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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。


こちらは人気が出始めたIDOLiSH7を心配した百がマネージャーに対してかけた言葉です。ファンが増えるにしたがって、“好き”は多様化していくもの。しかしそれに応えるアイドルはただ1人であり、人を幸せにするのが好きなアイドルは、全てに応えたいのに応えられないことに苦しみ、潰れてしまう事さえあるのだと百は話します。本来好意的なものであるはずの気持ちがアイドルを苦しめることになるという事実にハッとさせられたファンも多い言葉です。
Re:valeの番組にIDOLiSH7がゲスト出演することに。まだまだ新人であるIDOLiSH7が失敗を怖がっていたところ、百はこの言葉をかけます。大事な時こそ「失敗したらどうしよう」とつい考えてしまいますが、それは想像でしかなく現実には起こっていないもの。失敗を想像して委縮するよりも、失敗したら笑ってしまおう! と前向きに考えた方がなんだかうまくいきそうな気がしてきます。何事も前向きに物事を考える大切さにも気付かされる言葉です。
大和と三月が喧嘩をしてしまい、2人はそれぞれ寮を出ていってしまいます。顔を合わせることのないまま無言で喧嘩を続ける2人でしたが、事情を知る百は偶然会った大和にこの言葉を送りました。百自身も相方である千と時折ぶつかり合いながらアイドル活動を続けてきており、喧嘩をしていても本心では相手のことを想っていると知っているのです。
長い時間を共にするからこそ、強い絆が生まれる一方でケンカもつきもの。私たちも家族や友人と衝突してしまう事がありますよね。そんなときのために心に留めておきたい言葉です。

IDOLiSH7がRe:valeと初共演した際の言葉です。先輩アイドルとの初共演に緊張の色を隠せないIDOLiSH7の面々に、優しく声をかけてリラックスさせながらも、曲を披露する際には完璧なパフォーマンスを見せ、先輩の風格を見せつけるRe:vale。
収録後、3日間行われるゼロアリーナのこけら落とし公演の未確定枠にIDOLiSH7を推薦することを伝え、千はこの言葉を続けました。人によってはとても上から目線で嫌味に聞こえてしまいますが、人気も経験も実力も伴った“絶対王者”からなら立派なエールに。千にしか言えない格好いい台詞に痺れます!
元々は百ではない人物とRe:valeを結成し、活動していた千。しかし相方が失踪してしまい、絶望していた千をファンだった百が励まし続けた末に2人でRe:valeとして活動を再開することとなります。
その際に活動期限を5年間だけ、と言っていたため、解散したくない百はその不安から歌えなくなってしまいます。解散するつもりなど毛頭ない千は、百が支えてくれたことを心から感謝していることをはっきりと口にし、これからも活動を続けていくと伝えました。千の本音を聞いた百は不安が払拭され、再び歌えるようになったのでした。
音楽が好きで作曲に興味のある壮五が作曲しているところを見学させて欲しいと千の元をたずねます。千は壮五にも作曲を勧めますが自分には才能がないと二の足を踏む壮五。そんな後輩に千がかけたのがこの言葉です。
嫌いなことと違って、1日中取り憑かれたようにできる好きなこと。興味を持ってやる時間が長いだけ上達し、何度くじけても、苦しくて逃げたくなっても、情熱があって愛してやまないからまた向き合うことができます。千はそんな情熱こそが才能だと説くのでした。他でもない千こそが音楽への途絶えない情熱を持っており、Re:valeの魅力的な楽曲を生んでいることがわかる一言です。

他のアイドルグループ同士が和気あいあいとした姿を見せるアイドルブームの最中、反抗的でダークな雰囲気をまとい、ゲリラライブで鮮烈なデビューを果たしたŹOOĻ。悠の言葉通りのドラッグのような刺激的なパフォーマンスは偶然その場に居合わせた観客の多くを一瞬で魅了し、心を鷲掴みにします。ヒールとして登場した彼らでしたが、そのパフォーマンスの高さは確かなもの。このゲリラライブが大きな反響を呼び、SNSをはじめ多くのメディアで波及。ここからŹOOĻは一気に注目アイドルグループとなっていきました。
海外で無名のŹOOĻが海外の歴史ある音楽フェスに出演することに。ブーイング覚悟で臨むステージの直前、舞台袖で悠はこの言葉を放ちます。信頼していた人に裏切られたことで酷く傷付き、復讐したい一心でŹOOĻとなった悠でしたが、その思いの根幹にあるのは“自分を見てほしい”という純粋な気持ち。これまでは見てくれる人や機会を待ち望んでいましたが、受け身でいることをやめ、“見ないではいられない存在”になることを決意したのです。彼のアイドルとしての大きな成長を感じさせます。
アイドル活動を続けるうちに、自分たちが逆恨みや間違った復讐心からTRIGGERに酷い仕打ちをしてしまったことに気付いたŹOOĻ。ようやく自分たちがしてしまったことの罪の重さを自覚し、直接謝罪に行くことを決意します。芸能界追放寸前まで追い込まれてもなお、自分たちの目標を見失わず真摯にアイドル活動を続けるTRIGGERに謝りに行くためには、自分たちも真剣にアイドルという仕事に取り組まなければいけないと必死にパフォーマンスを磨く4人。レッスンの中で悠が零したこの言葉には強い決意が感じられます。

