
『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』Dr.ゼノ役 野島健児さん&スタンリー・スナイダー役 遊佐浩二さんインタビュー|千空たち科学王国に立ちふさがる闇の科学王国。大人ならではの合理的な考えが垣間見える
ゼノとスタンリーの信頼関係
ーー演じられるキャラクターの印象をお聞かせください。
野島:最初にゼノのグラフィックを見たときはすごく悪そうな雰囲気を感じましたが、原作や台本を読んでいくと彼には彼なりの正義があるんだなと。僕としては悪だとは思わず、自分の正義を貫いているキャラクターとして演じさせていただいています。
そのうえで、血も涙もないような性格はどうやって生まれたんだろうと。それはきっと天才ゆえの孤独みたいなものを心の中に抱えながら生きてきているからで、人に対する接し方だったり自分がトップに立とうとする想いみたいなものも幼少期の経験や育ちの過程が原因になっているのかなと考えたりしました。
ほかにも、彼は付け爪をしていますが、それは自分の心を守るためのアイテムなんじゃないかなとか。ゼノはビジュアルから性格を感じられるキャラクターだなと思っています。
遊佐:スタンリーを一言で表すとプロフェッショナルですね。非常にクールですし、確実に仕事をやり遂げる、そしてゼノに絶対の信頼を寄せている、そこが彼のすべてかなと思います。多くは語らないですけど、頼まれたことを成し遂げるためにはどんな手段も使うところは冷徹であったり、質実剛健、有言実行といいますか、そういったものでできたパーフェクトな人です。
ーーあまり喋らないキャラクターですが、少しのセリフで人間性を醸し出したり?
遊佐:そうですね。難しいところではありますが、そこはトーンを調整したりですね。最初にキャラクターを拝見したときは唇がつやつやで美しかったので女性かと思ってしまいましたが、中身は非常にハードで、多くを語らない、そこにゼノから信頼を受けているという頼もしさもあるので、それらを表現するために気を使いました。
ーーお互いのキャラクターの印象をお聞かせください。
野島:絶対的に成功をしてくれる、科学者で言うところの“再現性の高い存在”なので、そこに対する信頼があります。また個人的に、石化するときにスタンリーがゼノを庇おうとしていたところは人間らしさみたいなものを感じて。あのシーンにふたりの関係性のすべてが詰まっていましたし、やっぱり信頼し合っているんだろうなと思いましたね。
遊佐:スタンリーはプロフェッショナルとお話しましたが、Dr.ゼノもプロの科学者なんですよね。もっと言えば、ルーナは別ですけど、僕らのチームはみんなプロです。だから、勝ちます(笑)。
一同:(笑)
遊佐:そんな意気込みでやらせていただいています(笑)。
ーー実際に掛け合った感想をお聞かせください。
遊佐:Dr.ゼノはこうなんだなと思いました。そもそもいろいろなイメージがあるキャラクターなんですよね。年齢は不詳気味ですが、頭を使っているからか老けた感じもしなくて。
野島:生き生きしていますよね。スタンリーは見た目はもちろん、仕事に対しての美的感覚が印象深くて。演じながら、その華麗な仕事ぶりに美しさを感じていました。そして、実際に掛け合う中、男性にも女性にもつかないルックスが遊佐さんの声にぴったりハマっていって「スタンリーはこの声だ」と。
遊佐:イメージが湧かないよね。自分としても原作を読む段階であんまり声が入ってこなかったんですよ。
野島:原作を読んでみて自分の中に声が響くことがあるんですけど、スタンリーはなかったですね。僕としてもどうやって役を作っていくのか気になったところです。
ーーおふたりのキャラクターからは内なる狂気や黒いものを非常に感じられました。
遊佐:黒と言えば黒なんですけど、ふたりとしては正しいと思ったことをやっているだけなんですよね。
野島:正義感がありますよね。
遊佐:もともとの文明で発展を妨げている人たちをスポイルして新しい文明を作ろうとしているわけで。
野島:考え方に共感できるところがたくさんありますよね。新しいものを生み出すゼノのような人がいれば、それを利権争いとかで排除しようとする人たちもいて。そういう非合理的なところで苛立ちを感じていたからこそ、彼らは自分の正義を貫いているんだろうなと思いますね。
遊佐:本編で千空たちは未来を感じると言いましたけど、それは大人の世界を経験していないからこそという部分があるんですよね。大人になると「ぐぬぬぅ!」と言いながら生活するわけじゃないですか(笑)。
野島:本当に歯を食いしばりながら生きることになりますね(笑)。
遊佐:それがなくなったわけですから。そうなれば、もう、選ばれた人たちで良い世界を作ろうとしてなにが悪いんだと。
野島:結局、ゼノもスタンリーも天才が故に孤独になっちゃったんですよね。学校でいつも100点を取ったとしても、徐々に「あいつは天才だから」と努力を認められないことってあると思うんです。そんな中、ジャンルは違えど天才同士のふたりには信頼関係が芽生えますし、親友にもなれるんじゃないかなって。あとは「自分たちが自由に研究をする」という思いも根本にはあるんでしょうね。
遊佐:ゼノの意見に賛同できない人もいたでしょうね。
野島:そうですね。そういう非合理的なものに嫌悪感を募らせていたと思います。
遊佐:それでも彼らは切磋琢磨し続けてプロフェッショナルにたどり着いたんですよね。
野島:自分たちの居場所を守っているんでしょうね。そのために強くしているわけで。
遊佐:みんな、居場所を守るためにマシンガンを放っているんですよね(笑)。
野島:そうです、そうです。付け爪もそのために必要になったわけで(笑)。
ーー千空たち目線では強大な敵として映りますが、演じるうえでは悪い人たちという認識はなく?
野島:そうですね。演出的に悪役のような見え方が必要だったりしますが、僕としては悪という認識ではないです。
遊佐:千空たちからすると、自分たちとは違う方向を向いて科学を使っているから悪いように見えるかもしれませんが、彼らに対して一緒にやろうと言ってあげていたりもしますからね。








































