
ライバルにして盟友。唯一無二の巨匠2人が、アニメイト池袋本店にて激突!? 『うしおととら』藤田和日郎先生が「どうしても許せない」コトってなに? 「島本和彦 炎の原画展 Ver.3 トキワ荘編 開催記念 島本和彦×藤田和日郎 炎のトークショー」熱血レポート!
会場限定! 限界ギリギリのサプライズトークが展開!
島本先生×藤田先生による熱いトークに盛り上がる会場だったが、突如として発せられた藤田先生の発言によって、客席は騒然となった。
──週刊連載しないの?
現在「ゲッサン」にて連載されている『アオイホノオ』。熱い血潮を感じる「自伝的漫画家漫画」に対して、「(漫画家を描く漫画を)下に見ているわけではないけど、自分の身の回りのことを面白く描いているだけ」「楽すんなよ」と藤田先生が思いの丈をポロリ。
それに対し島本先生は、「(藤田先生は)もしかして新連載の準備をしていたり?」と尋ねる。藤田先生は「言っていい?」と確認を取ってから“してる”と一言。瞬間、会場が揺れる。明かされた衝撃の発表について、藤田先生は、ここにいる人たちと秘密の共有ができたらと思って、とにこやかに笑った。
島本先生も、「(藤田先生と)一緒に連載したい」と胸の内を明かす。長年漫画界の最前線を走り続ける巨匠2人による同時連載開始。実現すれば、両先生のファンはもちろん、漫画ファンの間にも衝撃が走るだろう。
その夢を現実のものとするために、なんと島本先生は最近、「週刊少年サンデー」に持ち込みをしたとのこと。自ら編集部に電話をかけ、「藤田和日郎漫画のロジック」をもとに会心の原稿を準備したという島本先生。しかし、完成した持ち込み原稿を先んじて読んだ石田氏の反応は芳しくなかったようで……。
石田氏は、島本和彦の新作漫画が読みたかったのに、藤田和日郎を意識した漫画が出てきた、と当時を振り返る。それに対し、「少年サンデーには『島本和彦』はいらないんだよ!」「少年サンデーに(漫画家・島本和彦が)入っていくためには、藤田和日郎のフリをしないといけないの! トロイの木馬だよ!」と弁明する。さらにその漫画が振るわなかったことに対し、ショックを受けたと語る島本先生だった。
▲写真左:担当編集・石田氏
島本先生を知り尽くす藤田先生は、一連の話を受けて「島本先生は褒めて伸ばされるタイプ」と語る。島本先生も、調子に乗らせれば良いものを描く、と同意。炎の漫画家の意外な素顔が垣間見えた瞬間だった。
石田氏に酷評された原稿を、そのまま持ち込むわけにはいかない。そう感じた島本先生。驚くべきことに、持ち込み当日の朝、原稿をすべて描き直したという。
朝4時から、約束の14時までのタイムアタック。定規の代用品をコンビニで調達するなど、画材も現地で揃えながらの作業だった。
紆余曲折の末、ようやく原稿を小学館に持ち込んだ島本先生。持ち込みの際に記入を求められる「自己紹介カード」には、氏名や住所、職業記入欄のほか、「入賞したら賞金アリ」という旨の文言が書いてあったという。
あくまでも連載を目指して持ち込みをした島本先生だったが、ここで瞬時に“もしかして、この持ち込みは連載にはつながらないものなのでは?”と悟ったようだ。そして持ち込みを進言した石田氏に向け、イベントの場を使って「嘘ついたな!」と鋭く言い放つ。これに対し石田氏は「『島本和彦』が持ち込みって、おもしろくない?」と、飄々と受け答えし、藤田先生と会場の笑いを誘った。
あわよくば、藤田和日郎作品といっしょに連載したい、と持ち込みの目的を再度叫ぶ島本先生に、「さっきから聞いてると『あわよくば』とか……全部小手先」「こういうところに許せなさが漂う」と島本先生を鋭く突き刺していく。
藤田先生は続けて、「周りから『ライバルと言っても仲良いんじゃないの?』『なぁなぁなんじゃないの?』と言われることもあるが、許せないところはある」「漫画家は、自分の作品に必死にならなければいけないのに、この人は『自分がどう思われるか』に必死になっている」「ちゃんとしろよ!」と、ライバルに刺激的な激励を送った。
そんなお二人の新作漫画がどうなるのか。「島本和彦」と「藤田和日郎」の名前が週刊連載という闘いのリングに並ぶことになるのか。会場限定で公開された衝撃的な特報に関しては、近く発せられるであろう正式発表を待ってほしい。
島本先生の「俺たちを応援してくれ!」という言葉に、会場からは大きな拍手と「頑張れ!」の声が響き渡った。
「楽しみにしておいてくれ!」
その後もお二人のトークは白熱。勢いはとどまることを知らない。本トークショーは当初、1時間で行われる予定だったが、30分の延長が決まった。しかしそんな延長時間も、お二人の軽妙かつ重厚なトークのもとでは意味をなさない。気づけば、あっという間にタイムリミットが訪れる。
藤田先生は今日のイベントも振り返りつつ、「『アオイホノオ』は島本和彦の自伝的漫画だが、あの作品はアンハッピーエンドで終わる」「なぜならジュビロが勝つから」と闘志を燃やす。
それに対し島本先生はご自身のこれからの活動について、「藤田作品に自身の作品が対抗できることをわかってもらえると思う。自分の漫画から繰り出されるパンチが藤田作品に当たって、藤田先生がふらふらになっている様子が見えている」と対抗する。こちらも内に秘める想いは熱い。
「結構勇気がいる話をしたよ」と今日を振り返る島本先生。そして今日一番の大きな声で、「やることはやる!」「楽しみにしておいてくれ!」と叫んだ。
最後にフォトセッションが行われ、本イベントは終了。島本先生と藤田先生がお互いにクロスカウンターをキメるポーズを披露した。その姿は、長年しのぎを削り続ける巨匠たちの日常そのもののように感じる。
笑いアリ、衝撃アリ、感動アリ、サプライズアリ、何でもアリな「島本和彦 炎の原画展 Ver.3 トキワ荘編 開催記念 島本和彦×藤田和日郎 炎のトークショー」。特別な関係で結ばれる2人の今後に、ますます目が離せない。
新連載情報
【風薫る5月の4大新連載!! #藤田和日郎 先生・ #島本和彦 先生のW巨頭新連載でスタート‼️】
— 【公式】少年サンデー編集部 (@shonen_sunday) April 22, 2025
同時第1弾:
『#シルバーマウンテン』藤田和日郎先生@SilverM_Sunday
『#ヴァンパイドル滾』島本和彦先生@vampidol_sunday https://t.co/uonpSmZ6x2 pic.twitter.com/ScUrei1YXT
イベント情報
イベント名:島本和彦 炎の原画展 Ver.3 トキワ荘編 開催記念 島本和彦×藤田和日郎 炎のトークショー
開催日:2025年3月14日
登壇者(敬称略):島本和彦 藤田和日郎 石田真悟(MC)




















































