
『ブンブンジャー』と『キングオージャー』の共演は“一つの奇跡”――Vシネクスト『爆上戦隊ブンブンジャーVSキングオージャー』ブンレッド/範道大也役・井内悠陽さん×クワガタオージャー/ギラ・ハスティー役・酒井大成さんインタビュー
ヤイヤイ・ヤルカーは「どう見ても味方」!?
ーー完成した作品をご覧になって、特に印象に残ったシーンを教えてください。
酒井:遊園地のシーンが面白かったです。アトラクションに乗っている時、リタがずっと不動で(笑)。
ーー(笑)。リタらしいですよね。
酒井:相変わらずだなって。ジェラミーとカグラギたちの商店街の掛け合いも良かったですね。「ほとんどアドリブなのでは?」と思うくらい、自由なお芝居が印象に残っています。
井内:僕はやっぱり、『ブンブンジャー』と『キングオージャー』のメンバーが揃っての同時変身です! 撮影の段階から映像をチェックしていて、「劇場で観たら絶対に心が動く」と確信していました。『ブンブンジャー』は夏映画で、初めて6人の同時変身シーンを撮ったんです。その時も感動したんですけど、それがよりパワーアップしたような感じ。
同時変身シーンに至るまでの過程でも、僕は“届け屋”として、ギラを皆がいる場所に届け、ギラはブンブンスーパーカーに乗って戦う。それぞれの役割を全うするじゃないですけど、クライマックスのシーンは大好きでした。
酒井:『キングオージャー』ではあまりやらなかったシーンでしたし、僕自身も感動というか……横を見ると『ブンブンジャー』がいるというのは不思議な感覚でした。やっぱりグッとくるものがありますね。
ーーブンブンスーパーカーに乗るシーンの撮影はいかがでしたか?
酒井:実を言うと、あんなに敵がいるとは思っていませんでした(笑)。あとは撮影自体が夏場だったので、とにかく暑かったです。ただ、ブンブンスーパーカーに乗れたことも率直に嬉しかったですし、すごく貴重な経験をさせていただいたと思っています。
ーー今作ではヤイヤイ・ヤルカーも大活躍します。『ブンブンジャー』のTVシリーズでは大也たちと敵対する立場だったので、一緒に行動している姿は新鮮でした。
井内:僕はヤルちゃんの泣いているシーンが大好きなんです(笑)。最初にデザインを見たときから「めちゃくちゃ可愛い」と思っていましたし、諸星すみれさんの声が加わることで、さらに魅力が増していると思います。
正直、TVシリーズを撮っている時から「できれば、サンシーターは倒したくないな……」と思っていました(笑)。だから、今回のVシネにも登場してくれて、すごく嬉しかったです。
酒井:最初に「ヤルカーは敵だった」と聞いたとき、めちゃくちゃ驚きました。「どう見ても味方でしょ?」って(笑)。
ヒーローと子どもたちの関係性。演じる一瞬一瞬を噛み締めてほしい
ーー井内さんから見た『キングオージャー』キャスト、酒井さんから見た『ブンブンジャー』キャストの印象をお聞かせください。
井内:単純に人数が多いので、現場がすごく明るかったです。僕たちは調(ハシヤスメ・アツコ)さんも含めて、結構少人数でやっていたんですけど、『キングオージャー』は街の人々も出てくるので、待機場所も多いんですよ。そういう部分も含めて、常にどこかしらで誰かの話し声が聞こえてきました。
酒井:僕たちも仲は良いんですけど、『ブンブンジャー』は仲の良さの方向性が違うというか。僕たちよりも、役者同士の会話が多いと思います。ずっと皆でマシンガントークしているんですよ(笑)。会話が途切れないんですよね。
井内:『キングオージャー』の皆さんは、やっぱり大人っぽいなって。『ブンブンジャー』キャストの間で「やばい! 自分たちも頑張らないと」みたいなやり取りをしていました(笑)。僕たちも真面目な話はしますけど、それ以外はお互いにずっとボケ合って、他愛ない話題を喋っていることが多いんです。
酒井:それぞれの作品の形がありますからね。
ーー井内さんは放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』にも出演されていますが、いつか再び大也を演じてみたいと思われますか?
