音楽
直田姫奈1stアルバム『FEVER -僕たちの計画-』リリース記念インタビュー

祝・アーティストデビュー1周年&1stアルバムリリース! 直田姫奈さん『FEVER -僕たちの計画-』インタビュー|「各曲へのふつふつ高まる熱と1年間の音楽活動の軌跡を詰め込んだアルバムです」

はじまりの「ラベンダー・ブルー」3部作と、みんなで紡いだ集大成の一曲

──では、収録曲をそれぞれご紹介いただけますか?

直田:1曲目の「ラベンダー・ブルー」は、私のソロアーティストとしての始まりの曲であり……最初の失恋ソングです(笑)。失恋してはいるものの、曲調は前向きでかわいらしい雰囲気になっています。

失恋した後、まだ完全に吹っ切れてはいないけど、前を向きたいんだという気持ちが伝わってくる曲だと思います。また、〈きっと築いて気付いて傷つきながら〉〈純粋な感情で好きで痛かった〉など、歌詞の中に言葉遊びがたくさんあって、新鮮な発見や共感があると思うので、歌詞カードを見ながら聴いていただきたいです。

──2曲目の「My Truth」は、スタイリッシュかつサスペンスなニュアンスで展開されて、1曲中に心の中の嵐を表しているような曲ですね。

直田:ガラっと印象が変わって、一番ドロドロで疑心暗鬼な曲です。「ラベンダー・ブルー」の過去編で、「あの曲の前にこんなことがあったんだ!?」と皆さんに明かすことができました。

恋愛だけでなく、友人関係など、色々な場面でこのような気持ちが湧くことがあると思うんです。だからこそ、多くの方に刺さってしまったり、核心をつかれたようにドキっとさせてしまったかもしれません。間奏で悶々と考え込んでいるような雰囲気が伝わってくるのもいいなと思います。


──楽曲とあわせて改めてリリックビデオを視聴したのですが、ドロドロとした感情が湧いてきました。

直田:そうですよね(笑)。相手の男の子の姿まで描かれていることで、ダイレクトにメッセージや想いを伝えられるので、あのリリックビデオは最高なんです。めっちゃ好きです。

──彼女が内心こんなことを考えているのかな、よく見てるなで終わらず、何をされるのかわからないぞと。男性側としては怖いなと思いました(笑)。

直田:いや、浮気だったり、裏切ったりしなければいいんですよ!(笑)

──(笑)。「ラベンダー・ブルー」と同様に「アイシャドウ」が歌詞の中に登場しますが、その意味についても改めて教えてください。

直田:「ラベンダー・ブルー」はアイシャドウの色を表現しています。次の「ばっかだな」まで通して、一人の女の子が背伸びをして、自分に似合わないラベンダー・ブルー色のアイシャドウを、彼に会うために頑張って付けていました。

女子にとってアイシャドウの色は、メイクでもかなり重要なポイント。印象も自分のテンションまでも変わってしまうのに、好きな人のために「彼が好きな色」を使って自分をかわいく見せようとする……これは究極の好意の伝え方ですし、恋した女子なら誰でもそんな想いがあると思います。

──そんな「ばっかだな」では緩やかなテンポ感で、〈簡単で単純な淡い恋でした〉と恋の終わりを歌っています。

直田:3部作の最後の曲で、「ラベンダー・ブルー」より、もっと未来のお話が「ばっかだな」です。「過去にこんなこと、あったよね」と、彼女自身もだいぶ吹っ切れていて、良い大人の女性になれたかなという曲です。

でも私は「すごいヤバい曲」だと思っています。歌詞に「ラベンダー・ブルー」と「My Truth」のフレーズが要所に入っているし、結構淡々と語るように歌っていますが、それが逆に切なさをかき立ててきて……じんわりくるんですよね。


──「ラベンダー・ブルー」3部作は、すべて金子麻友美さんが作詞されていますが、どの曲も韻を踏んだり、言葉遊びが多いのが印象的です。

直田:それは私からオーダーさせていただきました。……実はこの3曲を繋げることは、当初想定していなかったんです。「ラベンダー・ブルー」の作詞も苦労されたとのことなのですが、後から「3曲の世界を繋げたいです」とお願いしたので、韻を踏んだり、言葉遊びが豊富な曲を多く作っていただくことになってしまって。

さらに、この3曲のアナザーストーリーの朗読動画(「サニペダ〜Another Tale of Lavender Blue〜」)も金子さんに書いていただきました。金子さんご自身も初めての試みだとおっしゃっていて、たくさん曲を書かれている方の「初めて」を私がもらえたことはとても光栄なことですし、私がアーティスト活動を始めるにあたって、たくさんのご協力をいただいていますので、感謝の気持ちでいっぱいです。

