
いま思えば運命だった──Morfonica、そして現役バンドリーマーの進藤あまねさんが語る、10年分の“バンドリ!愛”と、5年を駆け抜けた“私たち”の物語【ロングインタビュー】
相羽あいなさんは「師匠」
──ご自身がMorfonicaに参加してから影響を受けたライブというとどうでしょう?
進藤:Roseliaさんのライブは、どれも本当にすごくて。でも、特に2019年の富士急ハイランド・コニファーフォレストでの公演……あれは衝撃でした。1日目の「Flamme」(2019年8月3日(土))を観させてもらったんです。
モニカに入ることが決まってから、Roseliaさんのライブは何度も観に行かせていただいて、Blu-rayも全部チェックして。当時、『バンドリ!』内のリアルバンドで“楽器と兼任していないボーカルがいるバンド”っていうのはRoseliaさんだけだったんです。だから、あいあいさん(相羽あいなさん)は、私にとって“師匠”で、実際に「師匠」と呼んでます(笑)。
「Flamme」の時は師匠の真正面で見させてもらったのですが、動きや表情、マイクスタンドの扱い方……全部が圧倒的で。私はそれまでマイクスタンドをちゃんと使った経験がほとんどなかったので、どう扱えばいいかも分からなくて。自信がなかったんです。
──確かに、Morfonicaのオリジナル曲で使っている印象はあまりないような……?
進藤:そうなんです。カバー曲で少し使うくらいで。私、もともとJanne Da Arc/Acid Black Cherryボーカル・yasuさんが大好きで、ロックでパワフルなスタイルに憧れてたんですけど……そのままましろちゃんに反映するのは難しくて。そこで、あいあいさんの、友希那さんの強さを取り入れたパフォーマンスを見て、それをましろちゃんに変換してみたらどうなるんだろう……?って考えて、反映させていました。実際にファンの方にそのことを話したら、「すごく分かる」って共感してくださって。
最初のモニカのステージは、富士急の「BanG Dream! 8th☆LIVE」 夏の野外3DAYS DAY3:Special Live 〜Summerly Tone♪〜で、ポピパさんとPastel*Palettesさんと共演させてもらったんですけども、その時も、舞台袖であいあいさんが見守ってくださっていて。リハーサル前も終演後まで、ずっと言葉をかけてくださって……本当に“大師匠”です。そのステージを見てくださっていたファンの方が「スカートの揺らし方があいあいさんみたいだった」と。
それがすごく嬉しくて。モニカのバイオリン担当・Ayasa(Vn.八潮瑠唯役)さんも衣装の操り方がすごくきれいなので、2人の動きをめちゃくちゃ勉強させてもらっていたんです。
──やっぱりそこで“観察眼”が生きているんですね。
進藤:本当にそうなんです(笑)。「身振り手振りにあいあいさんを感じる瞬間がある」って言ってもらうこともあります。ましろちゃんも作中で先輩方から学んでる子なんです。『ガルパ』のストーリーで、友希那さんに技術を聞くエピソードもあって。蘭ちゃん、彩ちゃん、こころちゃんにも聞いていて。だから、私自身がそれをリアルで体現できていたことは、とても意味のあることだと思っています。
──偶然のようでいて、実は必然だったのかもしれませんね。
進藤:ほんとに、偶然なんですけどね(笑)。あいあいさんから学んだことは数えきれないです。だからこそ、(アニメイトタイムズの)『バンドリ!』10周年のインタビューで、記事を発見したときもすごく嬉しかったです。「ああ、師匠にもいろいろな葛藤があったんだな」と改めて感じました。
──でも今では、Morfonicaも“仲間”というか、“一員”として並んでいますし、さらにMyGO!!!!!やAve Mujicaといったバンドも登場してきて……本当に『バンドリ!』ってすごいですよね。
進藤:思います。本当に、“ビッグコンテンツ”って言葉がぴったりです。モニカが登場してから、もう5年になります。そこからもたくさんのバンドが誕生していて。よく考えたら、『バンドリ!』が5周年だった時にモニカが生まれたってことになるので……。
──これから先、バンドリ!が10周年、15周年と続いていけば、Morfonicaも同じようにアニバーサリーを迎えていくんですね。
進藤:そうなんです! 15周年のときは、モニカも10周年。だからもう、ちゃんと元気で生きていないと(笑)。喉もケアして、その頃には「ビッグ声優」になっていなきゃ!って(笑)。でも、『バンドリ!』をきっかけに私のことを知ってくださる方もすごく増えて。バンドリーマーの皆さんに出会ってもう5年なんだと。
──もはや人生が変わったと言っても過言ではないのでは?