井内:もちろんです。『ブンブンジャー』のメンバーも、「またVSシリーズに出たい」「また皆で戻ってきたい」という話をしています。ただ、今は『ブンブンジャー』のファイナルライブツアーが控えていて、そこでもTVシリーズの続きの話をやるんです(取材はファイナルライブツアー静岡公演前に実施)。そういう意味では、まだ真っ最中という感覚があります。
酒井:あとは、美味しいものをいっぱい食べておいで。
井内:それは楽しみです!
ーーシアターGロッソでの「素顔の戦士」公演もそうですが、ファンの応援の声をダイレクトに聞ける機会でもありますよね。
井内:子どもたちに「がんばれ!」「ブンブンジャー!」って応援してもらえると、本当に力になります。役としてもそうですが、“井内悠陽”としても頑張ろうと思えるんです。Gロッソもやっていて、毎回楽しいんですよね。
ーー酒井さんは、『キングオージャー』での経験が今に生かされている部分もあるのでは?
酒井:こんなにキャラクター性を出すお芝居というのは、これからもあるか分からないと思うんです。それこそ1年間グリーンバックで撮影するような経験も、自分の糧になっている部分だと思います。
ーー今年でスーパー戦隊シリーズは50周年を迎えました。これからヒーローを演じる後輩たちに向けて伝えたいこと、ヒーローを演じるうえで大事にしていたことはありますか?
井内:僕が大事にしていたのは、とにかく「かっこつけること」ですね(笑)。子どもたちは何回も観て変身シーンとかを真似してくれると思うんですよ。立ち姿とか、本当に細かい部分まで意識していました。
酒井:1年間ヒーローを演じる機会って、それこそ特撮くらいじゃないでしょうか。だからこそ、その瞬間を噛み締めてほしいと思います。自分も本当に一生に一度の機会だと思っていましたし、だからこそ「噛み締めてほしい」と伝えたいですね。全力で楽しんでほしいです。
ーー最後に、本作を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
酒井:『ブンブンジャー』にとっての集大成であり、『キングオージャー』にとっては1年ぶりの帰還でもあります。もしかすると、これが『キングオージャー』の最後になるかもしれない……そんな一区切りの作品でもあって。『ブンブンジャー』と『キングオージャー』の共演は、それ自体が“一つの奇跡”ですし、2つのスーパー戦隊の世界観を劇場で味わっていただければと思います。
井内:『ブンブンジャー』としては、TVシリーズが終わった後の続きの物語になっています。最終回もそれぞれの未来を感じる終わり方になっていたので、その先を見せられるのは嬉しいです。「大也たちは今も夢に向かって走っているよ」という姿を見せられる作品になっています。ぜひ沢山の方々に劇場で観ていただきたいです。
[インタビュー・撮影/小川いなり]
『爆上戦隊ブンブンジャーVSキングオージャー』作品情報
5月1日(木)より期間限定上映
10月29日(水)Blu-ray&DVD発売
あらすじ
立会人として招聘されたのは、爆上戦隊ブンブンジャー。
しかし突如としてハシリヤンの残党・マンホールグルマーが現れ、ニコーラから、トリクル王家に伝わる宝玉を奪ってしまう。
さらに宇蟲五道化のひとり・ミノンガンも現れ、同盟締結の儀式のために用意されていた聖剣・オージャカリバーZEROを強奪。
王様戦隊キングオージャーも駆けつけ、ブンブンジャーとともに戦うが、マンホールグルマ―の不思議な力で、戦士たちは離ればなれに……。
星を超えて散った大也たちは、窮地を脱するためそれぞれ行動を開始。
やがて地底から響き始める危険な鼓動……。
強大な悪意が目を覚まさんとする時、2大スーパー戦隊は再び一堂に会し、共に戦うことができるのか!?
三つの星をめぐる戦いが今、始まる──!!
キャスト
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