この3曲を聴いたあと、朗読動画も視聴していただくことで、3部作のイメージがガラっと変わると思います。人によって、解釈の仕方が十人十色ある楽曲群になりました。


──3部作を経て展開される、4曲目「たどり着いた場所であたしお熱が出ている」のご紹介もお願いします。

直田:私とファンの皆さんとの1年間を、そばで見てくださっていたhabanaさんが作詞・作曲・編曲をしてくださった一曲です。私自身もとっても嬉しいですし、ファンの皆さんもとても喜んでくれました。

ファンの方々のことを曲にしてもらえるなんて、中々ないことですから……私たちにとって大切な曲になりました。私たちの軌跡そのものですし、誓い・約束を込めた曲でもあるので、アルバムタイトルの「お熱(FEVER)」や「僕たちの計画」も、この曲の歌詞からいただいています。曲順も、アルバムにとって大切な4曲目がいいなと。

──歌詞の言葉遣いにフォークっぽさもありつつ、間奏の前では「ギター!」と、ライブで演奏を振る時のセリフもあって。

直田:そもそもアコースティックライブのために作ってくださった楽曲だったので、この曲だけ最近レコーディングしたんです。デモでいただいた音源はギターが1、2本というシンプルな状態でしたが、収録のときはとっても豪華で! 

リアジュボーンの皆さんの演奏に加えて、金子さんもコーラスで参加してくださって。1年間の直田姫奈チームのフルメンバーが集結していて、サウンドにも集大成感がありました。まさにみんなで作り上げた1曲で、感慨深さがあります。

バンドロックやライブチューン、変化球的一曲まで聞きどころ盛りだくさん!

──「Monday Night」は、これまでと打って変わって激しいバンドロックですね。

直田:10曲の中でも一番ロックでカッコいい曲になりました。心の叫びを吐き出しているような曲なので、私も全力で、体力の限り歌ったことを覚えています。演奏もカッコよくて、ライブでもお客さんもペンライトをガンガン振って盛り上がりました。

──歌詞からクールで大人の女性像が連想されて、直田さんの歌い方もワイルドに聴こえます。

直田:たしかに、学生というよりも既に社会で活躍している20~30代くらいの女性っぽさがありますよね。

心が乱れている時は部屋が散らかりがちになりますが、そこも〈しわくちゃになった心 散らかりだしたこの部屋で〉と書かれていて、「わかる~!」と(笑)。このように、共感できるポイントが多いと思います。

〈青々として見せる芝生〉のように、周りにいる人が幸せそうに見えることも、自分自身で〈しょーもないな〉とわかっていて。すべてを言葉にして吐き出してくれるので、聴いていてスッキリするのですが、もしこの境地に自分が立っていたら……きっと泣いてしまうかも。


──続く「レスピラールの花束」はキーボードとドラム、ギターが刻むリズムと転調が多く、情熱的な曲ですね。

直田:歌詞が比ゆ的で、サウンドも曲中のリズムも随所で変わる、おもしろい曲だと思います。

私はアコースティックギターで参加しているのですが、リズムも細かく弾くのが一番難しかったです。力むと上手に弾けないんです。一生懸命弾いたので、歌だけではなくバンドサウンドもぜひ楽しんで聴いてくれたら嬉しいです。

──「レスピラール」はスペイン語で「呼吸」を表わしていますね。

直田:多くの人に当てはまって、共感性が高い曲なのかなと。例えば〈いつかはありのまま愛し合いましょう〉という歌詞は、誰でも理想として思うことだけれど、そこに「いつか」という言葉があるのがリアルですよね。


──7曲目の「エヌ・オー」は変化球な一曲ですね。

直田:1stライブ前にレコーディングをした9曲の中で、最後に録った曲でした。まさか最後にこんなテイストの曲がくるとは思っていなくて……「どうしたらいいの!?」と一番悩んだ曲でしたね。ライブで披露した時も「みんな、どんな反応をするんだろう?」とドキドキしていました。

でもライブで歌ったら「めっちゃ好きだった」や「忘れられない」など、とても良い反響がありました。1stライブに参加された皆さんは、何も曲知らない状態でのライブ参加になりましたが、その中でも印象に残りやすかったでしょうし、私自身も「こういう曲もできるんだ!」という発見もあって。歌っている側としては〈No!〉から始まるサビは気持ちいいし、ストレス発散にもなりました。

──そんな「エヌ・オー」の歌詞からは、若い世代の思考と独特な割り切り方が見えてきます。

直田:歌詞で言っていることは若者っぽいですよね。私が驚いたのは1番Aメロの〈私の内側 詩集はこれだけじゃない〉でした。

「詩集って何ですか?」と作詞の大西(洋平)さんに尋ねたら「SNSなどで何気なくつぶやく、アレです」と説明されて、「わっ!? イマドキ!」って思いました(笑)。日記ではなく、SNSなのはイマドキなのに、〈昔の歌で私馬鹿よねお馬鹿さんね〉は、今の若い人に果たして通じるのだろうかと。そんな時代が交差する部分もおもしろいと思いますし、聴けば聴くほどおいしい曲です。


