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- 万木サエ
- 旅行、グルメ、テーマパーク系のライターを経て、アニメのジャンルへ出向。ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆

級長になってやりたいことを考えていた桜は、梶のやりたいことはなにかと尋ねます。「そんなものはない」と答える梶。桜と同じくみんなにやれと言われて級長になった梶は、自分のできないことは仲間に任せ、自分にできることをしていると桜に伝えます。
自分に頼ってくるみんなの気持ちに“応える”ことでもいいと知った桜は、自分になにができるのかを考え眠れない夜を過ごすのでした。
杏西の友達・長門を助けるため、桜たち1年生とKEELとのケンカが勃発。腕のあるメンバーをマークされ押されていたところで梶たち2年生の幹部3人が助けに入ります。街を守る風鈴にこのケンカは関係ないというKEELのリーダー。けれど梶は当たり前に風鈴が大切にしているものは守ると豪語し、風鈴のものに手を出したKEELに容赦なく手を下します。
長門をボコボコにしたKEELのリーダーが許せない桜はそっちにばかり気を取られ、さらに周りが気になり目の前の相手に集中できず手こずっていました。それなのに手を出すなと言い、梶に咎められます。
自分のダサさにイラつく桜。冷静さを取り戻し本来の力を発揮させますが、戦いに決着がついたあと仲間が傷ついたのは自分のせいだと責任を感じてしまうのでした。
KEEL戦で自分の弱さを知った桜は、それを認めることができず悩み、梶に相談します。人から拒絶されることにビビッていると梶は指摘し、さらにビビってることはバレていると言います。クラスの仲間たちは桜のできることだけを見ているのではなく、桜自身を見ている。だから桜も仲間のことをちゃんと見ろ、と伝えます。
梶の先輩らしい一面が見えるこの台詞のシーン。桜を屋上に連れて行きコーヒーを渡して話しをするのですが、この梶の行動は以前に自分が柊にしてもらったもので―—。
前出で梶が桜に言った言葉は、梶が柊から同じように与えてもらった言葉。梶が1年のとき昔の獣のような自分を仲間の前で曝け出してしまい、もう級長はできないと相談してきたとき、柊が言った台詞です。仲間が離れていくと勝手に決めつけるのではなく、みんなと向き合ってみろと背中を押す柊。
柊のおかげで大切な仲間を失わずにいられた梶が、1年後、桜の背中を押すのでした。
GRAVELのリーダー・硯と戦いながら椿野が言った言葉。普通の男の子とは違うきれいなものが好きと言う自分のことを受けて入れてくれた人がいて、その人たちのおかげで心が救われ、好きなことを諦めなくていいと思えた椿野。メイクすることで憧れの自分になれて心が強くなると言い、誰かの“好き”は周りの人も強くしてくれると言います。
“好き”を生きている人を見ると自分も頑張ろうと思える椿野の気持ちに、共感できました。
最後に、ケンカに明け暮れていた風鈴高校の生徒たちをひとつにまとめた立役者、梅宮一の言葉を紹介します。彼の背中は大きいと感じる名台詞がいっぱいです。
風鈴高校の1年生たちの入学初日、校内放送で告げたひと言。それまで桜とケンカをしていた杉下も、2人のケンカに沸いていたクラスメイトたちも、梅宮の声が聞こえた瞬間に直立不動になり、声に耳を傾けます。一瞬にして空気を変えた梅宮。彼から発せられた風鈴高校唯一のルールが街を守ることでした。
獅子頭連とタイマン勝負をすることになったボウフウリン。以前は誰よりも仲間を想う力の絶対信仰を掲げるチームだったのに、最近は様子が変わってしまった獅子頭連。その理由も勝負のときに話せばわかる、という梅宮に、ケンカをしに行くのになぜと思う桜に向けて行った言葉。
この時は言っている意味がわからなかった桜でしたが、後に十亀とタイマン勝負をする中で、十亀のことを知りたいと思うように。
拳で対話できる条件は、人と向き合うこと、知りたいと思うこと。相手の気持ちを受け入れるためにはまず向き合わなければならない。桜はそれができるヤツで、受け入れたいと思っているように見えると梅宮は言います。今まで人を受け入れたことのない桜は、「それができればてっぺんにだってなれる」と言う梅宮の言葉に心が乱されるのでした。
梅宮がてっぺんになったのは、ずーっと楽しくみんなでご飯が食べたいから。街の治安が良くなり平和に過ごせれば、みんなが笑って過ごせる。やりたいことがあったから風鈴でてっぺんをとったという梅宮は、“ならせてもらっている”と言います。「てっぺんは一人じゃなれないから」と。
この梅宮の言葉で桜は、ことはが言ったてっぺんが獲れない理由「あんたは“ヒトリ”だから」の意味を理解するのです。
前出の梅宮の台詞に続く言葉。てっぺんになれたのは、仲間たちが担いでくれたおかげ。自分のやりたいことにみんなが協力してくれたから。みんなが共感してくれたことで自分の願いがみんなの願いにもなり、その願いを叶えるためなら強くいられる梅宮。彼のこの言葉から、風鈴を背負う強い意志が感じられました。
KEELとのケンカが終わり、梅宮に報告し謝る杏西と長門。梅宮は「わかった」とだけ返事をし食事を勧めます。泣きながら食べる長門が「なにかをうまいと思ったのは久しぶりです」と言うと、「その味を忘れるな」と伝える梅宮。みんなと食べるご飯を大事にしている梅宮らしい言葉ですよね。
最強同士の戦いが終演し、焚石が梅宮に「“人間”は楽しいものか?」と問います。その問いに対しての梅宮の言葉。自分の形を変えられてしまうほどのすごい人と関わると、自分の世界が広くなり、自分の知らない自分を知ることができると言う梅宮。そんなすごいヤツと関わるコツは“名前”を呼ぶことだと言います。「お前をちゃんと見てるぜっていう意思表示だから」と。いつか、ことはが桜に言った言葉と同じものでした。

アニメイトタイムズのお仕事のほか、旅行、グルメ、ウェディング、テーマパーク系のライターをしています。 旅行に行けなくなって、漫画やアニメにハマリ、今はもっといろんなジャンルを知るべく武者修行中! スポコンアニメを見て、一緒に泣いたり熱くなったりするのが最近のストレス発散方法。 ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆
