
ミオは“参謀”であり、“忍者”。忠誠心溢れる有能な侍従頭なんです!──アニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』リレーインタビュー第4回 ミオ役・日笠陽子さん
“本人は真剣”というラインは越えないように
――さて、直前に放送された第7話では、シャデラン男爵家に潜入するミオの活躍が描かれました。こちらの話数はいかがでしたか?
日笠:変装したミオは、ぶっ飛んだギャグとしてではなく、あくまでミオというキャラクターの根底を保ちつつ演じるようにしました。ミオ自身はふざけているつもりはなく、変装も真剣そのもの。でも、見る側からするとギャグに映る。その“本人は真剣”というラインは越えないようにしました。
そういう意味では変装したミオを演じるミオがいて、それを演じる私がいるという複雑な枠組みになっているんです。難しいなとは思いながらも、その枠組みの中でもう少し遊んでほしいと音響監督さんからディレクションをいただいたので、私もなるべく振り切るようにしました。
――ミオの大胆な行動にも驚かされました。
日笠:どんな心臓をしているんでしょうね! 私は結構ビビリなので、潜入のような大胆な行動はできないなと思いながら演じていました。
――マリーの父グレゴールとのやりとりは緊迫感がありました。
日笠:実はこのシーンは、「グレゴールさんとどこまでバチバチにしますか?」と音響監督さんに相談したんです。お互いに素性がバレている前提でいいとのことだったので、わざとらしさを入れてみたり、マリーのことを強調してみたりと、あえて“イヤ~な感じ”の遊びを入れてみました。ヒリヒリするやりとりになったんじゃないかなと思います。
――では、日笠さんから見たマリーの印象やその魅力についてはいかがですか?
日笠:本村ちゃんのお芝居によってマリーの魅力が大きく引き出されたと思います。マリーは慎ましやかで、自分に自信がない女性です。家族によって人としての、女性としての尊厳も奪われてしまっている。だから、グラナド家にやってきたばかりのときは本当に子どもだったんだろうなと思いますし、保護しなければいけない存在という印象がありました。
ただ、リュー・リューが言ったように「愛情と過保護は別物」なんです。守りすぎてもいけない。彼女自身が、自分をまっすぐに見つめ、自分を認められるようにならなければ本当の意味で変われないんじゃないかなと思います。
ミオもたぶんそれに気づいているので、マリーを保護しつつも彼女が自ら自分を認められるように接しているように感じました。そういう意味では、マリーは“生徒”や“妹”というイメージが強いです。
――グラナド家にきてから、どんどん明るくなっているのも印象的です。
日笠:「よかったね」と声を掛けてあげたくなります。それはやっぱり旦那様やミオ、リュー・リューをはじめとするグラナド家全体のサポート、愛情が大きいんだと思います。旦那様は恋愛としての愛情を注ごうと、何でも与えようとする。でもそれだけではダメなんですよね。
ミオも第4話で自分の出自を重ねながら、マリーが萎縮する気持ちを語っていました。もちろん、さまざまな愛があるからこそバランスが取れるのだと思うので、これからもグラナド家のみんなにはいろいろな形でマリーをサポートしてほしいです。
――サポートという点で、本村さんにインタビューした際、アフレコ現場で日笠さんたち先輩方にとても助けられているとおっしゃっていました。その辺もマリーとグラナド家と重なるのかなと。
日笠:いや~、私はそんなことないと思いますけど(笑)。ただ、コロナ禍では一人ずつ別録りで、決まったマイクで収録していたので、本村ちゃんは今のように全員で収録することに慣れていなかったと思うんです。
だからこそ序盤は、音響監督さんの説明があったときに本村ちゃんのメモが追いついていなかったら、「ちょっとお待ちください」と伝えることがありましたし、本村ちゃん本人に「私はこういうふうにしていたよ」とマイクワークのアドバイスをすることがありました。
ただ、途中からは私もミオモードになったのか、彼女自身の成長を見守るようにしました。言いすぎず、離れすぎずの立ち位置といいますか。そうすると、今度は濱野くんがサポート役を担うようになって、現場の空気がキャラクターたちそのままの関係性になってきたんです。それを俯瞰して見て、ほっこりしました。
――まさにミオの立ち位置そのものですね。
日笠:本当にそうですね。今は彼女の成長を見守りつつ、自分も第12話の収録が終わったときにどんな感情になるのか楽しみにしています。
――では最後に、第8話以降の見どころを教えてください。
日笠:第8話はマリーと旦那様のデート、マリーとアナスタジアの過去に注目していただきたいです。マリーは今の生活に幸せを感じつつも、アナスタジアのことを考えて後ろめたさを抱くようになります。その感情が解消されるのか、されないのか。ミステリー度合いもどんどん強くなっていくので、ぜひ楽しみにしてください。本村ちゃんの演技も本当に素晴らしいです。
作品情報
<放送情報>
2025年7月4日(金)から
MBS・TBS・CBC・BS-TBS“アニメイズム”枠ほかにて放送中!
MBS:7月4日から 毎週金曜日 深夜1時53分〜
TBS:7月4日から 毎週金曜日 深夜1時53分〜
CBC:7月4日から 毎週金曜日 深夜1時53分〜
BS-TBS:7月4日から 毎週金曜日 深夜2時30分~
※放送日時は変更になる場合があります。
<配信情報>
U-NEXT・アニメ放題・dアニメストアほか各種配信サービスにて配信中!
あらすじ
ずたぼろの服をまとい、両親から召使のように扱われている貧しい男爵家の次女・マリー。それでも素直で優しい心を持ち続け、彼女は家族に尽くしていた。
ある日、マリーのバースデーパーティが開かれる。ところが、主役はお姫さまのような姉のアナスタジア。会場の外で哀しそうに佇むマリーは、偶然にも大富豪のキュロス・グラナド伯爵に遭遇する。
お互いに惹かれ合い、マリーにひと目惚れしたグラナド伯爵だったが、ある勘違いからマリーではなく、アナスタジアに求婚してしまう!
急速に進んでいく、グラナド伯爵と姉との婚約。しかしアナスタジアが事故死してしまい、代わりにマリーが伯爵家へ嫁ぐことになり……!?
勘違いから始まる“ずたぼろ令嬢”のシンデレラストーリー、開幕!
キャスト
マリー:本村玲奈
キュロス:濱野大輝
アナスタジア:田中美海
ルイフォン:木村良平
ミオ:日笠陽子
リュー・リュー:大原さやか
トッポ:柿原徹也
トマス:小林竜之
チュニカ:相坂優歌












































