音楽
Morfonica 進藤あまねが『バンドリ!』10周年への愛を語る【ロングインタビュー】

いま思えば運命だった──Morfonica、そして現役バンドリーマーの進藤あまねさんが語る、10年分の“バンドリ!愛”と、5年を駆け抜けた“私たち”の物語【ロングインタビュー】

ずっとヒーローになりたかった

──先ほど、「プレッシャーと期待が原動力になっている」といったことをおっしゃっていましたが、それって今も続いていますか?

進藤:続いていますね。『バンドリ!』チームや、楽曲制作をしているElements Gardenさんは、本当に“鬼教官”みたいな存在で(笑)。ずっと試練を与え続けてくれると言いますか、自分の限界を超えてくるんですよ。初期に音域チェックして「ここからここまで出ます」って決めたはずなのに、それを超えてくる楽曲が来るんです。ライブでの私を見て「これ歌えたね。じゃあ、次の試練だね」って思っていただけているからだと思うんです。

試練が続いていくことで、成長も続く。それがすごくいい方向につながっていて。ちょうど昨日、ボイトレがあったんですけど、そのときに「音域が広がったね!」って言っていただけたんです。「えっ、広がった!?」って自分でもびっくりして。まだ広がるんだと驚きでした。『バンドリ!』の活動が始まってから、音域はすごく広がったと思います。

──ハスキーだというお話をされていましたもんね。

進藤:元々は低い声しか出なかったので、男性ボーカルの曲の方が合っていると思っていたくらいで。でも、アニソンって高いキーが多いじゃないですか。最初は裏声じゃないと歌えなかったものが、今は出るようになって。周りからも『バンドリ!』ってすごいねと言われます。それと「どんな練習してるの?」ってよく聞かれるんです(笑)。

──今まさに私も聞きたかったです(笑)。どうしたら、そんなに音域が広がるのでしょう?

進藤:もう、ひたすら訓練ですね。喉を開くように意識したり……あと、ましろちゃんの歌い方って鼻腔を使う歌い方で。私はアレルギー性鼻炎があって、鼻にかかった声をしていましたが、それを逆に活かす方向でボイトレしていったら、高い声が出るようになっていって。それがすごく良い方向に繋がって……でも最近はまた歌い方を変えてみようって。

変えてから1週間後にバンド練習があったんですけど、そのときにMorfonicaのプロデューサーさんから「歌い方、変わったよね?」と言っていただけたんです。

──すごい! ちゃんと気づいてくれるんですね!

進藤:びっくりしました(笑)。「えっ、気づくの!?」って。でもMorfonicaチームって、すごくメンバーの変化にも敏感なんです。プロデューサーさんのモニカ愛がすごくて。

前回の『Morfonica Concept LIVE「ff」』のライブの時は、「今までの衣装も見せたい」っていう、私たちのワガママを衣装さんが叶えてくださって、3着くらい早着替えがあって。私たちが早着替えしている間、プロデューサーさんが自分のネクタイを付け替えて、「僕も衣装チェンジ完了しました!」って(笑)。それが本当に面白くてメンバーのやる気がさらに高まった瞬間でした。

これまで何度かモニカのプロデューサーさんは変わっているのですが、それぞれのプロデューサーさんごとに色があって。今のプロデューサーさんは、私たちが想像してなかったことまで事前に準備してくださったり、「こういうことがやりたい」ってビジョンを明確に持っていて、すごく心強いんです。モニカで言うと、透子ちゃんの性格に似てるところがあります。すごくエンターテイナー気質で、「こういう演出をしたい!」とか、熱意を持って提案してくれる方です。

──例えば、どのような提案があったのでしょう?

進藤:最初の頃は、パフォーマンス中の振りなどの動きって私だけがやってたんですよ。初期の頃は、モニカのバンド周りをサポートされていた方が、ライブパフォーマンスの動きも考えてくださっていて。たとえば「Daylight -デイライト- 」の冒頭で手を広げる動きは、バンド経験のあった、その方が提案してくれたものでした。

でも、他のメンバーに振り付けがついたことはなかったんです。それが今のプロデューサーさんになってからは、「ここはみんなで動きたい」「この新曲に振り付けをつけたいです」と、自ら振付師さんに依頼してくれて、とんでもない情熱と行動力で、モニカのメンバーはみんな喜んでいます。それに、バンドリーマーさんたちの意見もすごく取り入れてくださるんです。

モニカって、ファンの方の考察がすごく盛り上がるバンドなんですよね。「ファンの方がこういうことを言ってたよ」ってリハーサルのときに話してくださったりして、「ちゃんと見てくれてるんだな」って感動しました。そして、すごく褒めてくれるんですよ!

──それは嬉しい!

進藤:たとえばリハのとき、カメラ演出で「この曲はここまでは無表情でいって、ここから満面の笑みにしたいです」っていうオーダーがあったんです。でも、なかなかうまく切り替えられなかったときに「笑顔! 笑顔! 笑顔ー!」って、子ども向け写真館のカメラマンさんのような感じで(笑)、とても明るくて、でも愛があって。

「ちょっと失敗しても、それが逆に味になるから大丈夫だよ」と声をかけてくれる。全部がポジティブなんですよ。自己肯定感爆上がりで、本当にありがたい存在です。

──進藤さん自身は、ポジティブな性格なんですか?