──ベースの入り方もファンクですし、サビのグルーヴ感がカッコいいですね。

直田:カッコいいですよね! ベースのカッコよさが特徴的でわかりやすいのは、リアジュボーンのベース担当・西川さんが書いてくださったからでもあると思います。演奏だけでも聴き応えがあって。

また〈No!〉と歌っている裏で〈恋人なんて曖昧ね〉という歌詞も合わさっているなど、要所におもしろさが詰まった、ライブ映えする一曲です。

──「DAYDREAM BEAT」は、力強い掛け声やドラムの雄大さなどが特徴的な、まさにライブチューンですね。

直田:私の中では珍しい、とっても前向きな曲で大好きです(笑)。歌詞も〈小さいことは一切合切気にしなくていいよ〉〈骨太な大らかさに喝采〉など前向きな雰囲気があって、自分の考え方や在り方に通じるものがあるので、皆さんの背中を押せる曲になったらいいなと思って歌いました。

──作詞の只野菜摘さんは歌い手の内面や気持ちを歌詞に表現される方ですが、この曲でもらしさを発揮されているのですね。

直田:そこまで考えてくださっているとしたら嬉しいですね!

ドラムのビートが特徴的な曲ですが、歌詞もとても前向きです。「ヘイ!」という掛け声もあるので、歌っていても楽しいし、ライブでもみんなで同じ方向を見ることができる感覚もあります。1stライブの昼の部で初めて歌ったら、夜の部ではもう皆さんが「ヘイ!」のタイミングをマスターしていて、「天才かな?」と驚きました(笑)。

あと、この曲はエレキギターで参加しているのですが、思った以上に自分のエレキの音が聴こえてビックリしました。「後ろのほうで鳴っているのかな」と思っていたら、特徴的な音をしているのも相まって、目立って聴こえて「わっ!? 恥ずかしい! 私、弾けてる?」ってなりました(笑)。


──最高にカッコよかったです! 次の楽曲「ASTRO ESCAPE」は、エレキの音が効いているのに、スペーシーな雰囲気もありつつ、サビではすっかり宇宙空間に来た気分になりました。

直田:この曲も前向きで、かわいらしくてキュートな曲です。ドラムの柴田さんの音楽ルーツに基づいて作っていただきました。メロディもふわふわしていて、宇宙に漂っているような……お祭りでも恋でも、前日や恋が成就する前の準備している期間が楽しくて、つい浮ついてしまいますが、その時の気分を描いています。ちょっと強気な子が、自分が失恋するなんて1ミリも想いわずに突き進んでいる様子も良いですよね。

──歌詞もとてもロマンチックですよね。

直田:「好き」という気持ちが大気圏を超えちゃっているのがすごいですよね。こんなに真っ直ぐに好きと言えるのはすごいなぁ、と憧れます。サビが壮大なので歌っていても聴いていても気持ちがよくて。〈いつかは言わせて〉とは言わず、この子には早く〈Love you!〉と伝えてほしいですね(笑)。

また、他の曲で散りばめられなかった“かわいい”や“ルンルン”な雰囲気は、全力でこの曲に注いでいます!


──そして最後の収録曲「好きだった」は、温かいサウンドなのに歌詞は切なくて……。

直田:こちらは、浅井さんの音楽のルーツが詰まった曲です。どこかでラブストーリーが始まるような空気感ですが、とても切なくて……。音楽がさわやかな分、切なさがグンと増していて、私は好きな人と死別している、と勝手に推測しています。

きっと亡くなった彼氏か彼女、もしくは旦那さんや奥さんを想って、空を見上げながら「それでも前に進んでいくよ」「くよくよしていても君が悲しむよね」と、心の中で意する背中が見えたんです。

──楽曲解釈・理解において、直田さんの想像力が遺憾なく発揮されていますね。

直田:なのかなぁ?(笑) それくらい切なさが募っていった曲でした。

それと同時に、歌うのが難しかった曲でもあって。それまでは「このフレーズは歌うのが難しい」や「音がとりにくい」のようなことはなかったのですが、「好きだった」はメロディーラインをとるのが難しかったことを覚えています。特にAメロやBメロは、繊細に意識しなければ歌えなかったので、どの曲よりも多く練習したと思います。

どの曲もキーチェックの段階で、ある程度の方向性が決められたけれど、この曲だけは歌いこなせなかった自分がいて。まだ自分のものにできていない印象があったので、「本番までに自分のものにしなくちゃ」という気持ちが強かったし、一番苦労しましたね。

──ライブで歌う時は、より緊張したのではないですか?

直田:それが、1stライブの時はなぜか緊張しなかったんです。緊張したのは1曲目の「ラベンダー・ブルー」くらいで、その後はほとんど緊張しませんでした。ライブでは10曲目に「好きだった」を歌ったこともあって、のびのび歌わせてもらいました(笑)。

私は、最後にエモーショナルな感じで静かに終わるのが好きなので、この曲を最後に置きたかったんです。このアルバムの曲順にもかなりこだわったので、まずはこの曲順通りに聴いてほしいと思います。

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