悠のアイドルになった動機が「ムカつくやつを見返してあざ笑うため」と知ったトウマ。他のメンバーがŹOOĻを使い捨てのグループと考えるなか、唯一アイドルとして再び仲間と歌うことを目的に活動していたトウマはこの言葉を悠に問いかけます。問われた悠が何も応えることができなかったのがとても印象的なシーンでした。
世界的に名の知れた音楽フェスに参加することになったŹOOĻ。それは事務所社長からの嫌がらせで、世界的には無名の彼らにとってはブーイングの嵐も覚悟しなければならないステージです。メンバー全員が緊張を隠しきれない中、トウマはこの言葉でメンバーと自分自身を鼓舞します。
完全アウェイの中でメンバーだけを心の拠り所として全力でパフォーマンスした結果、会場はブーイングではなく大喝采の嵐。トウマの宣言通り、困難を乗り越えたŹOOĻは唯一無二の絆を築き、アイドル業界を駆け抜けていくことになります。
この台詞は幼少期からのトラウマによって、自分がやりたいことを素直に口にすることができない虎於に対してかけた言葉です。仲間想いで心優しいトウマは、希薄な関係だった結成当初からメンバーへ積極的に声をかけ、関係を繋いできました。口だけでなく、虎於が本当にやりたいことを言えるよう周囲にも働きかけたトウマ。他のメンバーやマネージャーの協力もあり、虎於は無事自分がやりたかったアクションシーンに挑戦することができたのでした。

思わぬ形で、無名のまま世界的に知られる海外の音楽フェスに出演することになったŹOOĻ。そこで、これまでとパフォーマンスの形を変え、4人全員で歌うことに。ŹOOĻの曲を手掛ける巳波はそのために新曲「ZONE OF OVER LAP」を用意しました。
完全アウェイのステージを前に、メンバー同士の絆が強固な他のアイドルグループのことを思い出し「羨ましい」と発言した虎於に対し巳波は「私の歌を歌う人が生ぬるいことをおっしゃらないでください」と言い、こちらの言葉を続けます。発破をかけられた虎於や他メンバーは見事なパフォーマンスを見せ、大喝采を浴びることになったのでした。
こちらは巳波の作曲の師である作曲家・桜春樹の葬儀が行われたシーンでの言葉です。北欧の国・ノースメイアへ留学中に出会った桜から音楽の喜びを教わり、作曲をするようになった巳波。彼の死は巳波に大きな悲しみを与える一方で、教えてもらった作曲を続けることで彼の心を受け継いでいこうという前向きな気持ちも抱かせます。巳波がこれまで以上に作曲に真摯に向き合うきっかけとなった印象的なシーンです。
過去に大きな過ちを犯してしまっているŹOOĻ。様々な経験を通じて成長した彼らはその過ちがどれほど大きなものだったかがわかるようになり、贖罪の方法として、自分たちのやったことを世間に暴露しようとしていました。そうすれば二度と芸能界には戻れなくなってしまうため、幼い頃から芸能界に身を置いていた巳波を他のメンバーは気遣います。そんなときに巳波はこの言葉を返しました。
普段は捉えどころのない態度を取る巳波ですが、それは寂しさの裏返し。最後まで運命を共にするような仲間をずっと求めていたのです。結成当初は希薄な関係だったメンバーに強い仲間意識を持つようになった彼の変化が感じられます。

バラエティ番組の電話相談コーナーで、「職場の先輩が仕事できないのに偉そうで嫌だ」という相談に応えた虎於。一言目に「じゃあ辞めればいい」と冷たく返したようにみえた後にこの言葉を続けます。
さらに、「先輩というだけで偉そうにする権利はない」「向こうが間違いを正さないならただの馬鹿だから気にするな」「あんたは快適に暮らす権利があるし、どこにだってあんたの居場所はある。迷惑だなんて言わせるな」など、言葉は強いものの、虎於は正論を説きます。
最後には「不愉快でも快適でもやる仕事が同じなら夢中になってる俺のことだけ考えてろ」とファンの心を打ち抜く一言で相談を締めくくったのはさすがとしか言いようがありません。こんなこと言われたらもっと好きになっちゃいますよね。
結成当初は一時的に組んだだけのグループという認識で、メンバー仲は決して良いものではなく、また、ファンを含め周囲の人を傷つけることも多かったŹOOĻ。虎於も例外ではなく、メンバーに対して優しさを見せることはありませんでした。
しかし、初めてメンバー全員が本気で臨んだステージをきっかけに、互いへの信頼が芽生え、少しずつ絆が生まれ始めます。虎於もこれまでの自分の行いを省みて、自分本位な態度が少しずつ変化。そんな中で彼が口にしたのがこちらの言葉です。ŹOOĻの中にでき始めた絆が感じられます。
大手ホテルチェーンを経営する裕福な家庭の三男として家族に愛されて育った虎於でしたが、幼いころから挑戦したい夢を家族に受け入れてもらえず、次第に夢を否定されることに怖れを覚えるようになり、自分の希望を伝えることすらできなくなってしまいます。
大人になってからもその呪縛に囚われたままでしたが、信頼するメンバーとマネージャーに後押しされ、ドラマのアクションシーンをやりたいという希望を伝えることができました。虎於の根深いトラウマをŹOOĻの信頼関係が解消した瞬間です。
アイドルものとは思えないシビアなストーリーが人気の『アイドリッシュセブン』。アイドル達の言葉からは、人生を懸けてアイドル活動をする覚悟や様々な人間ドラマが伝わってきます。それらの言葉は私たちの生活の中でも心に留めておきたいものばかりでしたね。本稿を作成するにあたり、改めて「アイナナは道徳の教科書にすべきだな」と筆者も感じました。アニメ4期の制作も決定した『アイドリッシュセブン』。名台詞の数々がアニメで描かれるのが楽しみで仕方ありません!

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