進藤:うーん、どうなんでしょう。結構ネガティブにどーんと落ちて、そこからバーンと上がってくるタイプかもしれません(笑)。もう、底が見えないくらい沈んだところから、「まぁ、いっか」って上がってくる感じでしょうか。ある意味ではポジティブなのかも。

ただ、日々の中で「もしこの看板が落ちてきたらどうしよう」とか、アクシデントに巻き込まれたら……みたいなことを常に考えちゃう癖があって。でも、自分のネガティブをそういう妄想に押し込んでおくことで、日常の小さな失敗にはそんなに沈まなくなってきたんですよね。

昔は学生時代とか、ちょっとしたことで深く落ち込んだりしてたけど、今は「まぁ、いっか」って流せるようになって、前向きに考えられるようになってきました。

──それって、やっぱり『バンドリ!』の力もあるんですかね?

進藤:あると思います。昔は心ない言葉にすごく傷ついたりもしましたし、いただいたご意見に落ち込むこともあったんです。でも、そういう経験を通して、メンタルが強くなりました。お母さんの存在も大きいですね。「そんなことでくじけててどうすんの?」って喝を入れてくれるんです。

前のマネージャーさんもそういうタイプで。すごく育ててくれたというか、厳しい中にも優しさがあって。だからこそ、今の自分は何を言われても“無敵モード”に入っている気がします(笑)。

──いや、素晴らしいと思います! でも改めて聞いてると、進藤さんは人との関わりがすごく力になってる方なんですね。

進藤:そうですね。私はすごく「人のために」って思うタイプなんです。昔からスーパー戦隊シリーズが好きで、ヒーローに憧れてたので、「誰かの役に立ちたい」っていう気持ちがずっとありました。たとえば、食べたいものが被ったときも、「いいよ」ってすぐ譲っちゃうタイプで(笑)。

逆に姉は、「絶対これがいい!」ってタイプだったから、私はいつも譲ってて。相手がそれで喜んでくれるならそれでいいや、って思っていました。そういう性格はずっと変わってない気がします。

──『ガルパ』って、人と人との関わりを描いた物語ですもんね。なんだか、進藤さんにぴったりな作品だなって。

進藤:そう言っていただけると本当に嬉しいです。ポピパさんから始まり、先輩バンドたちのストーリーも含めて、すごく“人間”が描かれていて、どのバンドもそれぞれの熱さがあって。本当にどのバンドのストーリーもすごく良くて。それぞれが、自分の人生の中の一部になっていると思うんです。

私はアニメとゲームを中心に生きてるので、オタク人生、一番謳歌してる自信があります(笑)。その“生きてきたもの”を全部活かせてる感じがして……。それがすごく嬉しいです。

Poppin'Partyの武道館ライブに衝撃を受け……

──これまで見てきた『バンドリ!』のライブの中で、特に印象的だったものというとどうでしょうか?

進藤:うーん、やっぱりポピパさんの武道館ですね(「BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館」)。もう大好きです、最高でした。第1期のアニメを背負ってのライブだったんですけど、本当にかっこよかったです。当時、私はまだバンドリーマーで、声優にもなっていなくて、ただただお客さんとして観ていたんですけど……とにかく衝撃でした。もう、ビリビリでしたね(笑)。

私、日本武道館が大好きで、“夢の舞台”なんです。自分の好きなアニメコンテンツ、しかもポピパさんがライブをするって、それだけで嬉しくて。

だからこそ、ポピパさんが武道館に立っている姿を見たとき、「すごい! ほんとにすごい!」って、オタクとしても、バンドリーマーとしても、ものすごく嬉しかったんです。そのときのライブは今でも鮮明に覚えてます。ソロ曲を披露したり、アコースティックを演奏したりしていて……。しかも360度見られるステージで、どこに座ってても楽しめて。あれは本当に素敵な体験でした。

──リアルバンドとしても、その仲間に“自分が入る”と思ってましたか?

進藤:まったく思ってなかったです。だから本当にびっくりでした。2018年の『ガルパライブ&ガルパーティ!in東京』のライブも客席から観ていたので、まさか自分がと。今でも私は“オタク”として、いろいろなライブに行くんです。

たとえば、FLOWさんのアニメ縛りライブにも行っているんです。出演者を見たら「美竹蘭 from Afterglow(CV:佐倉綾音)」と書いてあって、えっ!?と。私はファンクラブの先行でチケットを取っていたので、びっくりしました(笑)。FLOWさんのファンの方に『バンドリ!』の楽曲が届くんだなと思うと、それも嬉しかったです。

──「チケット買っています!」という(笑)。

進藤:本当にただのいちファンですから(笑)。その時は母と姉と私で行きました(笑)。

──そういう場面で、声をかけられたりはしないんですか?

進藤:あんまりないです。やっぱりマスクしてるのもあって。あと、ファンクラブTシャツ着てたり、グッズ持ってたり……完全にファンの装いなので気付かないのかもしれません(笑)。母と姉も一緒なので、「あ、プライベートなんだな」って思ってくれてるのかも。

基本的に、秋葉原で買い物してても声をかけられることはなくて。秋葉原のゲーマーズやアニメイトにも普通に通っています。特に今(取材時点)、アニメイト池袋本店では『BanG Dream! 10周年の軌跡展』をやっているじゃないですか? 始まったあたりにも、普通に漫画を買いに行ったり、予約していた商品を受け取りに行ったりしていました(笑)。

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