
アニメイトと歩んだ1年間の集大成。20周年の道のりも“あなた”と共に──『May'n Road to 20th Anniversary with アニメイト「With you -For you-」』レポート
“特別なアンコール”のような形で
オープニングは「Disco☆Galaxxxy」で〈君はね アタシのV.I.P〉というフレーズとともに、まるで観客一人ひとりをメインストリートへ連れ出すようなスタート。部員(ファン)からの「部長〜!」という声援も飛び交うなか、「カモン!」とすぐさま「Get Ready」、さらに「あはっててっぺんっ」へ。三者三様のダンサブルなナンバーで、序盤からしっかりと会場の空気を温めていったMay'n。「『With you -For you-』へようこそ!」と両手を広げて最初のMCに入っていく。
「アニメイトでは『May'n Road to 20th Anniversary with アニメイト』という企画をずっとアニメイトさんと一緒に進めてきて、明日6月1日が私、May'n のデビュー20周年の記念日当日ということで──“Road to 20th”、いわゆる20年目が今日で一区切りとなります。そんな“20年目ラストデー”に、こうしてアニメイトシアターさんで特別なライブ『With you -For you-』を開催させていただけること、本当に特別なことだなと感じています」と、今回のライブに至った経緯を説明。
「実は(パシフィコ横浜の)セットリストを考えている段階から、“すべての曲は歌いきれない”という前提はあって。そのうえで、だったら“もうひとつの、特別なアンコール”のような形で、こういった時間を作れたらいいなと思って、この『With you -For you-』を企画しました。今日は昼公演・夜公演と、2公演ありますが、5月31日という特別な日に、こうしてたくさんの皆さんと一緒に過ごせていることがとても嬉しいです。
“-For you- あなたのために歌います”という気持ちで、今日はライブを届けていきたいと思っています。なるべく多くの皆さんに“歌を届けたい”という思いから、今日はファンクラブ限定で生配信も行っています。今まさにいろんな場所からファンクラブ会員の皆さんに見ていただけていること、本当にありがたく思っています。改めまして、よろしくお願いします!」
さらに、DAY2「With you -May’n Space」にて最初のMC直後に、May'n 名義の初シングル「キミシニタモウコトナカレ」を披露したことについて言及。そして、その流れともリンクするように、May'nの前身である、中林芽依名義でのデビューシングル「Crazy Crazy Crazy」の「-May'n ver.-」へ。
その流れからも分かるように、ここからはMay'n のもうひとつの原点を感じさせるブロックである。「Crazy Crazy Crazy -May'n ver.-」に続いて披露されたのは、「キミシニタモウコトナカレ」のカップリング曲「M-Revolution」。客席とともに“魔法をかける”ような振り付けを交えつつ、序盤の熱量を維持したまま、「Ready Go!」へとつなげていく。「Ready Go!」は「キミシニタモウコトナカレ」と同じく、本間昭光プロデューサーを迎えたMay'nの2ndシングルである(2010年放送のテレビアニメ『オオカミさんと七人の仲間たち』のオープニングテーマ)。
〈100年経っても ありのままでいい 好きなら好きと叫べばいい〉というフレーズは、今のMay'n の在り方やメッセージと重なるようで、今のステージにも自然に溶け込んでいた。実際にそれはMay'n自身も感じていることで、その後のMCでも「当時も素敵な曲だなと思ってたけど、今あらためてめちゃくちゃ自分らしい曲だなと思っている」と話している。
「当時から長く歌い続けられる歌を作っていこうとチームのみんなで話していたのですが、あの時以上に、大切な曲ばかりだなって思っています。今日は久しぶりに歌う曲がたくさんあります。でも、今日も歌えない曲ももちろんあって。でもそれは、歌いたくないから歌っていないわけでは決してなくて。タイミングを見て、絶対に歌いたいなと思っている、私にとってのメインテーマばかりです。今日もどの曲も大切に歌わせていただきたいなと思っています」
ちなみに、「M-Revolution」はリクエストがとても多かった楽曲のひとつだという。一方で、続いて披露されたのは、リクエストが“ひとりだけ”だったという曲。
「でも、だからこそ、その“あなた”にちゃんと届けたいと思いました。誰かのために歌いたいというのが、私が歌わせてもらう理由です」。
May’nの姿勢がよくあらわれたこの言葉とともに始まったのは、バラード「光」。さらに、パシフィコ横浜のステージでも言及していた「BLUE」へと続き、“聴かせる”ナンバーを連続で届けていく流れに。静かな集中に包まれたような、そんな空気がステージを包む。客席にいる部員たちも、思い思いの表情でステージを見つめていた。そこから「わたしのしるし」へ。やわらかく、丁寧に言葉を紡ぐような歌唱が印象的で、客席に広がる青いペンライトの光とともに、穏やかな一体感が生まれていく。
当時の気持ちを残しておいて良かった
MCでここまでの楽曲を振り返る。リクエスト曲が「いちばん多かったかもしれない」という「BLUE」は、今回のライブで披露するにあたり、May'n 自身も強く歌いたいと思っていた楽曲のひとつだったという。
この曲は、ミニアルバム『メイン☆ストリート』に収録されているMay'n が作詞を手がけた1曲。16歳〜17歳頃、レコード会社との契約が一度終了した時期に書いたもので、当時「もう未来なんてない」と感じながら綴ったリアルタイムの感情が詰まっていると明かした。
「最近、母から『あんた、子どもの頃から一度も弱音を吐かなかったよね』って言われて。だから、“BLUE”のような曲が出たときにビックリした、って。そうだったんだ!と自分でも驚いたんです。でも、そんな誰にも言えなかった想いを歌に残せていたんだなって。だからこそ、この曲で励まされたっていうメッセージを今回いただいた時に、ああ、当時の気持ちを残しておいて良かった、と思いました」と語った。
さらに、今回は“BLUEで終わりたくなかった”という理由から、次に「わたしのしるし」を置いたと説明。この曲もリクエストが多かった楽曲のひとつで、「この流れなら、“未来につながるセットリスト”になる」と思ったのだという。「“この気持ちを歌に変えて残しておこう”っていう歌詞が、今あらためて自分に響いていて。今回は“With you -For you-”というタイトルの通り、自分自身のためにも大切に歌わせていただきました」と話した。
ここで声色を切り替えて「さーーて! こっからはちょっと暑くなっちゃいそうだから」とデニムジャケットを脱ぎ、「タオルを一緒に振りましょう!」と続く「DOLCE」に向けて観客に呼びかけた。「今回は着席スタイルですが、ぜひ上半身で思いっきり動いてください。配信の皆さんもおうちで全力で!“With you”タオルをお持ちの方がいたら、ぜひ一緒に回してください! というのも、“With you”タオルは過去最大、腕にくるタイプなんです」と笑う。「もちろんタオルがなくてもペンライトでも拳でもOK。隣の方にぶつからないように、できれば前に向かって回してくださいね」と気遣いも忘れず、観客との一体感を大切にしながらラストスパートへ。



















































