
影山の毒舌にもっと罵られたい!? 花澤香菜が語る春アニメ『謎解きはディナーのあとで』の楽しみ方/インタビュー
メガネで執事……いろいろな癖に刺さる影山という存在
──この作品は、会話劇で、影山や風祭警部との掛け合いが肝になっていると感じたのですが、掛け合いはいかがでしたか?
花澤:あの……宮野さんがかなり仕掛けてくるんですよ(笑)。それにリアルタイムで対応して、そこから生まれるものが面白かったなと思います。
──全体的に、アドリブが多かったのですか?
花澤:いや、アドリブを入れるのは主に宮野さんなので、私と梶くんはわりと台本通りに進めていくんですけど、一番動ける余白があるのが風祭警部だったんですね。そこに宮野さんが急にアドリブを入れてきたりするので、笑わずに対応するのは大変でした(笑)。
──確かに……。
花澤:このアニメ、風祭警部の無駄な動きがめちゃくちゃ多いんですよ! 「何でそこを丁寧に描いた?」みたいな(笑)。その画に宮野さんの自由な芝居が入ることで、さらにカオスなことになっていく。それがとても面白かったです。
風祭警部って、たまに英語が入ってくるんですけど、そこだけ妙に立たせたりするんですよね。あと、アドリブで尺が伸びてしまったときは、それを活かすのかどうかを審議する時間があったりもしました(笑)。
──逆に梶さんが演じる影山とのやり取りはどうでしたか?
花澤:梶くんって、影山のような役をあまりやっていなかったと思うんです。しかも影山って、読者の中でも脳内再生されるようなキャラですし、それは監督もそうだったと思うので、それに近づけていく作業を第1話でやられているなと感じました。
影山って、わりとぼそぼそと喋るんですけど、嫌味を響かせないといけないところもあって、その塩梅は難しいだろうなと思いました。でも、そんな嫌味を爽やかに言うところが、とってもいいんですけどね!
──麗子が毒舌を言われているときって、花澤さん的にもグサグサくる感じだったのですか?
花澤:麗子ちゃんも、怒りを爆発させるので、そこは怒りを溜めていく感じだったと思います。グサッというよりは、怒り弾をこめるみたいな感じで、受け止めていました。
──梶さんと宮野さんとは、共演も多いと思うのですが、声優として、お二人のどんなところに「すごさ」を感じますか?
花澤:梶くんは、ここに来てまた新しい役に挑戦しているところがすごいなと思いますし、とにかく冷静に、影山の推理を、タイトな尺の中に収めていくんですよね。それって、自分がやると想定してみると、かなり大変なことなんです。それをさらっとやってしまう声優としての技術が、すごいなと思います。
──ウィスパーのほうが息を使うという話は聞いたことがありますが、やはり小声のほうが息は大変なんですね。
花澤:そうなんです。だから書き起こして一緒に喋ってみると、そのすごさがわかるかもしれない(笑)。
──宮野さんはいかがですか?
花澤:宮野さんは、本当に、風祭警部が宮野さんなんじゃないかと思わせる、キャラへの入り込み方がすごいし、素晴らしいなと思います。次はどういう風にセリフを言ってくるんだろうっていうワクワク感があるんですよね。そういう期待をさせてくれるところは、エンターテイナーだなぁって思いながら聞いていました。
──いまだに刺激をもらっているお二人なんですね。
花澤:本当にそうですね。ふたりとも、ずっと進化を続けているので、私も「負けてられんな!」って思います(笑)。
──ちなみに、風祭警部と影山、花澤さん的にはどちらが好みですか?
花澤:あの……私、メガネが大好きなんですよ。メガネフェチなところがあって、しかも、そこに執事という属性が乗っかっちゃってるじゃないですか(笑)。分かります? これ、良いですよね? そのくらい影山って、何かの癖に刺さるキャラクターをしているんです。なので、どちらかを選べと言うならば、影山のほうがワクワクします。
──ワクワクする(笑)。
花澤:次は私にどんな言葉を吐いてくれるんだろう、みたいな(笑)。厳しいことを言ってください!って気持ちになります。
──あはははは(笑)。それでいて優しさもありますからね。
花澤:麗子ちゃんへの接し方を見ると、ちゃんと思いやってくれているんだなってわかるんですよね。それで急にデレたりしてくるので、そこもズルいなって思います。
逆に風祭警部は、風祭警部という生き物なので。ただ、無駄にイケメンなんですよ。だから黙っていればイケメンなんですけど、やっぱり風祭警部は「面白い」が勝っちゃうんですよね(笑)。
──「謎解き」と言うと、脱出ゲームみたいなものがありますが、それも苦手ですか?
花澤:一度だけ、友達に誘われて大人数で遊びに行ったことがあるんですけど、本当に役に立たなかったんです。自分が何をすればいいのかが、まずわからない。だからその場でウロウロして、みんなの邪魔をしてたなって(笑)。そのとき、本当に向いていないんだなって思いました。
──お題も、結構難しいですからね。
花澤:どこに目をつけたらいいのかもわからないんです。詳しい人は、この情報を集めればいいとかもわかるんでしょうけど、それすらわからないし、とにかくトロいので、本当にただただ邪魔でしかなかったなぁと。だから、少しトラウマです(苦笑)。
──このコンテンツで、謎解きゲームがあれば、ぜひチャレンジしてほしい気持ちもありますが(笑)、最後に、放送を楽しみにされているファンへメッセージをお願いします。
花澤:アニメは、小説ともドラマとも、また違う魅力がある作品になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。原作にないオリジナルな部分でいうと、監督がやりたくてやっているエピソードとかもあったりするんです。そういうスタッフの方々の熱意も高いですし、楽しんで作られていることが伝わってきたんです。それは先程も話しましたが、風祭警部の無駄な動きとか、麗子ちゃんのコロコロ変わる表情とかにも表れていましたし、見ているだけで楽しいアニメになっていると思います。
あと、原作の東川篤哉先生の作品は、普遍的なことを扱っていたりするので、どの世代の方も楽しめるアニメになっていると思います。ミステリーと言いつつ、ギャグ要素もかなり強いので、気張らずに見てください。
[文&写真・塚越淳一]
作品概要
あらすじ
「お嬢様の目は節穴でございますか?」――暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに事件の謎を解き明かしていく。
キャスト
(C)東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会














































