺います。かなり特殊な構成になっていたと思いますが、台本をご覧になっていかがでしたか?
金田:おっしゃっていただいた通りで、僕も同じ感想です。
戸塚:本当に特殊な……。
金田:普通の劇場作品とは違った構成の組み方なので、台本を読むだけでは完成形が分からなくて。どういった形で描かれるのか楽しみでもあったし、全体的なストーリーもすごくトリッキーですから。ただ、想像はできないものの、確実に面白くなることだけは見えていた気がします。
戸塚:僕自身は結構いつも通りの「SKIP」でもあると思っていて。本編以上のトリッキーさはあるんですけど、そのうえで和やかな感じがしました。きっと劇場版を観た皆さんも和やかな気持ちになるんだろうなって。そういう意味では『ウルトラマンアーク』ならではの良さが詰まった作品になっていると思います。
ーー物語の構成上、何回か同じようなシーンが出てきますよね。撮影はどのように進められたのでしょうか?
金田:僕ら側はずっと同じことをやっていました。「この荷物は右だった?」とか。ユウマだけは違うんですけど、僕らは毎回確認していましたね。シーンによって、同じカットを使っているところもあるし、撮り直しているところもあります。そういう意味では、多分ユウマが一番混乱したのかなと。
戸塚:飛び飛びでやった感じだったよね。
金田:「これは1個目です」「次が2個目、3個目です」みたいな。だからこそ完成形が見えなくて、撮影中は「どこでどう使われるのかな」と。ただ、完成した映像を観ると面白いし、何より飽きないというか。
戸塚:テンポがすごくいいです。
ーー戸塚さんはサスカル役の竹中直人さんと一対一のシーンも多かったですよね。ただ、辻本監督にお話を伺うと「戸塚さんが何故か一番落ち着いていた」とおっしゃっていて。
戸塚:むしろ竹中さんとのシーンが一番等身大の僕でいたような気がします。エネルギーを持った方なので、竹中さんに付いていくだけでシーンが面白くなるんです。僕がやることはそれに反応するだけだったので、ひたすら楽しんでいました。
まずは信じること。作品に通底するモットーとは?
ーー劇場版の鍵を握る「ギルアーク」についてもお聞かせください。ぜひ金田さんに変身すると知った時の心境を伺いたいです。
金田:最初に知ったときは……「ワオッ!!」
戸塚:今の声は何?(笑)
金田:台本を読んでいる時に気づいたんですよ。事前に「劇場版で変身する」という話があった訳ではなくて、台本をいただいてからの「ワオッ!!」でした。すごく嬉しかったんですけど、同時にあまり実感がないというか。自分の中でも大きなサプライズでしたね。この映画の直後にあたる第22話のシュウは腕を怪我していたんですけど、「こう繋がっていたんだ」と驚きました。
ーー戸塚さんはシュウが変身すると知った時、率直にどう思われましたか?
戸塚:これまで変身アイテムを使うのは僕だけだったので、金田くんが使っているのを見ると不思議な気分になります。実は、撮影の前に使い方を教えていたんです。
金田:そうだったね。「怖いなあ」と思いながらやっていました。
戸塚:怖い?
金田:僕が使う段階では、もうユウマは死ぬほど使ってきた訳だから(笑)。
戸塚:確かにそうだよね。他人の靴を履くみたいな。
金田:そうそう。でも、本当に貴重な体験でしたし、すごく楽しかったです。あとは映像として、「ギルアーク」がどう映るのかが気になっていて。いわゆる第1話を迎える前のユウマの目線じゃないですけど、その気持ちに少し共感できたのかなと。
金田:(取材時点では)誰が変身するのか明かされてないですけど、ファンの方には予想されそうですね。
戸塚:どうする? もし、所長だったら……。
金田:面白いけどね(笑)。
ーー(笑)。色々なお話をありがとうございました。『ウルトラマンアーク』としては一つの区切りになると思うので、最後にウルトラマンアークと「SKIP」の戦いを応援してくれたファンの方々へのメッセージをお願いします。
戸塚:『ウルトラマンアーク』という作品は、最終話に向けてずっと積み重ねていたものがあると思っていて。ユウマは両親を失ってから、その日のことをずっと思い続けて生きてきました。それはいいことだけど、その過去に縛られているという見方もできる。全25話の間で、その過去から一歩を踏み出すまでの葛藤を描いていたと思います。
金田:信じて一歩踏み出すことが大事だよね。最近の世の中は情報量が多すぎて何を信じていいのか、信じること自体も怖くなってしまっていると思うんです。『ウルトラマンアーク』はそれを払拭する作品でもあって、「まずは信じてみる、そこから考えればいい」というメッセージを前面に押し出しています。
ユウマを信じているシュウの立場としては、それをモットーとして、全25話で通したつもりです。それが皆さんにも伝わっていたらいいなと。
戸塚:そうだね。きっと伝わったと思う。
金田:あとはウルトラマンがいるからこその『ウルトラマンアーク』ですが、ユウマも含めた「SKIP」として、「その力に頼り過ぎない」という面も現れていたと感じます。自分たちができることを全力でやるというのは、この物語を抜け出した現実世界でもやっぱり必要です。僕自身は出演者ですけど、この作品を観て「自分ができることをしっかりやりたい」と思いました。
だから、この作品を観てくださった皆さんも頑張ってほしいなって。日常の良さを描いて、それぞれの柔らかい優しさが素敵な作品だったと思うので、これからも優しく走っていってください。
[インタビュー・撮影/小川いなり]
『ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク』作品情報
あらすじ
『宇宙賢者』を名乗る謎の男「サスカル」が主人公・ユウマに告げたその言葉が、この闘いのすべての始まりだった。ユウマに課せられる想像を超えた究極の試練。
「失敗すれば、君はアークとしての力を失う――」
怪獣防災科学調査所「SKIP」のメンバーとして守ってきた星元市の平和、「SKIP」に集う仲間たちと築き上げて来た信頼の絆、たびたび直面して来た怪獣を倒す意義への葛藤…。ウルトラマンに変身する光を手にしたからこそ、ひとり重圧を噛み締めて来たそんな使命たちが、いま、サスカルの手により弄ばれ、次々にユウマに襲い掛かる!
暴れる大怪獣たち、荒ぶる邪悪な宇宙人、時空さえも歪められた超次元の中で、ついにその姿を現す黒いウルトラマンアーク、「ギルアーク」。
果たしてユウマは…ウルトラマンアークは、『想像力』を超えて最大の試練に打ち勝ち、未来を守り抜くことができるのだろうか?!
キャスト
(C)円谷プロ(C)ウルトラマンアーク製作委員会・テレビ東京





