進藤:まさにそうです。この声優人生において『バンドリ!』はものすごく大きなきっかけですね。
Morfonicaのかけがえのない絆
──この5年間でMorfonicaのメンバーの皆さんとも仲が深まっていったと思いますが、そのあたりはいかがですか。
進藤:めちゃめちゃ仲が深まりましたね。最初の頃は、みんな人見知りしてて(笑)。特に透子ちゃん役の直田姫奈ちゃん、私はおひなさまと呼んでいるのですが、自称するくらいの人見知りなんです。でも、最近はその話もよくしてて、「最初の頃、こんなに喋らなかったよね」って笑い話になってるくらいです。
今、一番喋るのがおひなさまなんですよ。みんなを一番引っ張ってくれているんです。実際、ライブの準備はここ3年くらいずっと進行役を務めてくれています。私には「バンドリーマー目線だとどう?」って意見を求めてくれて。
──なるほど! 進藤さんは“バンドリーマー代表”として意見を。
進藤:そうなんです(笑)。だから、「ファンの皆さん的には、こういう方が嬉しいかもです」って。そういう意見をまとめて「じゃあこれでどうだろう?」って提案してくれるのがおひなさまです。発想力が本当にすごいんですよね。そういう意味でも、本当に透子ちゃん。透子ちゃんも『ガルパ』のストーリーの中で、たくさんアイデアを出していて、しかもみんなを盛り上げてくれるムードメイカー。しかも人の何倍も努力をしている。おひなさまもそのタイプなんです。
ギターの先生になにか聞かれたときに「ここ、もっと“ジャカジャカッ”ってして、“バーン”って入って、“ドーン”って締める感じですかね?」と答えるところも透子ちゃんっぽいです(笑)。今度のライブ(4月19日(土)開催 「Rubato」)のテーマはハッピー&アゲなんですけど、それはプロデューサーさんとおひなさまの透子脳からきたものです。私はまだまだ赤ちゃんなもので(笑)、お姉ちゃんとして引っ張っていってくれます。
そして、広町七深役の西尾夕香ちゃん、おゆちゃんとは事務所も一緒で、仲良しで、6〜7年の仲になります。いろいろな壁を一緒に乗り越えてきた大切な存在です。モニカでの話し合いで、時にはネガティブな話もあるんですが、さらに深い話をするのがおゆちゃん。そういう仲になれたのが嬉しいです。
でも、仲が良くなればなるほど、どんどんミステリアスになっていくんです(笑)。この間も「おゆちゃんってこれ好きだったんだ」って初めて知ることも多くて……とみんなで話していました(笑)。
──そんな底知れない雰囲気も魅力なんですね。
進藤:そうなんです! その真逆が八潮瑠唯役のAyasaさん。最初こそクールでミステリアスだったのに、どんどんキュートさが見えてきて「かわいい!」って。差し入れを持ってきてくださったり、スタッフさんが用意した温かい飲み物を「わ〜い! いただきます!」って。さらに「これも食べて」って率先して持ってきてくれたお菓子をその飲み物に添えてくれたりして、めちゃくちゃ可愛いんです(笑)。
一方で、二葉つくし役のmikaさんはみんなのお姉ちゃんというか、もう聖母マリア様ですね(笑)。鏡越しでもニコニコしながら目を合わせてくれたり、リハ中にファンサの位置を確認してたら後ろから「それいいなあ」って。それでmikaさんにファンサを送りました(笑)。みんなが悩んだときには優しく包み込んでくれます。困ったときに、すぐに答えをくれるのがmikaさんです。
それとすごいのが体力! あんなに小柄で華奢なのにパワフルにドラムを叩けるのがすごいなあっていつも思っていたんです。あと、ゲームで徹夜したあとにバンド練に来たり、練習後にライブに行ったり。ゲーム好きの一面も最初は意外だったんですけど、そういう話をしてくれるのもすごく嬉しくて。
特にこの1年は、みんなで話す機会が増えて、お互いのことをすごく深く知れている気がします。もうモニカは椅子に座ると話が弾みすぎて動けなくなってしまうんですよ(笑)。ずっとティータイムしています。

















































