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映画『ChaO』シシド・カフカ&梅原裕一郎がお互いのお芝居から感じたこと/インタビュー

映画『ChaO』マイベイ役・シシド・カフカさん&ロベルタ役・梅原裕一郎さんインタビュー|作りこまれた映像を楽しみつつ、深いテーマについても考えさせられる作品。梅原さんが完成映像を観て感じた「声優にはできないお芝居」とは?

スタジオ4℃が描く、夢を追うサラリーマンと人魚の国のお姫様のラブロマンス、映画『ChaO』が2025年8月15日(金)に公開!

本作の舞台は、人間と人魚が共存する世界。船を作る会社で働くステファン(CV:鈴鹿央士)は人魚の国のお姫様であるチャオ(CV:山田杏奈)から求婚されます。戸惑いつつもチャオと暮らしていくうちに、彼女のひたむきさにひかれていくステファン。そんな中、ステファンの夢であるスクリューのない船の「エアジェット」の開発も順調に進んで、いよいよお披露目という日にとんでもない出来事が起こって……!?

本作は、主演の鈴鹿央士さん、山田杏奈さんをはじめ、豪華キャストが集結していることも話題に。今回、映画の公開を記念し、チャオを気にかける優しいお姉さん・マイベイ役のシシド・カフカさんと、ステファンの友人・ロベルタ役を演じる梅原裕一郎さんへインタビューを実施! 作品の魅力や、お互いのお芝居の印象、お気に入りのシーンなどを語っていただきました。

 

 

ロベルタは芯が通りつつも相手の意見もちゃんと聞き入れる人物。マイベイはシシドさん自身が「近くにいてほしいな」と思うほどのお姉さん

──まずは、ご自身が演じるキャラクターの印象をお聞かせください。

梅原裕一郎さん(以下、梅原):ロベルタはロマンチストで、熱量も高いのですが、好きな機械と向き合う機械オタクでもあります。しかし無機質な人間ではなく、恋をしたり、人の痛みもわかるし、友情も育める、人間臭いキャラクターだなという印象を受けました。

──梅原さんは、工作などモノ作りは好きですか?

梅原:僕も昔からモノ作りに興味があるタイプで、自分でいろいろなモノを作ったりするのは好きです。

 

 

──親友のステファンとケンカするシーンがありましたが、梅原さんは腕っぷしは強いほうですか?

梅原:僕は強くないです(笑)。彼は「自分の好きなものは譲れない」という芯が一本通っていますが、きちんとコミュニケーションも取れるので憧れます。

──続いて、マイベイについてお願いします。

シシド・カフカさん(以下、シシド):マイベイみたいなお姉さんが近くにいてほしいな、と思いました。彼女は不器用ながらも、頼られたら応えたいと思う人ですが、私自身はあまり頼られないからこそ、頼られたら全力で応えようとするところは似ているかもしれません。

昔から音楽の現場にいると、自分が一番年下ということが多かったので、どちらかといえばすごく甘えてしまうタイプです。年齢が上がるにつれて、年下の子がどんどん入ってくるんですが、自分はまだ一番新人という気分が抜けなくて。なので、頼られた時は普段はしない頑張りを見せることがあります(笑)。

──マイベイは料理が得意そうでしたが、シシドさんはいかがですか?

シシド:人さまに食べさせられるようなものは作れません(笑)。

──演じる上で意識された点や、ディレクションの中で印象的だったものを教えてください。

梅原:アフレコ当日に、監督から「カッコいいしゃべり方をするキャラです」と説明を受けました。「本質的なカッコよさからくるものというよりも「こういう人間でありたい」と思ってキザな雰囲気を醸してほしい」と。まずそこを意識したいなと思いました。

 

 
また、絵が独創的なので、そこに負けないように演じなくてはいけないなと思いつつ、絵で(心情などが十分に)説明されているので、あまり余計なことをしたくないなという気持ちも少しありました。セリフがなくても伝わる絵力がある作品なので、邪魔をしないようにしたいなという気持ちと、いろいろな方が声をあてられているので、その中でロベルタという個性を出せたらいいなというのは意識しました。

──バランスをとるのが難しそうですね。

梅原:完成した映像を観た時、「ちょっと濃くしたほうが良かったのかな」と少し反省しました。芸人さん(山里亮太さん、くっきー!さん)が声をあてると本当にキャラが強くて(笑)。さすがだなと思いました。でもロベルタがやりすぎたらクドいかなという気もしたし……今回は本当に勉強になりました(笑)。

シシド:最初にリハーサル用の映像をいただいた時、ガイドで声優さんがあてられているのを聴きながら練習させていただきました。そのマネをすることもできましたが、私がやることに意味を持たせてしまったことをちょっと後悔しています(笑)。

私が人に頼りたいタイプなので、私が思う包容力のある、そしてロベルタの横にいる女性としてのアプローチの仕方で膨らませました。現場で「お化粧がうまくできない、ちょっと抜けているおちゃめなところがある女性なんですよ」と説明されて、そこから頑張って練り直したかったんですが、結局、私が準備していたものを出すのが精いっぱいでした。

 

梅原さんが完成映像を観て感じた「声優にはできないお芝居」とは?

──それぞれ一人で収録されたそうですが、お互いのお芝居をご覧になった感想をお聞かせください。

梅原:自然な姉御感が醸し出されるお芝居だったので、チャオもステファンも頼りたくなるような女性というのが声から伝わってきました。僕がアフレコする時はまだマイベイの声は聞けていなかったのですが、今日、シシドさんとお会いして納得しました。お芝居は生き様が表れるものだと思っていますが、シシドさんは歩いている姿ひとつみてもカッコいいなと。そんなところが自然と声に乗るものなんだなと思いました。でも先ほど甘えるタイプと仰っていたので意外でした(笑)。

シシド:今もかなり寄りかかってますよ(笑)。

私は梅原さんの声を聞きながら収録しましたが、ちゃんと聞きやすい位置に声がいる中で抑揚がしっかりとあって、ロベルタがそこにいるのを感じていました。それがすごく勉強になりました。すべてのワードが聞きやすくて、でも感情がちゃんと乗っかっていて、ロベルタがそこにいる、表現できているのがすごいなと。私から質問したいことがたくさんあるし、私こそいろいろ勉強になりました。

 

 

──シシドさんは、アニメでメインキャラを演じるのは今回が初めてだったそうですが、いかがでしたか?

シシド:ありがたい気持ちと同じくらいプレッシャーも大きかったです。収録が終わって、公開を目前にした今も、(お客さんが)マイベイをちゃんとそこに感じてくださるのか、不安しかありません。今までは3分間の歌の中でストーリーを歌ってきましたが、それとはまったく違うアプローチで、声を使って表現してみたいという気持ちがあったので、今回挑戦させていただけて、とても光栄でした。

──声優のお仕事をされたことで、音楽や実写のお芝居などに活かせる部分や発見などはありましたか?

シシド:アニメは表情を作っている人が別にいて、決められた尺の中で彼女がしゃべっているように抑揚を計算しながら帳尻を合わせることが難しく、特にマイベイは一つのセリフの中であまり感情が動くところがなかったので想像以上に苦戦しました。家で練習している時はできているつもりなのに、現場で収録したものを聞き直してみると、「感情が乗っかっているように聞こえないからもう一度やらせてください」と何度もお願いしました。声の高低なのか、さじ加減なのか、声の細さや太さの違いなのか、ずっと悩みながらやっていました。いまだに完成した映像を観て悩んでいます。

梅原:アニメでこれだけ表情が動く作品だと、絵のお芝居と声のお芝居をしている人、演者が二人いる状態なので、そこをどう近づけていくのかを考えないといけませんでした。でもある種、捨てていいところを見つけて、絵にお芝居してもらうということも必要かもしれません。あまり絵を見すぎて、「そこまでの表情をしてないからな」と考えすぎるとお芝居が小さくなってしまうし、そういうことが僕も多くて。

なので、ちょっとハズれるくらいでもよくて、足し算や引き算したりしていく感じかなと。特にマイベイやロベルタみたいな役はそういう作業が必要なのかなと思います。例えばシー社長のように、見た目から濃さがあるキャラは全部プラスしたお芝居のほうがおもしろいでしょうし、その都度、キャラに合ったものを出せるのが一番いいのかなと思います。

シシド:難しいですね。

 

 

──他に、プロの声優として梅原さんからシシドさんにアドバイスするとしたら?

梅原:アドバイスできる立場ではないのですが……シシドさんが仰っていたように聞き取りやすくセリフが聞こえることは声優の技術の一つですが、今回のキャストの方の声を聞いて、「そこじゃないな」と感じました。それよりも、セリフがきゅっとなっていたとしても感情が伝わるシーンが多く、それは逆に僕にはできないお芝居だなとすごく感じました。(声優は)「きれいにしゃべろう」とか「聞き取りやすくしゃべろう」ということを求められることが多いので、そうではなくて、普通にしゃべっていても感情が高ぶれば、一部聞き取りづらくなるものがあってもいいんじゃないかなと。それを完成映像を観たことで更に感じましたし、「ちょっときれいにしゃべりすぎたかな」という反省もありました。声優特有のクセがついてしまうよりも、自然に演じたほうがいいのではないかなと思います。

シシド:ありがとうございます。まだまだ聞きたいことがあるので、ぜひまた教えてください。

 

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